裸玉(4二玉・角金4銀2歩9、詰パラ2003年11月号)

2004.02.01.
岡村孝雄

作意手順

A6四角 イ53角合 B4三歩 ロ3二玉 C3三歩 ハ2ニ玉 D2三歩 ニ1二玉
E1三歩 ホ2三玉 F2四歩 ヘ同 玉  2五歩 ト同 玉 G3六銀  同 玉
 3七金 チ2五玉 H2六歩 リ3四玉 I4五銀  同 玉  4六金 ヌ3四玉
J45金打 ル2四玉  35金上 ヲ同 角  2五金  1三玉  31角成 ワ22歩合
 1四歩 カ1二玉  1三金  同 角 K同歩成  同 玉  1四歩  1二玉
L2三角 ヨ1一玉  2二馬  同 玉  13歩成  同 玉  1四金  2二玉
 32角成  1一玉  1二歩  同 玉  2三金  1一玉  2二金まで55手詰

着手非限定に関する情報

裸玉図式という性質上、着手非限定に関係する情報を記述しておきます。最終手以外には、非限定はありません。

『おもちゃ箱』に寄せて

本作は『詰将棋パラダイス』誌2003年11月号で解答募集していただき、同誌2004年2月号にて結果発表しておりますので、 そちらもご覧いただければ幸いです。

詰パラへの投稿図はB5用紙50ページを超えましたが、そのほとんどは以下のように序盤の変化紛れ。 コンピュータを利用した検討も当然行いますが、変化紛れについては量や質を測るために自身でも盤に並べており、その結果を原稿に記しています。 雰囲気だけでもお伝えできればと思います。
作意もさることながら、(作意が55手であるのに対して)序盤変化がことごとく30手台以内と明確に割り切れており、 攻方の着手非限定のキズもありませんし、読んで処理するだけのものにとどまることなく "綾" として作品に奥行きを与える変化紛れが多いと思います。 解答募集をお願いしたことには、本作は "解く" という行為を経ることによってより深く感じられる内容があるのではないか、そんな判断がありました。

作意のあらすじは、「持駒不足を補うための攻方の歩連打に対して玉方は二歩禁誘致で応じるが、それによって新たな捌きが生じ……」というところ。
題して『驚愕の曠野』。裸玉には常々 "曠野" をイメージしていますが、一見人為の及ぶところでないように思える局面から生み出される手順の凄まじさが題名からも伝わればと形容したつもりです。

それでは、ぜひご鑑賞ください。

変化手順(簡略版)

紛れ(簡略版)

変化手順

紛れ手順