木目1

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23 新案 スピード将棋
カピタン第6号より
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ある日の昼下がり、例によって現将研のメンバーが数人、将棋盤の前でどんな将棋をやろうか、と話していました。 誰かが

「昔の将棋の駒で、一度に角の動きが2回できる駒とか飛2回の駒とかあるだろう。 あれを飛角の代りに置いたらどうかな」

と提案するとA君とB君がすぐに指し始めました。 そのうちに

「獅子は玉2手分だけど、金2手分とか銀2手分の駒はないのかな」
「2手ではどうもだるいから何手でも一度に動けるようにしたら?」

とか盤側がいいだして、ついに次のような恐ろしい将棋が誕生してしまったのです。

スピード将棋・ルール
1.1手でいずれかの駒を何回でも動かすことができる。
2.ただし、2回以上動かすときは駒を取ることはできない。 また成ることもできない。
3.玉が動くときは(動く途中でも)敵駒の効きに入ってはならない。
4.そのほかは普通の将棋と同じ。

例えば先手なら初手で24歩と行くこともできます(23歩は駒を取るからルール2によって禁手です)。 先手24歩に対しては、たぶん次のように進行するでしょう。

 24歩、同歩、同飛、86歩、同歩、87歩、23歩、88歩成、同銀、35角

普通の将棋ならこれで先手悪し。 スピードルールでは、ここで 58飛・56飛・66飛 などできるので、まだまだの将棋です。

ところで ”ついたて” 好きのC君とD君、さっそく 「スピード衝立将棋」 を始めました。 この将棋では何回も動かす場合、最後に行った地点だけを示せばよく、途中どこを通ったかは示す必要はありません。 49金が37に行くのに、49−48−37 といっても 49−38−37 といっても結果はおなじですからね。 ただ、行ける経路が全くないときや行きつく所に敵の駒があるときは、審判にチョンボと判定されます。

とにかく、54歩、53歩成とわずか2手目に成りこめるのだからスピード感抜群。 そのかわり油断すると、

 ▲54歩 △86歩 ▲53歩成 △78金 ▲24歩 △68飛 ▲23歩成 △69金 まで詰!!

のように頓死をくらいます。

駒が激しく動くので、審判のE君とF君、1手ごとに待て待てと言って両方の盤面を見ています。 慣れないと審判も大変なようです。

普通の将棋がだるくなってきたときなど、一度指してみませんか? そのうち必勝定跡ができるかも・・・

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柿木義一さんの Kifu for Java を使わせていただいています
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