木目1

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龍鋸趣向作品全集 木挽唄集
第二章 一般型往復龍ノコ

第1項 質駒取り型
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玉の近くにいた龍が質駒を取るために一旦遠ざかって行き、改めて玉に接近するというタイプの作品群である。

第一号局以来、連続して(?)作られたのだが、それ以降創作ペースはパタと止まってしまった。

・久留島 喜内 (橘仙貼璧 30番) 手順を並べる

(余詰=9手目より72竜以下)

龍ノコの一号局。 質駒の位置を11に置けばもう少し軌跡を長くすることも出来そうだが、龍ノコを発想した時点で良しとしたのだろうか。
・今田 政一 (将棋龍光 22番) 手順を並べる

軌跡も長いし、龍ノコの基本型の一つの形を使用しているあたり、現代の龍ノコの原形は、案外この作に求められるような気もして来る。
・大橋 虚士 (吹き寄せ 42番) 手順を並べる

二枚の成桂を取りに行く明快な往復手順。 復路成立の意味付けだけのための45飛配置が、ちょっと味悪か (ないと、14龍とする必要がない。45飛の配置により、23桂生には12玉と応じ、21桂成に15歩合で詰まなくなる)。
・竹内 伸 (風車 昭30・2) 手順を並べる

(余詰=初手より、23桂右成以下)

初形上、11歩配置が少しはカムフラージュされている辺りに、ちょっとした工夫を感じる。
・変幻 自斉 (妙華集 29番=図省略)

主眼は、打歩詰打開の龍捨てを行うために鋸引きを行って龍の位置を変えておく、という部分にある(第一章第3項を参照されたい)。 鋸引きの回数を増やすために質駒取りの往復を織り込んでいるので、本項に分類したもの。
 
・宮越宗太郎 (近将 昭63・10) 手順を並べる

発表時期は新しいが、恐らく創作時期は昭和10年前後かと思われる。質歩の並びを工夫して手数を伸ばそうとしているが、すっきりした印象を与えないのが龍ノコの宿命とも言えるか。

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