給食室のドライ化って・・?

「給食室がウェット方式からドライ方式に変わるとどういった利点があるの?」という質問を何人かの先生からされました。
このホームページを見てくださっている方の中でも同じ疑問を抱いた方もいらっしゃるかもしれないのですよね・・。(^^)
ウェット方式とドライ方式の違いを簡単ですが説明します。
ウェット方式 ドライ方式 
調理場の状態 ウェット=湿ったという意味です。
・釜を洗ったときにこぼれた水や、水洗いした野菜を入れたざるからこぼれた水などで調理場内の床は常に濡れた状態です。
ドライ=乾いたという意味です。
・作業をする調理台の上や床などは常に乾いた状態です。
作業の違い ・シンクや調理台・床などの消毒は釜のお湯をかける熱湯消毒です。
・水洗いをした野菜はざるに入れておきますが、
その際ざるからの雫は床にこぼれ落ちています。
・釜を洗ったり食器を洗ったりした場合床に水がこぼれ落ちる事がありますが、それは特に気にしません。
・シンクや調理台の消毒はアルコールを噴霧したり消毒液に浸したタオルで拭きます
・野菜のざるから水がこぼれ落ちないようにタライなどで水をうけます。
・釜を洗ったり食器を洗ったりする際は水をこぼさないように注意しながら洗います。水が床にこぼれた場合は水切り用のワイパーで拭き取るかモップで拭きます。
悪い点 ・常に床などが水に濡れた状態なので湿度が高くなります。
・熱湯消毒をする際に火傷の心配があります。
・熱湯消毒により室温が一時的ですが上昇します。
・室温・湿度が高いので食中毒の原因となる細菌が繁殖しやすいです。
・釜や食器などを洗う際に水をこぼさないように注意しながら丁寧に洗わなければいけないので、作業に時間がかかります
・床に水をこぼさない様にする為に、タライなどを使ったりするので洗い物の量が増えます。
よい点 ・釜や食器などを洗浄する際に水がこぼれる事を気にしなくてもよいので作業が早く進みます ・湿度が低いので夏場は涼しく作業ができます。
・調理場内に余計な水気がないので食中毒の原因となる細菌が繁殖しにくいです。
・食器や食缶などの消毒は熱風消毒保管庫で行い、熱湯消毒はしないので、火傷をする事が少ないです。
集団給食において一番怖いものは食中毒です。でも食中毒菌はとてもとても小さいものなので肉眼では見えません。(目に見えるものならば簡単に取り除けるのですがね・・)
その細菌が繁殖するのに必要な条件が3つあります。それは適度な温度と適度な湿度・それと栄養分です。
その湿度と温度の上昇を防ぐために調理場のドライ化が求められているのです。
具体的にはどうすればよいのか・・
湿度の上昇を防ぐ為には調理場内をいつも乾いた状態に保っておかなければいけません。
その為には熱湯消毒を止めてアルコール消毒や塩素消毒に切り替える事が必要となります。
また、洗浄した食器や食缶・機材なども水分を残さない為に保管庫での消毒・保管に切り替える必要があります。
(保管庫は予算の関係で簡単には入れてもらえないかもしれませんが・・)
まずは、水をこぼさない!こぼした水は徹底的に拭き取る!という事がドライ化の重要ポイントとなるのです。
簡単そうに聞こえますが、集団調理に於いてはこれが結構大変なのです。(^_^;)