3二玉・攻方持駒:角金3銀2歩9

岡村孝雄

作意手順

 5四角 イ43金合 A3三歩 ロ同 玉  2四銀 ハ同 玉  2五歩 ニ同 玉 
B2六歩 ホ同 玉  2七金 ヘ3五玉  3六金 ト2四玉 C3五銀  1三玉 
 1四歩  2二玉  2三歩  3一玉  3二歩  4一玉  4二歩  同 金 
D31歩成  5一玉  4一金  同 金  同 と  同 玉 E4二歩  5一玉 
F5二歩  同 玉  6三金  4二玉  4三金  4一玉  52金左  3一玉
G3二金まで41手詰

「おもちゃ箱」に寄せて

持駒の飛角桂で作意の大筋を想定し、ちょうど詰む程度まで金銀の枚数を調整し、不完全が生じたら金銀を歩や香や桂に置き換えていく。裸玉を発掘する場合のオーソドックスな創作過程でしょうか? それを極端に行うとどうなるかという実験。
投稿時コメントの通り、作意順には特に華麗な手はないものの、全体にユーモラスさというか、あるいは失笑というか、そんな雰囲気が漂っているかなと感じています。
持駒の歩の枚数の妙な多さや、作意での玉の変な逃げかたや、43角合33歩22玉23歩同玉32角成で突然上部脱出作品になってしまうところが、そう思わせるのでしょうか。

着手非限定に関する情報

  1. 作意最終手32金は42金でもよい。

投稿時コメント

持駒を見れば角の効きに玉を引っ張り出してくる手筋は第一感、しかし金銀は1枚しか放てず、歩でいかに代用するか。43合の種類によってその方法は異なります。
作意だけ並べる分には、前半の攻方は44でも35でもなく遥か26まで呼んで頭金で抑え、後半の玉方は角金から距離を置いてとにかく逃げまくるという遠回りぶりが滑稽かもしれません。
ただ、2手目角合の変化が濃すぎたきらいはありますか……。

変化手順(簡略版)

☆1行13字詰めで記述しました。

イ43歩合・香合は33歩で、同
 玉なら34歩、同玉、35歩、
 同玉、36金、44玉、45金、
 53玉、63金以下。42玉なら
 32金、53玉、64銀、同玉、
 65金、73玉、74金打、82玉、
 73銀、91玉、92歩、同玉、
 83金、同玉、72角成以下。
 23玉なら32銀以下。22玉な
 ら32金で、1・2筋に歩を
 叩いて25銀〜36銀以下。
イ43桂合は33歩で、同玉なら
 44金、同玉、45金、53玉、
 62銀、42玉、43角成、同玉、
 35桂以下。42玉なら31銀、
 53玉、64金、同玉、65金、
 73玉、74金打以下。23玉な
 ら32銀以下。22玉なら32金
 以下、43香歩合とほぼ同様。
イ43銀合は33歩で、42玉なら
 32金以下、22玉なら32金以
 下、いずれも43香歩合とほ
 ぼ同様。23玉なら24歩以下。
 33同玉が最長となるが、44
 銀、同銀、34歩、同玉、35
 歩、同銀、45金、25玉、35
 金以下。
イ43角合は33歩で、同玉なら
 44銀、同玉、45金以下。42
 玉なら32金以下、43香歩合
 とほぼ同様。
 22玉が最長となるが、23歩、
 12玉(※23同玉は後述)、
 13歩…14歩…15歩、同玉、
 26銀、同玉、27金、15玉、
 25金、同角、26銀、24玉、
 25銀、同玉、36金で、
・15玉は26角、14玉、15歩、
 24玉、35角、33玉、34歩、
 42玉、53金、51玉、52歩、
 41玉、42歩、31玉、13角成
 まで39手。
・16玉は38角、27香合、43角
 成、17玉、44馬、18玉、19
 歩、同玉、55馬、18玉、19
 歩以下39手駒余り。
※23同玉は32銀、同角、同角
 成で、
・34玉は43角、35玉、36銀、
 同玉、14馬、37玉、38金、
 同玉、65角成、27玉、28歩
 以下。
・24玉は46角以下。
イ43飛合は33銀(33歩は42玉
 以下逃れ)、同玉、34歩、
 同玉、35歩、同玉、36金、
 34玉、35金打、23玉、34銀、
 13玉、23金、同飛、同銀成、
 同玉、24歩以下。
ロ42玉は32金以下、「イ43香
 歩合、33歩、32金以下」の
 変化を参照。
ロ22玉は23歩で、同玉なら32
 銀以下。33玉なら22銀以下。
 12玉なら22金、13玉、14歩、
 同玉、25銀以下。13玉なら
 22銀以下。
ハ42玉は52金、同玉、63金、
 42玉、52金打、31玉、32歩、
 21玉、22歩以下。
ニ33玉は34歩で、同金なら43
 金、23玉、33金打、13玉、
 14歩、同玉、23銀、15玉、
 16歩以下。42玉なら52金、
 同玉、63金、42玉、33銀、
 同金、同歩成、同玉、34歩
 以下。
ホ34玉は25金、33玉、34銀、
 同金、43金以下。
ヘ15玉は25金、同玉、43角成、
 34飛合、26銀以下。
ト34玉は35銀、23玉、24歩、
 33玉、43角成以下。

紛れ手順

A23銀は、同玉、24歩、33玉
 以下逃れ。
A21銀は、42玉、52金、33玉
 以下逃れ。
B36銀は、14玉、15歩、23玉、
 24歩、32玉以下逃れ。
B36金は、14玉、15歩、23玉、
 24歩、32玉以下逃れ。
C35金打は、13玉、14歩、22
 玉、23歩、31玉以下逃れ。
D63角成は、52飛合以下逃れ。
E63角成は、52歩合、42歩、
 同玉、43歩、同玉、34銀、
 同玉、52馬、43銀合、35歩、
 23玉、13金、33玉以下逃れ。
F41金は、61玉、62歩、同玉、
 63金、61玉以下逃れ。
G最終手は42金でもよい。

変化手順

  1. 作意手順の手数より10手以上短く詰む場合(本作の場合、31手以下)は、末尾の手数表記を省略した。
  2. 原則として最短の手数となる順を挙げているが、作意手順の手数と比較して十分に短い変化の一部では、簡明さを優先して(変化別詰の順を)記述している。
  • 2手目22玉は、32金、23玉、24銀、同玉、33銀、25玉、26歩、同玉、27金、15玉、16歩、25玉、24金、35玉、36金まで。
  • 2手目23玉は、32銀、34玉、35歩、24玉、34金、14玉、23銀打、15玉、16歩、同玉、27金、25玉、16金打まで。
  • 2手目33玉は、44銀、同玉、45金、33玉、34銀、24玉、25金、13玉、23金まで。