針の穴で写真が取れる?
とっても不思議なカメラです。

フィルムでピンホール写真

デジカメでピンホール写真

レンズを用いずに針穴(ピンホール)を用いて写真を撮るカメラのことをピンホールカメラといいます。
そしてそのカメラで撮影した写真をピンホール写真と呼びます。

ピンホール写真のとり方として、
@自分でピンホールカメラを作成する。
A一眼レフカメラ等を改造して使用する。

この二通りの方法があります。

@自作ピンホールカメラ
光が入ってこない暗箱を用意します。木材などで箱を作ってもいいし、お菓子の空き缶、ジュースの空き缶を利用してもいいでしょう。
一箇所に針で穴を開けます(0.3ミリぐらいのドリルであけるのがいいかな?)
穴の反対側にフィルムや感光紙などを貼り付ける。シャッターの代わりに穴をビニールテープでふさぎます。たったこれだけで立派な写真機の出来上がりです。
詳しくは、検索エンジンで「ピンホール」「針穴」などをキーワードにして検索すると詳しく記述されているページがあると思います。

A一眼レフの一部改造によるピンホールカメラ
僕が実際にやっている方法です。

@)準備物
  一眼レフカメラ・カメラのボディーキャップ・アルミ板(アルミ缶を切りました)
  φ0.3ミリのドリル・黒マジック・黒ビニールテープ・φ5ミリぐらいのドリル

A)方法
  カメラのレンズのかわりにボディーキャップにピンホールを設けて、そのボディーキャップを装着して撮影する。

B)改造

ボディーキャップに取り付けるピンホールを作成します

アルミの空き缶を解体し、直径2センチぐらいの円盤を作ります。
円盤の中心に0.3ミリのドリルを用いて穴を開けます。これがレンズの代わりになるピンホールです。

これが、カメラのレンズ取り付け部に(レンズをはずして保管するときに)はめるボディーキャップです。
カメラ屋さんにいけば、400円ぐらいで入手できます。

ボディーキャップの中心に直径5ミリぐらいの穴を開けます。

キャップの裏側から、黒のビニールテープで貼り付けます。
カメラ内部での光の反射を防ぐために、黒のマジックでピンホールの板を黒く塗っておきます。
ピンホールのキャップを取り付けて、完成です。

このような感じになります。
実際の撮影ではレンズを用いませんが、露出を決めるために内臓露出計を使用するためレンズも必要です。

長時間露光をしないといけない関係で、ケーブルレリーズを使用しました。

C)撮影

  さて撮影です。撮影の方法は、マニュアルで露出を決めて撮影です。露出は絞り値(F値)とシャッタースピードの組み合わせで きめます。

○絞り値の決め方(求め方)

  絞りのF値というのは「焦点距離が穴の大きさの何倍あるか」という値ですので、焦点距離(ピンホールの場合は、穴とフィルム面の距離)を穴の大きさ(直径)で割ればいいのです。

F値=焦点距離÷穴の直径

したがって今回作成したピンホールカメラの場合、穴の直径は0.3ミリで、焦点距離は45ミリなので

F値=45ミリ÷0.3ミリ=150

となり、絞りの
F値は150ということになります。

○シャッタースピードの決め方(求め方)

とある、ホームページからこんな式を見つけました。
シャッタースピード=「(ピンホールのF値÷測定したF値)の2乗」×測定したシャッタースピード

たとえば、f値5.6でシャッタースピードが1/125秒だとします。

150÷5.6=26.7
26.7*26.7*(1/125)=5.7
となり
5.7秒がこのピンホール撮影でのシャッタースピードとなります。

実際に実験撮影してみると露出についてはあまりシビアではないみたいです。
1秒から20秒まで段階的に撮影しましたが、写るという事実でいえばどのシャッタースピードでも写っていました。
ただ、計算で求めた速度よりかけ離れていると色合いが変だったり、シャープさにかけてたりします。

○構図の決め方

長時間露出になるので、三脚などを利用します。
ピンホールを装着したままでは、ファインダーをのぞいても真っ暗で構図が分かりません。
今回のピンホールカメラの焦点距離は約45ミリですので、50ミリの標準レンズより少し広角気味であるというだけなので50ミリのレンズを装着して構図を決めればほぼそのとおりの構図で撮影できます。
で、50ミリの標準レンズで構図を決めてから、ピンホールに付け替えてシャッターを切ります。



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