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寝台特急 日本海
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 昨年9月、同じコスミック出版の電車特急を特集のため、東海道本線の山崎から高槻にかけて、何度か撮影に出かけた。
 そのとき、合わせて『日本海』の写真も何枚か撮っている。まずは残照を受けて走る4001列車。18時すぎの撮影だが、9月となると思ったより日が暮れるのが早い。

日本海 残照shadowshadow


 もう1枚は、山崎駅を通過する大阪行きの4002列車。
 このときは、有名な山崎のカーブで上り列車を狙っていて、反対からやってきた『日本海』は、とりあえず撮ったというのが本音である。
 そのため、画面右手に架線柱に支柱、踏切や看板などがごちゃごちゃと入り、アングルとしては今ひとつ。

日本海 山崎shadowshadow

■     ■     ■

 先日、たまたま東海道本線に乗って、新大阪〜大阪間の上淀川橋梁を渡ると、土手の上に大勢の撮り鉄が集まっていた。時計を見て、「そうか、4002列車が来る頃なんだ」と気づく。
 それで思い出したことがある。2年ほど前の平日に、仕事で大阪に出かけた際、上淀川橋梁まで足を伸ばし、4002列車を撮ったことがあった。
 淀川の土手に上って、列車を待っていると、作業着姿の男性がカメラを提げてやってきた。「日本海ですか?」と声をかけると、「そうです」との答え。
 でも、考えてみれば、淀川べりで「日本海ですか?」なんて会話は、通りがかりの人が聞いたら、何の符丁かと怪訝に思うだろう。それが通じるのは『鉄』ならでは連帯感だ。
 連帯感に気をよくして、調子に乗って「お互い会社には言えませんね」と彼に話しかける。「本当に」と笑う彼と、さらに連帯感?は強まる。
 来月からは、こんな会話もできなくなってしまう。

日本海 淀川shadowshadow

この日の牽引機は、トワイライト色のEF81−114号機であった。(2010年5月撮影)


 最後の写真は、突然大阪を離れ、今年1月下旬に奥羽本線の大鰐温泉駅で撮った4001列車。EF81がマスクをしたように雪まみれで、ヘッドマークも見えないが、正真正銘の『日本海』である。
 なぜ、大鰐温泉へ行ったのか、もう察しはつくと思うが、それは機会を改めて。

日本海 大鰐shadowshadow


 『日本海』の廃止が近づくにつれ、撮り鉄はさらにエスカレートしていくだろう。あまりそういう騒ぎは得意ではないので、大鰐温泉駅での撮影が最後になってしまいそうな気がする。 

【2012年2月記】

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