IE4.0あるいはNN4.0以上でご覧の方で、  
このページに入られた方はこちらへどうぞ。

鹿島鉄道
1/2
地図を表示

 いったい何が本業なのか、というそしりを覚悟のうえで言うと、鹿島鉄道もまた、翌日の東京出張にひっかけて出かけたのである。
 前夜、今どき珍しいくらい古びた石岡のホテルに泊まり、翌朝7時16分発のキハ601に乗車。
 キハ601は元国鉄のキハ07形で、改造されて半流線型の特徴ある原形は失われているが、そこはかとなくキハ07形らしさをしのぶことができる。改造されたとはいえ、戦前生まれの07形が現役であること自体、奇跡と言ってもいいだろう。

キハ601の車内
キハ601の車内



 途中、常陸小川で交換のためしばらく停車する。ホームに降りてキハ601を見ると、朝日に染まり、生き生きと上気したような顔だ。いい顔だなとカメラに収めたのが左下の写真。何の変哲もないアングルだが、我ながら結構気に入っている。右端に自分の影が長く入ってしまったのはご愛嬌。

朝日の染まるキハ601   キハ602
朝日に染まるキハ601 交換の上り列車も同形のキハ602であった

 次の下り列車は旧型2連のはずなので、霞ヶ浦をバックに撮ろうと、浜駅で下車。
 玉造町側に少し歩き、適当な撮影ポイントを探すが、高い位置でないと霞ヶ浦が見通せない。国道355号線が築堤上を走っているので上ってみるが、どう構えても画面を電線が横切ってしまい、うまくない。
 やむを得ず近くの道端に置いてあった大きな土管によじ登ることにする。この日は本業の出張であるから、スーツにコート、靴は革靴といういでたちである。それで丸い土管に登るのはつるつるすべって難儀なことであった。
 おかげで靴はどろどろ、コートの裾も汚してしまい、自分でも何をやっているのか情けなくなる。おまけにスーツ姿で土管の上に仁王立ちでカメラを構えている(しっかり踏ん張らないと滑り落ちてしまう)のだから、傍目には怪しい人間にしか見えないであろう。ただでさえ鉄ちゃんはそういう目で見られるのだから、自重しなくちゃいけないのに・・・。とにかく、撮影を終えるまで誰も来ないで欲しい、と祈るばかりであった。
 そんな苦労の甲斐もあって?そのとき撮った写真は『ローカル私鉄なるほど雑学』の表紙写真として採用されたのであった。その写真を再掲するのも何なので、ここでは同じ場所で(さすがに土管の上ではないが)撮ったKR501の写真をお目にかけることにする。

KR501 筑波山、霞ヶ浦をバックに走るKR501




ローカル私鉄紀行目次へ 次へ
表紙へ