21世紀療法

これは、あくまでも私のことではない。
絶対私のことではないのだが、是非とも皆さんにお知らせしたいことなので、すずめのなみだコーナーのトップはこの話題で飾りたい。

私の友達(仮にKとする。都会に住む妙齢の独身女性)が、カイチュウを出したというのである。

Kはあるとき、肛門(仮に黄門様とする)が異様にむずがゆくなった。その感触は、黄門様が柔らかいツマヨウジでくすぐられているようだった。

トイレに座ると黄門様から、ちょっとぶら下がる物があるようだったので、引っぱってみたところ、長さは20センチくらい、太さは手帳のエンピツくらいのものが出てきたそうだ。

Kは、思い出すことがあった。

数週間前、トイレに入ってなにげなく便器をのぞくと、それとそっくりなものが、中の水の底に沈んでいたことだ。そのときは、「糸くずか何かだろう」と思って流していた。
それから、家族が作ったサラダの野菜について、かなりの頻度で「あまり洗われていないようだ」と感じたことも考えあわせ、「これこそカイチュウであろう」と思った。
しかし、図鑑や標本で見るカイチュウは真っ白だが、それは薄い茶色の半透明であったので、ビニール袋に入れて病院に持っていった。

お医者さんは、表情を変えずに「ああ、カイチュウですね。最近多いんですよ。無農薬の野菜を生で食べることが増えていますからね」と言うので、Kは「そうか、最近多いんだ。私だけではないんだ」とほっとした。

しかし、お医者さんがカイチュウ入りビニール袋を持って奥の部屋に行くと、その部屋から看護婦さんたちが「キャーキャー」と悲鳴をあげるのが聞こえたので、「やっぱりめずらしいのかも」とがっくりしたという。
その病院から虫下しをもらって、家族全員すぐさま完治することができた。

これが21世紀におけるカイチュウ事件である。
さて、カイチュウ博士の藤田先生は、お腹にサナダ虫を飼っておられることで有名だ。寄生虫がいると、アトピーやアレルギーがない、と藤田先生はおっしゃっている。

私は漠然と「カイチュウがいた頃は、空気がきれいで環境が今とは違うから、アトピーやアレルギーが少なかったのだろう」と考えていた。

しかし。
しかしである。

Kの話では、「カイチュウがいたと思われる頃、いつも苦しんでいる鼻炎が楽だった。治ったのかな、と思っていた」とのことだ。

虫下しでカイチュウがいなくなってから、「またひどい鼻炎が戻ってきた」と言う。

藤田先生の言うとおり、寄生虫こそがアトピーやアレルギーを治す救世主、21世紀にふさわしいカイチュウ療法として、確立するのかもしれない。

あなたもいかが?

最近、アレルギーが楽になった、という人がいたら、気がつかないうちにこの療法をはじめているのかも・・。
カイチュウを出した
妙齢の独身女性Kさん(仮名)が飼っている
愛犬Mちゃん。(仮名)