入試本番まであと2カ月余。期末試験後の学習法

 「木下ぜみ」では直前期(12月あたり)からは、冬休みを含んで立てたスケジュールをもとに、学習を進めていきます。この時期は各学習項目の総チェックと受験校別対策を行ないます。また、思考力増進中心の学習から暗記中心の学習に比重のかけ方を今までとは異にします。(つまり、「学力の向上」から「合格させる」へのシフト変更です。)

●計画を立て、着実に!

まず、これから3カ月の学習計画を立てましょう。その計画に沿って、1日1日の勉強を積み重ねていきます。今日すべきことは今日やり、先延ばしにしないこと。そのためにも、自分に合った無理のない計画を立てましょう。これまでの自分をふり返って、もし努力不足だと感じたなら、少しだけ今の実力よりも上のレベルを目指して、計画を立てることです。毎日の積み重ねが実力を引き上げる効果 を生みます。逆に、今まで少し、きつかったなと感じた人は、もう一度自分の計画表を見直してみましょう。あまりに自分の目標とかけ離れた、無理な計画を立てていませんでしたか? こうして、自分の目標、実力などを考慮して計画を立てることがポイントです。

 次に大切なことは、一度立てた計画をコロコロ変えないことです。模擬試験などのテスト結果 やクラスメイトの勉強法・勉強時間などが気になりがちですが、自分のペースをくずしては何にもなりません。続けることが一番大切です。下の「あと3カ月の学習計画」を参考に自分の学習計画を立てましょう。

●志望高校への出題傾向をおさえた勉強を!

これからの3カ月は、自分が受験する高校の出題をおさえた勉強が中心となります。私立高校の場合は、学校によって大きく出題内容が異なります。まず、過去の入試問題を入手し(市販されていない場合は直接高校に問い合わせる)、出題の傾向を分析します。出題の単元、形式(マークシート形式であるとか、たくさん文章を書かせるとか)、難易度などを調べます。市販されているものには分析表もついていますが、それらも参考にしながら、自分で分析してまとめましょう。

 次に、過去3カ年分ぐらいを目安に、実際に解いてみましょう。解けなくても気にする必要はありません。私立高校の入試問題は公立に比べて、一般的に難しく、高校で学ぶ内容が出題されることもあります。とにかく相手を知ることが大切です。解く力はこれからつけていけばよいのです。

 入試の分析は、時間の余裕がないので第1志望、第2志望の2校で十分です。1日に1つの年度の1教科分ずつ解いていくというペースが基本です。第2志望まで過去3カ年分解くのに、5(教科)×3(年)×2(校)=30 (日)という計算になります。また、解き方のわからなかった問題については、解答、解説や先生に聞くなどして理解しておくことが大切です。同じような問題が出題されたらバッチリ解ける、というようにしておきましょう。

<あと3カ月の学習計画の目安>

3カ月前〜2カ月前

2カ月前〜1カ月前

直前1カ月

●志望校の過去の入試問題を分析。 実際に問題を解いて解き方を十分理解しておく。

●学校の授業を大切にし、期末テストはがんばる。

●模擬試験や期末テストでできなかった問題は、復習して理解しておく。

●よく出題される単元の種類、演習、漢字・熟語などをまとめて覚える。

●冬休みはとくに苦手教科・単元、未習単元などを集中的に学習する。

●志望高校の過去の問題をもう一度解き直す。

●教科書やこれまで用いた参考書・問題集でポイントを見直し、例題を解いてみる(新しいものに手をつけない)。

 

 次に各教科の取り組み方をあげておきます。

国語の学習

●まず志望校の入試問題をよく知ろう!

志望校の過年度の入試問題を調べて、出題傾向を知り、それに合った勉強をしていきます。次の点を参考に志望校の出題を分析してみてください(実際に問題を解く中でやっていきます)。

・どのようなジャンルの文章が出題されているか(随筆、小説、詩、短歌、俳句、論説文、説明文、古文、漢文など)。

・設問や解答の形式はどうか(選択肢か記述式かなど)

・どのような内容の設問か、難易度はどうか。

・漢字の読み書き、文法、慣用句、文学史、作文などはどのように出題されているか。また、全体に対する配点の比重はどうか。

●こんな点に注意して志望校攻略の力をつけよう

志望校の出題傾向がわかったら、出題されるジャンルの文章を出題される形式で練習したり(過去の出題や類題による練習)、必要な知識を覚えたりすればよいのですが、とくに次の点には注意して続けることが大切です。

<文章の読み取り>

言葉の意味がわかっても文の意味がわからないときは、前の文、またその前の文……とのつながりを考えながら繰り返し読む努力を怠ってはいけません。この努力の積み重ね以外に力をつける方法はなし。

<設問や解答の形式>

選択肢問題では、「最もあてはまるもの」を選ぶわけですから、すべての選択肢を十分に比較検討することが大切です。「本文中から抜き出せ」のような設問の場合は、字数制限などの条件に注意して丹念にさがす努力を惜しんではいけません。また、自分の言葉を用いて表現する場合は、自分の解答を塾や学校の先生に添削してもらって練習を積みます。

<古文・漢文>

「注」を手がかりに繰りかえし読んで大意をつかむことが大切です。現代仮名づかいへの直し方、係り結びなどの一部の文法は規則を覚えておきましょう。

<文法>

選択肢問題が多く、細かな文法的知識がなくとも、慎重に比較検討すれば解けます。しかし、用語の活用形は書かされることがよくありますので、書けるようにしておくこと。

数学の学習

●まず志望校の入試問題をよく知ろう!

・出題単元の偏りはないか。

よく出題される単元、出題されない単元。中学校の範囲を越えた出題。

・難易度はどうか。

私立の入試問題は公立より難しいのが一般的。計算問題でも複雑なものが出題されます。

・出題の形式

マークシート形式の出題、作図や証明の出題、答えだけでなく途中の考え方・計算式なども書かせる出題。

●こんな点に注意して志望校攻略の力をつけよう

 夏休みまでに中1、中2範囲を中心に中3の1学期までの復習をしましょう。3年の2学期には、円や二次関数などよく出題される単元が出てきますが、復習する時間はありません。毎日の授業の一時間一時間を大切にし、集中して理解するようにします。その上で、過去の入試問題を解いていきます。この場合、得点にこだわらず、演習を通 して弱点の補強と出題傾向の把握を第一に考えましょう。単元別には次のような点を注意します。

<式の計算、方程式>

簡単な問題の正答の積み重ねが確実な得点をものにします。私立の計算問題はレベルが高いですから、難しめの問題を工夫して計算する練習を積みます。また、式の計算を方程式の計算と混同して、分母を払ってしまう、というようなうっかりミスも多くあります。落ち着いて問題の意味をとらえる習慣をつけましょう(簡単な問題でのミスは合否の分かれ道になります)。

<関数>

苦手としている人が多い単元ですが、理解してしまえば、むしろ着実に得点できる単元です。また、直線の式や交点の座標の計算によらずに、相似や等積変形などの図形的な考え方で簡単に解けるものがありますので、要注意です。時間が大いに節約できます。

<図形>

よく出題される図形に注意します(たとえば円の性質と三平方の定理の融合問題など)。また、証明問題では、模範解答などを参考にして、簡潔な表現のし方を身につけます。

英語の学習

●まず志望校の入試問題をよく知ろう!

・ヒアリングの出題はあるか(難易、形式など)。ヒアリングが出題される場合は、発音やアクセントの出題はないのが一般的です。

・文章読解問題の量と難易はどうか(文章の長さや難易、どのような設問があるかなど)。

・文法・語い(単語や熟語)はどのように問われているか(量 、問われ方、難易など)。

・英作文はどのように出題されているか(文の一部分だけか、文全体の英作か、難易など)。

●文章の読解力を中心に、志望校攻略の力をつけよう

近年は文章の読解力が重視されるようになってきています。まず、土台として、基本文型・文法と語いの力を培う必要があります。教科書に出てくる基本例文や単語は何度も見直し、覚えてしまいましょう。関係代名詞などまだ習っていない文法事項があれば、とりあえず文章の読解に困らない程度に勉強しておく必要があります。そのほかに次のような点に留意しながら、1日1日の勉強を積み上げていきましょう。

<文章の読み取り>

実際の問題練習では、辞書を引かずに、繰り返して読んで大意をとらえる努力を積みます。長い文章や難しい文章が出題される場合は、単語集などで語い力をつけるとともに、読み物や類題などで幅広く文章を読みこなしておく必要があります。

<ヒアリング>

ヒアリングの問題集やラジオ講座を利用します。少しずつでもよいですから、集中して毎日続けます。

<英作文>

日本語をそのまま英訳するのではなく、日本語に表された内容を英語で表現します。近年は、絵を見て説明する英作文や自由英作文も見られます。平易な文で自分の考えや思いを表現できるようにしておきましょう。どんどん英文を書いて塾や学校の先生に添削してもらうのもよい方法です。

<発音やアクセント>

自分が発音したとおりに解答するしかありません。日ごろから正しい発音を身につけ、試験のときは時間をかけないようにします。時間は文章の読み取りにかけるべきです。


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