第16回詰将棋全国大会

     
     

詰将棋を語ろう!(掲示板)

2000年7月22日(土)東静岡・静岡グランシップにて第16回詰将棋全国大会が開催されました。
いろいろなところに書かれるでしょうが、私の「正直な」レポートをご覧ください。


<前フリ>

 そもそも私は大会前日の21日(金)は休みを取る予定でした。しかし、17日(月)に発生した仕事上のトラブルによってそれもできなくなりました。それどころか帰宅時間も遅くなってしまい、万全な体調では臨めなくなりました。
 更に1週間の疲れが出たのか、21日は帰宅してからも身体を動かす気がしない。というわけで荷物を整理し、
支度ができたのは当日の朝の4時!4時半に寝て、6時半には起床。
 
「睡眠不足+疲れ」という不安材料があったのですが…。

<会場へ>

 当然、電車の時刻も調べているはずもありません。それどころか、当日は泊まるのか帰るのかも考えていなかったのです。まあそれはともかく、電車の接続はめちゃめちゃ悪かった。新横浜で「こだま」に乗るのに20分以上も待たされるとは。しかたないのでスタンドでラーメンを食べたら、そこに『夢銀河』を忘れてしまって慌てて取りに戻ったり。既にこの段階で嫌な予感。
 それでも、無事に会場に辿り着いたのは開場まで1時間を切った10時過ぎ。そこで
プログラムを見て知ったのは「私が受付」ということ。そうだったのか、全然知らなかった。だったらもっと早く来るのだった。
 周りの人は準備に余念がありません。『夢銀河』の訂正表をせっせと用意している田口正明さん。ギターのチューニングをする三谷郁夫さん。
 
そんなときに驚くべき光景が。いや、驚いては失礼なんだけれども「正直なレポート」だから正直に書かないと。なんと縫田光司君が彼女を連れて登場!いやあ、驚いた。しかも受付もやってくれるんだもの。なんというか「メジロパーマーが逃げ切っちゃいました」的な衝撃

<開場>

 そんな私でも開場してしまえば立派に役目を果たす?名札への記名をお願いし、荷物を入れていただく袋を配り、記念写真の受付も。しかしさすがに一人でこれだけ同時に行うのは無理があり、途中から全邦釘君にもお手伝い願いました。
 今回の参加者には、
詰工房作品集『夢銀河』とお荷物入れ袋(?)を無料でさしあげました。どちらも「これ、もらえるの?」と訊かれることが多く、「トクした気分」を味わっていただけたのではないでしょうか。

※神谷広志七段の登場には全君と「おおっ!」と盛り上がりました。他にも「おおっ!この人が…」という方が大勢いらっしゃいましたが、ゆっくりお話できないのが残念。

<開会>

 そして12時に開会。受付をしていると舞台に背を向けているかっこうになるので、なかなかつらいところ。大会実行副委員長の加藤徹さんが最初にごあいさつ
 いつもならば(って過去2回しか出席したことないけど)ここで全日本詰将棋連盟会長の岡田敏さんのあいさつがあるところですが、今回体調がよろしくないようで欠席とのことで
副会長の吉田健さんがごあさいつ。次いで地元静岡の廣津久雄九段『詰将棋パラダイス』代表の水上仁さんがごあいさつ。
 しかし、はっきり言ってよく聞いていませんでした。だってまだまだ入場者がいるんだもの。

<看寿賞表彰式>

 短編は小林敏樹さん、中編は山田修司さん(欠席)と相馬康幸さん、長編は田島秀男さん(欠席)と伊藤正さん、特別賞は加藤徹さんが受賞されました。
 今年の新趣向は作品を大盤(パソコン)で並べたこと。更に、名解説は柳田明さん。これは大事。必ずしも参加者全員が作品を知っているわけではないのですから。今後も継続されることを願いますね。

※小林さんとも受付であいさつしただけ。お話したかったなあ。
相馬さんはお子さんを連れての登場。いいパパなんだろうなあ。3手詰くらいならば解けるってのも立派。

<10回参加者表彰>

 恒例の10回参加者表彰。しかし全くおぼえていません。

※アルコールのせいではありません。

<詰将棋ホームページ探訪>

 時代ですねえ。加藤徹さんが詰将棋関連のホームページをいくつか紹介。ありがたいことに私のホームページも紹介していただきました。

※掲示板まで紹介されたのには焦りました。だって私のアブナイひとこと(全国大会の感想を事前に書くのならば、「やっぱり変な人がいた」としておけば9割方当たるといった趣旨の発言)がスクリーンに大写しされたのですから。

<WONDER PARADISE>

 三谷郁夫さんが熱唱。作詞作曲も手がけています。作詞は尼子至恩さんも一緒に。歌詞の中に看寿賞作品のタイトルが読み込まれているのですが、それがいくつあるかを当てるという趣向。

※三谷さん、さすがにうまい。歌もギターも。オケも完璧。個人的には音楽的見地から感心しましたね。単に「うまい」ということだけではなく、「すごい」ということがわかってもらえたかなあ?

<クイズ:100人の詰将棋ファンに聞きました>

 事前に地道に集めたアンケートをもとにしたこのコーナー。説明は不要でしょう(書くのが面倒なだけ?)。実はこれ、清水英幸さんのリベンジ企画。当然司会も清水さん。一昨年の東京での大会で試みたのですが、回答が集まらず挫折。今回はネット経由の回答も集めたことで見事に成立。

いくつか紹介しておきましょう。

Q:将棋の格言といえば?
A:遠見の角度に好手あり!
※さすがはプロ。答えた方は神谷広志七段。しかし、詰将棋ファンからはそんなに難しい格言は出てこなかったのでした。

Q:○○詰といえば?
※私は「コンクリート詰」と書いたのですが、もう一人同じ回答を書いた方がいたようです。しかし、「通勤電車は今日もスシ詰」なんてところまで考えた人がいるとはなあ。

Q:好きな詰将棋作家は?
A:岡田敏さん!
※これが場内大爆笑という結果に。「岡田敏」さんの名前は出てこなかったのでした。

<将棋大会>

 日本で行われる将棋関係のイベントの中で唯一といっていいくらい、いわゆる指将棋をやらない場であったこの大会で将棋を指してしまおうという大胆な企画。といっても相手はコンピュータ。コンピュータにボロボロにされる様を楽しもうという自暴自棄的企画。もちろん人間の方はそれにふさわしいレベルの人が。
 というわけで
朝から二日酔いで苦しんでいた全邦釘君登場大盤解説は山田剛さん
 開始早々、パソコンが強制終了してしまうなどという無茶苦茶なトラブルもありましたが、なんとか指し手を復元。全君は絶対に勝ちという局面まで持ち込んでおいて
まさかのトン死。会場をおおいに沸かせてくれました。

※実は2番手は私の予定でした。が、予想以上に時間がかかったため1局で終了。大駒で王手をされたら中合を連発してやろうとかいろいろ考えていたのになあ…。

<ひとりひとこと>

 そして、恒例のひとりひとこと。思ったより時間がかからなかった気もしますが、まあしゃべる人はしゃべり続けるわけで…。

<記念撮影>

 最後は記念撮影。どうでもいいことですが、写真購入者は29名。受付けていた私が言うのですから間違いありません、ハイ。

<原田清実の動き>

 あやしげな見出しですが、私がどんなことをしていたかも書いておきましょう。
 前から欲しかった
柳田明さんの『奇想曲』を買いました。サインも入れていただきました。これはすばらしい作品集です。またそのうち他の世界で書きますけどね。

 当日握り詰に挑戦して挫折。だって「玉飛角金金銀銀桂桂香香歩歩」ってなんなのよ。前半は受付業に精を出していたのでどうにもならなかったし、気が付いたときには3時で締め切りなんて時間なさすぎ。それでも6作投稿があったのだからあきれてしまいます。

 『夢銀河』にサインしちゃいました…。字を書くことだけは「お願いですから勘弁してください」と泣き出したくなるくらい避けたいことなのです。半端じゃなく下手なのです。しかし須藤大輔さんに、「賞品用に」作者のサインを集めまくったものを差し出されては…、断りきれませんでした。で、一度そうなってしまうと…。

<懇親会>

 乾杯の音頭は地元の村木徳さん。続いて神谷七段が「オタクの集まりだろうと思っていたら…、やっぱりそうだった」。
 とにかく昼食も摂っていませんから食事に飛びつきました。もちろんビールにも。

※懇親会の後は何も考えていなかったのですが、宿泊人数に余裕があると聞いたので泊まれることに。それで安心してしまった…?

<大会記念懸賞詰将棋>

 どこからともなく私を呼ぶ声が。前に出された私はどうやら何かしゃべらないといけないらしい。プログラムに載っている懸賞詰将棋(私の作品)の大盤解説だ!そうか、そういえば頼まれていたっけ。というわけで何かしゃべる。もちろん何をしゃべったのかはおぼえていない。この時点でけっこう…。
 とにかくおぼえているのは
「原田清実は詰めばいいんです!」で締めたこと。

<詰将棋ビンゴ>

 とても面白い企画。のはずが、実に苦しい企画(私にとって)になってしまったのがこれ。5×5の白紙のビンゴ用紙を将棋盤に見立てて、金子清志さんの作品を解いて詰め上がりの玉位置を空けていくという世界中探してもこんなことやっている奴はいないよという企画。詰将棋の大会らしいではないですか!
 しかし、その時点では
ビールとワインを飲みすぎた私の頭の中は詰将棋どころではなかったのです。全く解けないということはありませんが、全然駄目。集中できないのです。

※帰りの新幹線の中で三角淳君から聞いたのですが、ペアを組んで解くということだったんですね。そんなことも知らないくらいでしたから。

<原田清実の動き>

 懇親会では何人かの方とお話できました。
 ところが、
「あっちで縫田君の彼女が一人でいるから行ってあげて」という清水英幸さんのひとことでおかしくなったのです(人のせいにするなあ!)。
 行ってみると縫田君がちゃんといるではありませんか。とってもうらやましいので話をしてみました。何がうらやましいのかというと、まずは彼女をこうした場に自信を持って連れてこられる縫田君の意志。そして彼女の縫田君への信頼感。う〜ん、実に素晴らしい。
 
「皆さんはどうして奥さんとか連れていらっしゃらないのですか」と質問されておおいに困ってしまった。まさか私にとっては、「やっぱり変な人がいると思っていれば9割方当たる」と思っているような場なんだよここは、そこに奥さん連れてくるのはちょっと勇気がいるんだよ、なんて言えませんし。
 結婚して6年も経つと「俺に文句言うために一緒に住んでいるのか」と思いたくもなるくらいに怒られてばっかりの毎日。だから、二人を見ていたらうらやましくなっても不思議はないではないですか!

※握り詰の優秀作の発表等あったようですが、全然聞いていませんでした。ごめんなさい。「耳に入ってくる状態ではなかった」ということで。

<次の宴会へ?>

 33歳一児の父のくせして、現役東大生に向かって「いいなあ」を連発。だってうらやましいんだもの、しょうがないじゃん。ああいう気持ちの時代もあったなあ、ああ今は昔だなあと。これは梅田亮君が詰工房に彼女を連れてきたときにも感じたことなんだけどさ。
 いやいや、感受性が豊かなもので。だから詰将棋好きになったんだし。あ、ここ感受性と伊藤看寿をかけてますんで。念のため。

 それはともかく、私たちはホテルへ。車の中でも全君に「縫田君いいなあ」を連発していた私。大丈夫、それはおぼえているぞ。
 そして、ホテルに着いて宴会場に顔を出し…。

<夢銀河>

 ゴーッという音がする。エアコンの音か…。…。
 ちょっと待て俺はどうして寝ているんだ?何が起こったのか…。おぼえていない…。うわあやだなあ、単なる酔っ払いじゃん。いや、こりゃまずいなあ、迷惑かけちゃったかなあ…。待てよ、Gパンじゃなくて短パン履いているぞ。いくらなんでも、誰かが俺の荷物の中からわざわざ出して着替えさせてくれたなんてことはないだろう。そうするとこれは自分で着替えたんだな。ちょっとは安心したぞ。ほら、枕元にGパンが脱ぎ捨ててある。よしよし。あれ、財布がないぞ。うわあ…。あ、あったあった。こんなところに落ちてらあ。ああでもよかった。まあこんだけ確認できればいいか。外もまだ暗いし。寝ちゃえ。

 どうも目が冴えちゃったなあ。あ、靴639手詰。違うって、靴あるかな?うわあ、ないよ。どこ行っちゃったんだよ。奥さんのおかあさんに買ってもらったやつだものなあ。困ったなあ…。とりあえず宴会場に行ってみるか。

 宴会場は確かここだったよな。やっぱりないよ。そうだよなもうだいぶ時間がたっているもの。もう6時半だし、フロントに行ってみるか。

「すみません、昨日宴会場に茶色い靴の忘れ物が…」
「あ、ございます。2足ですね」
「ああ、こっちです。でも黒いのは誰のか…」

<100円>

 しかし、目覚めはよかった。スッキリしないけれども頭が痛いわけではありません。しばらくすると、部屋に全君がやってきました。なぜか、いきなり「100円」を求めます。弱い立場の私が差し出すと彼はテレビの横についている箱にそれを…。
 元気だねえ。あ、私はよけいなことはいっさい書いていないからね。安心してください。

<悔やまれる…>

 朝食、「原田さんブレイクしていましたからねえ」を繰り返す全君。わーん、かんべんしてよお。高坂研さんは「(宴会で)詰将棋の話をしたかったのに、詰将棋会の話ばっかだった」。う、それ聞きたかったなあ。それなのに…バカバカバカ、って誰を責めてんだ?


 来年は名古屋大会とのことです。しかし、大変だろうなあ。スタッフに名前を連ねておきながら(といってもたいして働いていないけど)言うのもなんですが、今年はすごかったもの。静岡という地にあっての参加者100名以上というのは、東京や大阪での100名とは意味が全然違いますよね。

 また、今年は「イベント」というものはどういうものであるのか、ということを知らしめた大会であったとも思います。このあたりは事務局長の福島竜胆さんの貢献によるものですね。「プロデューサー」という概念を持ち込んだ段階で、今大会の成功は約束されていたのではないでしょうか。

 「正直なレポート」ですから書いちゃいますが、最もよかったのは「全詰連について」の話がなかったことですね。全詰連とはどんな組織か、に始まって各委員会からの報告とか。そんなこと聞きたくてわざわざやって来たんじゃないぞってのがホンネです(あくまでも私の)。
 そういう意味では
今回は「参加者サイドに立った」大会だったと思います。今まではどちらかというと「主催者サイド」、つまり「こういうことをやりたい」とか「これを聞いて欲しい」ということに重点がおかれていたような気がします。

 それはそうと詰将棋全国大会には体調を万全にして臨みましょう
しかし、偉そうに書いてきてこんな締めでは説得力のかけらもないなあ。

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