木目1

TETSU No.38
「解答:TETSU-No.38」
SOFTV3 9−2833 1998年11月1日
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 ▲5八角  ▽6七歩合 ▲8五角  ▽9三玉
 ▲8三と  ▽同 玉  ▲4七角  ▽同 飛成
 ▲7四と  ▽9三玉  ▲9九飛  まで11手詰

遠角、中合に近角というおもしろい手順ですが、そのココロは?

初手85角とすると、93玉、83と、同玉、74と、93玉で、 75角は84歩合、23飛成は43歩合でアウト。 さりとて76角とか離して打っても、74に利かない分不利なだけという感じです。 58角だと?

58角は、93玉なら48角(変化図)と再度の遠角で、 49飛のタテヨコいずれかの利きをなくしてしまおうという手。

TETSU No.38 変化図
変化図は ▲4八角 まで

48角でタテの利きが消えているので、84歩合なら83と、同玉、23飛成ですし、 同飛なら初手58角と打った効果でヨコの効きが消えるので、99飛で簡単。

そこで、58角に対して中合で抵抗します。 歩合以外は簡単なので、67歩合 (76歩合は二歩でダメ) 。 これを同角では48角との連係ができなくなって詰みません。

それでは中合で不詰?かというと、83とから47角 (途中図) という、中合を逆用する手がありました。

TETSU No.38 途中図
途中図は ▲4七角 まで

同飛のとき、67歩で飛車のヨコ利きが遮断されるので、 以下74と、93玉、99飛で合利かずの詰。

初手から85角〜83と〜47角としたのでは、 67歩がないために詰みません。 つまり、最初の2手は、遮断駒を発生させる伏線ともいえるわけです。

TETSU シリーズでは珍しい短編構想作。 お楽しみいただけましたでしょうか。

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taka−o さん:
さっそく解かせていただきました。

普通はこうだよな …… あれ、これだとどうなるんだ? …… なるほど …… (解図時の集音マイク (嘘) より)

前例の有無は存じませんが、ここからこう展開するとは目新しいですね。 シンプルながらもうまく捻りの効いた、面白い作品と感じました。 それにしても、本手順や変化・紛れを並べ直すうちに、ますます不思議な作品に思えてくる …… (^^;
Yossy さん:
これはちょっと驚きました。 図巧8番の筋をベースに組み立てた斬新な手順ですね。 まだまだ続けてください \(^O^)/~
SYUU さん:
『 ひょっとしたら新構想? ってそんなはずはないか (^^;  YUNOさん、SYUUさん、前例があったら教えてください。 』
玉方の中〇を盾にするところ。 ウーン永く休んでいたので自信はありません。 でもありふれた形でないことは確かですね。 OT松田さんの短編にそれをさせて更に動かすのがありましたが、ちょっと意味が違います。 私は新しいと感じましたし、面白いとも思いました。

さりげなく?5四歩でも置いて、4九龍にすれば初手が更に光るような気がしますが、 1駒増えるから好みの別れるところでしょうか。 しかし、これも龍の斜め後ろというのが新しい形で魅力がありますね。
YUNO さん:
SYUU さんのご意見とほぼ同じです。 中合駒を玉方駒の遮断駒にする構想はないとは断言できませんが (詰方駒の遮断駒にした例はあります) 珍しいことは確かでしょう。 それよりも中合させた角を捨てて龍を移動させるところが素晴らしい。

SYUU さんの4九龍にする案は初手の限定打を強調する意味で魅力的な案と思いますが、 詰棋ずれした人にはむしろ初手を暗示している面もあり一長一短かと思います。

YUNO をご指名なのは、打歩詰手筋の作品だからかと調べましたが、そうではなさそうです。 中合を取れば打歩詰になりますけれど中合は打歩詰誘致ではありませんね? 双玉にする必然性はなさそうですが、と金にすると駒が増えますからまあ良いか (^-^) 。 新鮮味のある短編だと思いました。
SYUU さん:
No.38 の龍にする案は、YUNO さんがおっしゃるとおり、詰棋ズレした人はそこへの角打が、 やってみたくなる種の手になってしまいますから、そういった点ではマイナスです。 また、詰める難易を競うというより手の面白さを見て貰うという点では魅力があります。 上の図でも4八角や5九角でしたらよくある手ですが、 龍の斜め後ろに5八角と打つのは新鮮味がある感じです。

TETSU さんがいわれる取る手を先に読む ・・・ は結局は中合を読むことになるから、 気にするほどのことはなく、 やはり潜在的に気になったのは初手を暗示する逆効果が生ずるという点だろうと思います。 4九飛に対してぼんやり5八角と打つのも何故そうするのか判らない、なかなか良い味ですから、 駒を増やしてまで龍にすることはないという感じもあります。 いわなきゃ良かった。 (^^;
波崎黒生さん:
この筋は初めてみました。
新しいのではないでしょうか? スゴイことやと思います。 「面白い」 し 「不思議」 な作品です。 (^-^)  是非学校に登校 ・・・・ 投稿してもらいたいですね。

2手目に逃げる変化で、83とからのつなぎ角がカッコイイと思っていたら、 単に角打ちの、これまたカッコイイ手がありました。
Yossy さん:
こんな手があったんですね! 筋がよすぎて (^^ゞ 気づきませんでした。
TETSU さんの考え方おもしろいですね。 ぼくも賛成。
あんこうさん:
11手詰の構想作品というもの珍しい。
さっと読んで、どう見ても7手で詰んでしまうので、11手を探すのにひと苦労。 手数表示なしに出題されていたら、正直者 (^^) の私ですからすぐにハマっていたに違いない。

中合の内側に同じ飛道具を打つ手順というのは、それ自体作例も少なく珍しい。 それにも増して、7手の変化 (初手の意味づけ) のカッコ良さといい遮断駒の発生といい、謎解きの妙味を堪能しました。
波崎黒生さん:
「初手の意味が重複」 が分かりません。 3手目から始めると、違いは67歩の存在だけ。 初手は遮断駒を発生させる目的だけですよね。 純度100%の伏線手だと思います。

角で歩を発生させ、その角で飛を移動させることによって初めて歩が遮断駒になる。 この複合ワザ。 新しいと思うんだけどナ〜。 (^^;
池田ママス&パパスさん:
今回は出遅れてしまったようです (^^; 。 もうすでに皆さんからたくさん感想が付いているのでもう私がとやかく付け加えることもないのですが。 この種の打ち駒の筋はたくさん見ましたが、あまり見たことのない筋だと思いました。

見方をかえると初手は遮蔽駒を発生させる伏線手というふうにも言えますね。 または、「角角」 じゃ簡単に詰まないので、初手は 「角○」 に持駒を稼ごうとした手で、 それに対して打歩詰に誘う応手を逆用する、っていうふうにも言えますか。

# ちなみにホームページ更新してます (詰将棋には関係ないですが (^^; )
Ura さん:
さぼっていたら、あっというまに期限がきています。 詰パラは手紙を出すのが億劫ですが、会議室の出題は解答が楽 (手順が要らない!) でいいですね。

王手飛車から入る詰将棋もかなり有るとは思いますが、 こういった対角線上に打つのは珍しいですね。 手順のほうは、バスケットボールのマンツーマンデフェンスを破るスクリーンプレイのようです。 中編のテーマを短編に凝縮してしまいました。 詰パラに出たら、同じような筋で作図する人が多数現れそうな気もします。
天津包子さん:
合駒でシャダンするってステキ。 どの変化も作意に出来そう
鳥本敦史さん:
解答を並べたら妙に納得しました。

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解いていただいたみなさん、ありがとうございました。

また、次の Mp.39 でお楽しみください。

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TETSU No.38 では、この問題や、これまで会議室で発表した作品の、 詰パラなどへの投稿について、いろいろな御意見をいただきました。

波崎黒生さん:
是非学校に登校 ・・・・ 投稿してもらいたいですね。
あんこうさん:
いっそ、解答発表しないとか (^^;
SYUU さん:
会議室の作品は、アクセスする (できる) 少数の人しか見ていないから、 まだ雑誌や新聞のような一般的な発表の場と目されていません。 ですからまずいことも2重発表といわれるようなこともないと思います。

現段階ではグループ内で発行しているミニコミ誌などと同様に考えるのが常識的でしょう。 逆にいえば、新手や新趣向の作品や偶然の一致のような作品が将棋雑誌などに発表された場合、 「以前、ニフティの会議室で発表したから自分が先着だ」 と主張するのも無理がある訳です。 これはと思う作品はやはり将棋雑誌などに発表されることをお勧めします。
『 何らかの形で紹介することを考えたいと思います ( TETSUのベスト10とか)。 』
これも良い方法ですね。 多くの人に見て貰えることから言っても、とにかく活字にするのが一番です。
あんこうさん:
前にも一度水上さんに確認したことがあるのですが、また心配になって (^^; 電話が来たついでに聞いてみました。 彼の見解では

「会議室は非常に限られたサークルのようなものと考えられる。 従ってミニコミ誌や同人誌と同様、一般的な発表の場とは捉えられないので、 それを投稿しても差し支えない」

SYUU さんの言葉をオウム返しするような返答が返ってきました。 従って、TETSU さんや、sorim さんの作品は詰パラに投稿できます。 ついでに傑作だとふれておきました (^^)

新作として投稿されるか、( TETSU のベスト10) のような形で投稿されるかは、 もちろん作者自身で決めることですが、 できれば解いてみたい方にその機会を残して欲しいものです。

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本局も、詰棋めいと第26号で出題しました。 そのときいただいた感想です。
解説は安江久男さんです。

阿部健治さん:
中合駒を壁にする構想がすばらしい。
北村憲一さん:
オーロラにしろ、虹にしろ現れて消えるところに価値がある。 初手・2手で取り残された壁はむなしい。
磯田征一さん:
飛の動きを縦横一方に制限する角打ちを巡る攻防、と分かってから、 頭が混乱するがからくりを見つける楽しさがあった。 2手目76歩が詰まなくて悩み、71歩に気がつくおマケもあった。 推敲の結果でしょうが、1枚増えても91王より91と、81との方がいい。
今川健一さん:
角の遠打と短打おまけに中合入り。 11手詰の難解作。
おかもとさん:
要は飛車の十字のききのどちらかをとめればいいわけだが、それにしても深謀遠慮、虚々実々のかけひき。
金子恒男さん:
中合いの歩が逆に龍筋遮断とは皮肉な結末。
久後生歩さん:
2手目の中合いが気付きにくい妙手。
里見良幸さん:
初手58角は含みのある一手。
田口正明さん:
降参です。 58角、93玉、48角と進めばいいけど67歩で二歩のため歩の使い道なし。 どうしたらいいのやら。
天津包子さん:
合駒を逆利用する所が面白い。
橋本哲さん:
古典的な筋にちょっとした味付け。
橋本守正さん:
飛の横利きを遮断する為の67歩を強要する初手。
平井正敏さん:
49飛のききをいかに止めるか。 初手58角とは驚き。
穂上武史さん:
将来の効き筋遮蔽のための中合発生。 ありそうな手順だが、意味付けは珍しそう。
福島竜胆さん:
これと9番は全君みたいで、面白いけど・・・。

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