インペラ交換1 (分解)


この写真、中央下側の拡大が、この次の写真になります。



ロワーケースを分解する為に、まずクラッチを切り離します。
左側のナットを緩めた後、6ミリボルトを10ミリスパナで緩めます。
手前の少し曲がったステンレスシャフトがロワーケース側のクラッチシャフトです。
このクラッチシャフトが上下する事で、前進・中立・後進を切り替えています。
組み付け時の為に、この羽目位置を覚えておいて下さい。
クラッチレバーをニュートラルにし、クラッチシャフトもニュートラル(中立)の位置で組み付けてください。
クラッチシャフトをニュートラル位置にするには、クラッチシャフトを上下させ、
プロペラを回した時に、左右問題なく軽く回る位置がニュートラル位置です。



指で指してる2分割の部品の右側はネジが切ってなくボルトの通し穴で
左側はネジが切ってあり、ボルトを締めるとクラッチロッドを挟んで締め付けていきます。
左のナットはボルトの緩み止め用のロックナットです。
ロワケースの分解組み立て時には、この程度緩めておくだけで十分で
完全に取り外す必要はありません。



ロワーケースの6ミリボルト4本を10ミリメガネ等で取り外します。



取れにくいときはプラスチックハンマーで軽く叩くかマイナスドライバー等を打ち込んで下さい。
尚、クラッチシャフトが上側の蛇腹ブーツで引っかかり、途中から少し抜け難くなります。



ウォーターポンプのカバーを6ミリボルト4本を10ミリメガネ等で取り外します。
塩付きで固着してる場合は折れやすいので注意して下さい。



ドライブシャフトは右回転ので、インペラの羽もその方向に曲がっています。
組み付け時は、この方向になるようドライブシャフトを回しながら組み付けて下さい。
組み付け時は、ポンプケース内側全体にグリスを塗って、初期摩擦を減らして下さい。




インペラの下にマイナスドライバーを差込み、下側のプレートを傷めない様にして
抜き取ります。シャフトの上側に塩の固着等がある場合は事前にペーパー等で
除去しておいて下さい。

左側のクラッチシャフトに付いているシフトロッドブーツ(ゴムの蛇腹)が
切れているとギヤケースに水が入りますので、亀裂などが入っていないか
少し伸ばして点検し、亀裂が入ってる場合は交換して下さい。


ドライブシャフト下側左にあるのがインペラを固定する為の
インペラキーで半月形をしています。
取れにくい場合が多く、マイナスドライバーでこじたり、叩いたりして取り外します。
それでも取れない場合は、シャフトが曲がらないよう注意しながら
酸素(酸素とアセチレンを使った火力)で暖めて取る場合もあります。

インペラキー下側のステンレスプレートは磨耗が酷い場合は交換します。
その上のガスケットは出来れば交換して下さい、



ドライブシャフト右にある縦長の穴は冷却水取入れ口からの
通路です。1枚前の写真のプレートの穴はこの穴と逆の位置にあるため、
ドライブシャフト周辺の水の通路が塩などが固着して塞いでしまうと
冷却水を汲み上げません。この通路も点検・清掃が必要です。
写真右の穴は排気穴で冷却水と一緒にここを通り、プロペラ中央から排出されます。

ドライブシャフト根元にはオイルシールが2枚入っており、ギヤケース内に水が入ったり
逆にギヤオイルが外に漏れたりするのを防いでいます。
ギヤケースに水が入ったりする原因は、ここのオイルシールとプロペラシャフトのオイルシール、
シフトロッドブーツ、ギヤオイル交換時のネジのパッキンの損傷のいずれかが大半です。


インペラ交換2 (点検整備)