剛 「いっけね、時間過ぎちゃう急がないと床屋さん閉まっちゃうよ」

剛 「あ、すいませんまだいいですか?」
床屋「いいですよ」
剛 「明日友達の結婚式があって。だから後ろとかちょっとそろえるだけでいいんですけど」
床屋「わかりました、じゃこちらへどうぞ」
剛 「あーよいしょっと」
床屋「それじゃ後ろだけ刈り上げときますか」
剛 「あの、刈り上げだと短くなりすぎませんか?」
床屋「大丈夫、櫛当てて出てるとこだけだから」
剛 「あ、じゃあお願いします」
床屋「じゃちょっと頭前に倒してくださいねぇ」
 
ブオンブオンブオオーーーンブオオーーーーン
剛 「え?っちょっと床屋さん?」
床屋「(力んで)ううーん、う・う・うーーん」
剛 「ちょっと」
床屋「なんですか?」
 
ブオン
剛 「今のバリカンじゃないでしょ」
床屋「バリカンですよ」
剛 「うそ!うそだよ!だって今の音・・・おおーいこれ・これ!チェーンソーじゃねえかよ」
床屋「ん?バリカン」
剛 「チェーンソーだろこれ」
床屋「ばれた?」
剛 「ばれるよぉー。それにあんた『ううーー』とか言って。ちょっ、こえーなぁー、いいもうバリカンやめます」
床屋「ちっ」
剛 「なに?なに?今のちょっとちょっと、今『ちぇ』って言ったでしょ」
床屋「じゃあ切り過ぎないように細かく切っていきますね」
剛 「ほんとお願いします」
床屋「じゃちょっと頭前に・・・はい」
 
トントントントントントントン
剛 「ちょ・・・何これ?床屋さん?床屋さん?!」
床屋「まだ動きやがる」
剛 「ちょっちょっと」
床屋「は?」
剛 「というか今包丁使ってたでしょ、まな板で」
床屋「そんないくらなんでも」
剛 「アジのたたきお願いします」
床屋「へいアジのたたき一丁」
 
トントントントン
床屋「じゃお髭を」
剛 「お髭をじゃ無いよまったく!何処にそんなもん隠してるんだよ」
床屋「でへへ、じゃおひげ剃りますので頭後ろに倒してください」
 
カンカンカンカン(刀を打つ音)
床屋「危ないので動かないで下さいねぇ」

剛 「はい」
床屋「ふー!うん!!」
 
ズバッ!シャキーン!
剛 「うわー!!って!おい!!」
床屋「は?」
剛 「おい!!あんた今刀振り回しただろ、刀振り回して、ズバッってなんだズバッって、何処切ったんだ?俺の」
床屋「いや髭ですけど」
剛 「髭であんな音するわけ無いだろ」
床屋「お客さん毛硬いから」
剛 「もういい帰る」
 
ポーン
床屋「あ!お客様

剛 「なんだよ」
床屋「ただいまシートベルト着用のサインが出ましたので席をお立ちにならないようお願いいたします」
剛 「は?なんで床屋さんそんなスカートはいてんの?」
 
キーーーーーーーーン
剛 「何?何これ!あー飛んでる!飛んでるよ!おー!この店、飛んでるよ!」

 
ポーン

ナレーション、危険ですので、シートベルト着用のサインが消えるまでは席をお立ちにならないようお願いいたします。