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関東鉄道常総線
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 第3ポイントは、さらに下って、大宝〜騰波ノ江間。ここも丘陵地帯の森を抜ける区間がありそうだったのだ。新取手付近と同じシチュエーションであるが、木々の合間を走るシーンは、とても好きな題材なのである。
 写真は、その森を抜ける109列車のキハ2401を北大宝7踏切から。


大宝〜騰波ノ江間にてshadowshadow


 ところで、この日の天気予報は、「晴れ、15時から雨」と、自信たっぷりな歯切れよさであった。
 でも、もう15時近いのにピーカンで、撮影時以外は日陰にいないと、とてもすごせない。
 と、ちょうど防災無線の放送が入ったので、耳を傾けると、なんと竜巻注意報が発令されたという。そんな気配は微塵もないが、もし本当なら、雨よりやっかいだ。
 とりあえず注意報は無視して、同じ場所で少し位置を変えて、115列車を撮ることにする。5分くらい前に、炎天下の撮影ポイントに立つと、どっと汗が噴き出し、「早くきてくれ〜」と心の中で叫ぶ。朝は本数が多すぎると愚痴をこぼし、今度は早く来いと注文をつける。なんとも始末に負えないわがままな鉄ちゃんである。


森を抜けるキハ2404shadowshadow


 最後の第4ポイントは、終点に近い大田郷〜下館間の大谷川と決めていたのだが、ここで迷いが生じる。
 天気予報と防災無線の竜巻注意報からして、天気が下り坂であることは間違いない。移動に時間をかけていたら、天候が悪化してしまう恐れがある。大谷川の橋梁も見たことはないので、高いガードがあったりしたら、目も当てられない。それなら、晴れているうちに近場で確実に撮ったほうがいいのではないか。と、また貧乏性というかリスクを避けるサラリーマン根性が頭をもたげたのである。
 いやいや、まだこの先は未踏のエリアだ。たとえ撮影ができなくても、どんなところか見るだけでもいいではないか、とサラリーマン根性を振り切り、大谷川へ。
 結果は、思った以上に川幅が狭く、視界に1両分も入らなかったが、とにかくそこで1枚。実は右下に鴨が10羽くらいたむろしている。川を泳ぐとか飛び立ったりしてくれたなら、もう少し絵になったのだけど。


大谷川を渡るshadowshadow


 そのころから西の空に真っ黒な雲がわきあがり、雷鳴も轟きだした。いよいよ来たか。そうなれば、長居は無用、車をUターンさせて、水海道へ向かったのであった。

 翌朝、もう一度、中妻〜三妻間へ行ってみる。前日、車の置き場所に苦労したので、レンタカーはホテルに置いて、水海道から列車で中妻へ。
 再度、ここへ来たのは、煉瓦積みの小さな橋が目的で、アングルは厳しいものの、なんとか列車を入れられそうだ。シャッタースピードは1/500で十分だろうと思ったら、予想外に列車が速くて、広角だったせいもあって、ぶれぶれ。


煉瓦積みの小橋を渡るshadowshadow


 最後にもともとのお目当てだった田園風景を撮る。広々とした田園地帯は気持ちよかったのだが、写真にすると、なんとも冴えない。なので、もう少しメリハリがつくよう、ソフトで画像を加工してある。
 それにしても、さっきのぶれぶれ写真といい、もう30年以上も写真を撮り続けているのに、失敗ばかりだ。もっとも、そのおかげで、次こそはと、撮り鉄は止められない。


田園地帯を行くshadowshadow


 いったんホテルに戻るが、天気がすぐれないこともあって、少し早めに神戸に引き上げることにする。
 レンタカーを守谷で返し、常総線で取手へ。これで常総線の乗車区間は、取手〜守谷、水海道〜中妻と、虫食い状態となってしまった。
 いつの日か、虫食いを解消するために再訪しなくては。もちろん、もっといい写真を撮るためにも。

【2012年7月現地、同年11月記】
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