7.植物組織の観察

− さく状組織は本当に柵の様?−

目的
植物の組織を観察する。

実習の手順
(1)あらかじめ,スライドガラスに水を一滴落としておく。

(2)柔らかそうな茎をもつ植物を野外から採取し,茎の砲弾面を安全剃刀で薄く切る。歯についた切片から,薄そうなものを選び,水滴に浮かべる。
(3)葉ははじめに横に切断し,丸めて断面が出るように切片を切る。(2)と同様にスライドガラス上の水滴に浮かべる。
(4)カバーガラスをかけて検鏡。
(5)スケッチする。

指導のポイント
(1)切片を切る時は,新品の両刃カミソリを半分に折って片歯にしたものを使う。
(2)リズミカルに歯を動かし,偶然薄い切片を得られることを期待する。
(3)斜めに切れた場合うすい部分があることが期待されるので,検鏡してみる。

材料について
季節によって得られる材料が違うので,いろいろなものを取りあえず切ってみて,観察に適した材料を選ぶ。双子葉類の茎では,ヨモギ,ヨメナなどが適する。単子葉類ではツユクサをよく利用する。


 ツバキの葉の断面。さく状組織と海綿状組織の違いがよくわかる。表皮組織には緑色の葉緑体がない。

 ツバキの葉の主脈の部分の断面。道管が上部に,師管が下部にある。

 ヨメナ(キク科,双子葉類)の茎の断面。道管がはっきり見える。道管は茎の中心側,師管は表皮側にある。維管束が規則正しく並んでいる様子が見られる。皮層には葉緑体を含む同化組織が,葉の海綿状組織のようにあり,表皮細胞にはアントシアンを含み紫色をしている。


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