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 記録に挑戦! 第33回
最近の記録作(2)
加 藤  徹 
詰将棋パラダイス2007年10月号より
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 昨年度の看寿賞を受賞した添川公司さんの「新桃花源」は、馬の王手358回 一枚の馬の王手341回で、「桃花源」の記録を更新しました。

 そして今年に入り、記録ラッシュのきっかけとなったのがこの作品。
猫田いわし 完全立体対称曲詰 53手 完全立体対称曲詰 53手 猫田いわし
  おもちゃ箱 2007年1月

 初形から詰上りまで、全ての局面が対称という、完全立体対称曲詰の長手数記録作品。

 同時に全手順一つの筋の長手数記録作品でもある。

 次々と新機軸の作品を創作する猫田さん、立体曲詰や三段曲詰はたまに見るが五十四段曲詰とはビックリ。

 本作はおめでたい正月向きの作品ということで、おもちゃ箱1月の展示室で出題された。
ドうえもん 完全立体文字曲詰 7手 完全立体文字曲詰 7手 ドうえもん
  おもちゃ箱 2007年3月

 (8) 23金 (9) 同玉 (5) 34銀 (6) 12玉 (0) 23銀打 (8) 11玉 (6) 12銀打 (8) まで7手

 完全立体曲詰は対称形以外は困難と思われたが、猫田作品を見たドうえもんさんがデジタル数字で長手数記録に挑戦。

 8から8の八段曲詰。

 こういう作品で手順がどうこうとかいうのは野暮というもの。ドうえもんマジックを堪能されたし。

 ちなみに完全立体図形曲詰は(注 2007年10月当時)まだ登録されていない。
 「28金|18金19玉|金金」で三角−四角−三角−四角の3手詰とか。
 みなさんも挑戦してみては。

 注)完全立体文字曲詰は現在では本間晨一 9手が記録
猫田いわし 全手順一つの段 87手 全手順一つの段 87手 猫田いわし
  おもちゃ箱 2007年3月

 猫田さんの全手順一つの筋の長手数記録作品の解説時に、全手順一つの段の長手数記録作品を募集したところ、ドうえもんさんの51手に始まり次々と記録が更新される記録レースに。しかしゴールしたのは、またしても猫田いわしさん。

 詰方も受方も一つの段(6段目)しか使わない厳しい条件で、どうして87手の長手数が実現できたのか。

 26金を取った後、まずは金をはがしながらと金を捨てて左に追う。

 ターンして金合に金捨てで飛で右に送り、26金で清算して飛を入手。

 ここで52角の利きがなければ詰むことに注目。この利きをはずすために更に一往復することになる。

 同じパターンで左に送るが、56飛に66飛合と変化することに注意。ここ金合だと97金があって早い。

 96とのただ捨てが軽妙な一手で、52角の移動に成功、再び右に送って16金まで詰みとなる。

 横送りには、本作のように金合に金捨てで送る手順と、飛打飛合で送る手順がある。この記録に挑戦したほかの4名の方もこのいずれかを利用していた。

 ドうえもん 57手 飛合
 岩田俊二  71手 金合
 柚子故障  77手 飛合
 スラゴ   81手 金合

LINE

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