学習法切抜き帳 @


(1)計算に力を入れ数学嫌い防ごう    教員 屋宮俊冶 52 (熊本市)

 高校で数学を担当している。「数学嫌い」が叫ばれて久しいが、どこに原因があるのか、生徒を見ながら探ってみた。一番感じたのは数学の基本である「計算」を大事にしていないことだ。どんな問題でも、計算が正しくできないと正解は得られない。

 計算をどのようにやっているのか。一つのパターンは、問題を読み、じっとにらみつけてやおら答えだけを書く。要するに頭の中で複雑な計算をしているようだ。結局、間違える。 次にノートや教科書のはしっこに小さな字でちょこちょこと計算する。これまた間違える。答えが出ると、その計算を消してしまうので、後で答えが間違っていると気づいても、どこで間違えたかわからない。多くの生徒が、計算を書いては消し書いては消しの繰り返しだ。

 彼らに「計算を書いたら、そのまま残しておきなさい」と言っても、「面倒くさい」と言ってなかなか実行しようとしない。何度も最初から計算し直すほうが面倒くさいと思うのだが。数学を嫌いにならなくする第一歩は紙を常に用意し、計算を大事にすることではないか。   (01.01.14 読売新聞 投書)