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由利高原鉄道
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西滝沢駅に遠足の小学生たちが着いた
 鮎川から再びとって返して、西滝沢へ。さて、次の列車は何時かなと時刻表を見ると、下り5D!?いつの間にか追い抜いてしまっていた。
 ほどなく5Dが到着して、遠足に向かうのか、大勢の小学生が降りてきた。と思ったら、また後ろのドアから乗り込んでいく。さては降りる駅を間違えたなと、様子を見ていると、引率の先生たちの怒鳴り声で事情がわかった。どうやら切符を運転士に渡さずに降りてしまったので、もう一度乗ってやり直していたのだ。団体扱いではなく、子供ひとりひとりに切符を持たせていたのかと、ちょっと驚く。
 やっと全員が下車して、小学生が駅前に整列したところを見計らって、「遠足ですか?」と、先生のひとりに声をかけてみる。しかし、下車時のトラブルのせいか、完全にテンパった様子で、こちらの姿も声も、目や耳には入らないようだ。
 逆に、小学生たちのほうが、頭上から降り注ぐ桜の花びらに、「うわあ、桜吹雪」と歓声をあげて、余裕たっぷり。
 一方の先生はといえば、人数確認にも手間取り、焦った様子で「さあ、早く早く」と子ども達を急き立てながら、出発していった。
 あっ扉、と声をかける間もなく、最後尾の先生が待合室から小走りに出ていく。「虫が入るので、扉を閉めてください」と書いてあったのに、それすら気づかず、開けっ放しである。
 しょうがないなあ、もしかして先生はみんな初めての引率で緊張していたのかな、こんな調子で大丈夫だろうか、と余計な心配をしつつ、待合室の扉を閉めたのであった。
 ところで、前日は、まだ満開だった桜は、ほとんど散り果てていた。ここでは、桜に鳥海山に鯉のぼり、という3点セットを狙っていただけに、肝心の桜が一夜でこんなに散ってしまうとは・・・。
 撮影ポイントに立って、その理由を体感する。写真は長閑な田舎の駅、という風情であるが、実は、猛烈な風が吹き荒れていて、飛ばされないよう電信柱の支柱にしがみついて撮ったのである。どうやら風の通り道になってるようで、これでは桜の花など、ひとたまりもない。


桜に鳥海山に鯉のぼりshadowshadow


子吉川沿いを走る
 その後は、川辺駅へ向かい、車を置いて、羽後本荘側へ少し歩いて戻り、子吉川沿いを走る区間へ。
 撮影ポイントは決めたものの、まだ時間があるので、様子を見にもう少し先まで歩いてみる。が、これといったポイントはなく、やはり元の場所で撮ろうと戻ってみると、やられた!いつのまにか軽のワゴンが停まっていて、鉄ちゃんが下草刈りをしている。
 う〜ん、しかたない、一言だけ声をかけて、撮り鉄のルールに従い、7Dは彼のすぐ後ろから撮る。本当は、左側のガードレールが見えなくなる位置まで、前に出たかったのだが。

川辺〜矢島間の築堤にて
 上りの12Dは、逆に川辺駅から矢島側へ少し歩いた築堤で撮るつもりだったので、急ぎ足で向かう。遠目に、さっきの軽ワゴンが右往左往走り回っているのが見える。そうなんだよね、車だと、意外に撮影ポイントを決めかねてしまうものだ。
 築堤では、土筆を入れようと、カメラを地面に置いて、ローアングルで撮る。
 彼はどこで撮ったのだろうと見渡すと、県道を猛スピードで走っていく軽ワゴンが目に入った。たぶん追っかけをするのだろう。

 こちらは同じ場所にとどまり、下り9Dの到着を待つ。実は、駅の桜と鯉のぼりを入れたアングルが、ここでの本命なのであった。
 相変わらず、風は強く、鯉のぼりの向きが定まらない。もっとも横を向いた瞬間を撮ったのが、下の写真だ。
 それにしても、桜と鯉のぼりのコラボは、東北ならではだなあと、写真を見て改めて思う。


川辺駅の桜shadowshadow


 ここから、飽きもせずまた鮎川小学校へ。昼時になったので、鮎川小学校の鯉のぼりの下で、これまた飽きもせずコンビニ弁当。
 ただ、桜は、ここも厳しい状況に。朝と比べても、さらに散っている。何本か撮影したが、どうも代わり映えのないアングルばかり。ということで、せっかくの好天であったが、写真は省略。

 最後は曲沢付近の築堤で、鳥海山をバックに撮影。
 正直に言うと、このときばかりは、自分に課した倫理規定を破っている。どうにも車の置き場所がなく、農道に停めざるを得なかったのだ。農作業の車が来たら、すぐ退かせられるよう、車の見える位置で撮ったのが、せめてもの言い訳である。


曲沢付近で鳥海山をバックにshadowshadow


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