NN病的「聞き流せなかった噂」

「浮いた話の一つや二つ」
「恋人がいないほうがおかしいんじゃない?」
などという冷静な反応は、私にはとてもできなかった。
それは一にも二にもなく、相手があの方だったからに他ならない。
ほかの人だったら、『ふうん、そう』で済ませられたと思う。
ちょっと失望感はあるにしても。
彼女個人に対しては好ましいという感情はあった。
だから、一歩引いて「今彼女は旬だから」などとすまして言ったかもしれない。
しかし、今回のことは事情が違った。少なくとも、私にとっては。

この話がBBSに出たとき、まさかぁと思った。噂でしょ。
TVで話題にされていたという。でもね、いわゆる噂でしょ。
そしたら週刊誌に載って、新聞にも載った。
マジ? マジ?? え〜、マジ〜!?
その次に思った。なんで〜。どうしていまさら。どうして相手があの人なのよ〜!!

私の気持ちを正直に言うと、自分でも信じられないほどショックを受けた。
2、3日頭から離れなかった。彼のゴシップでもないのに。
2年もたって、それはあまりにひどいと思ったのだ。
思いがけなくスペシャルを見られて幸せな気分で明けた2003年が一挙に暗くなってしまった。
旅行に行っていたといわれているのはクランクアップ頃。ビストロ収録の直前か直後。
年明けには「黄泉がえり」の公開も近づいている年末。
そんなときに、よく危ない橋を渡る。
いわゆる「足ひっぱり」系のネタなのかもしれないとも思わないでもないが。。。
タイミングが悪すぎるのはそのせいなのか。
それにしても。

そういう現実的な話は置いておくとして。。。
私にとって重要なのは、「白い影」が見られなくなってしまった、ということだった。
相変わらず直江先生が特別の存在である私にとって、白い影を見られないというのは致命的である。
私は直江先生にも、もしかしたら彼にも興味がなくなって卒業してしまうんじゃないだろうか、とさえ思った。
私のきっかけは直江先生だったから。直江先生から始まった中居ファンだから。

白い影を見ても、彼女を倫子とは思えなくなっているような気がした。
どうしてもあの方のことがちらつく。
番宣で彼女が女優としてインタビューに答えている。それを見てもだめだった。
好きな女優さんだと思っていたはずなのに、もう見たくなかったのだ。
いわゆる嫌悪感。理由はわからないけれど、この気持ちだけははっきりしていた。
『中居くんと直江先生は別だから』といいながら、私は彼女と倫子の区別ができていない。
私の中で倫子がどっかにいっちゃったのか。
それはあまりにバカらしいことだった。

この噂で彼はまったく関係ない。私も彼に対する感情はまったく変わっていない。
影響があったのはむしろ直江先生のほうだった。
直江先生に膜がかかってしまったような、そんな感じ。
何かが邪魔をして、直江先生を遠ざけてしまうような、そんな感じ。
倫子を小橋先生に取られた、というような感情があるからか。
物語の続きとしてはあまりにできすぎていた。
現実とフィクションがごっちゃになっている。
それほど、私にとって直江先生は大切だった。だからショックだったんだと思う。
だから、なおさら今の状態はつらい。

そしてもう一つ、そう考えるウラには『どうして彼じゃないわけ?』みたいな感情があった。
私は二人の雰囲気が好きだった。並んで笑っているのを見るのが好きだった。
バランスがよいとそう思っていた。
白い影は続編ができようもなく、ならば再共演してもらいたいなぁと、ずっと思っていた。
私たちがそう思うくらいだから、製作サイドだってあの二人のバランスの良さには気づくだろう。
だから、遅かれ早かれきっと共演はある。そう信じていた。
そこにきて、SPの話である。
再共演が期待できると思ったが、再共演(というか二人一緒のシーン)はものの見事になかったのだ。
考えてみれば、過去の話に一緒のシーンがあるわけはない。
でも、SPが白い影である以上、どうしても期待してしまっていた。ここにも私のバカさ加減が顔を出す。
まったく、どうしようもない。
ならばプライベートでもいいから、と私は知らない間に考えが暴走していたんだと思う。
プライベートでもいいから、一緒にいて。そう考えていたんだと思う。
2年前、彼女には恋人がいたらしい。ならしようがないか、とそのときは思った。
でも、結局はあのとき共演したあの方との噂が2年たって聞こえてきた。
『どうして彼じゃないわけ?』と思う理由はこれ。
彼女の気持ちがどうとか、彼の気持ちがどうとか、もうそういうことは度外視していた。
勝手な私の思い込み暴走である。

どうしたら元に戻れるんだろう。
自分で頭を切り替えるしかないことはわかってるんだけど。
早く切り替えなくちゃ、もう直江先生を見られない。
でも、多分、前と同じような気持ちではもう「白い影」を見られないだろう。
思い入れが強ければ強いほど、邪念に惑わされやすいような気がする。
それだけあのドラマと直江先生は私にとって大きな存在だったんだと思い知らされた。

「そんなの中居くんには関係ないじゃん」とこの話を無視できるのは、中居ファンの人だろう。
私はそう思えない。だから、私はまだまだ中居ファンになっていないのだろう。
そう言って意に介さない人がうらやましい。
でも 、私には無理なんだ。
このくらいのことで動揺しているんだから。
こんなことで直江先生を見られなくなるなんて。
そんなんじゃ本当に直江先生が大切だと言い切れないよね。
一体、何を見てたんだろう。

。。。時間はかかると思うけど、復活はしてみせる。絶対。
さしあたっては、きれいな彼を見ることかなぁ。直江先生に負けないくらいの。
できればドラマがいいな。
ん?? 対策になってないかな? そしたら直江先生のことなんかどうでもよくなっちゃうんだろうか。
自分自身を持て余してる感じがする。いやはや。

終わり