4.原形質流動速度の測定

−植物も運動する?−

目的
細胞の運動である原形質流動を観察し,そのスピードを測定する。
アメーバ運動も原形質流動によって起ることを確認する。

実習の手順
(1)オオカナダモの葉をちぎり,水で封じて観察する。

(2)葉緑体が原形質流動によって動いている細胞を探し,流動の方向と接眼ミクロメーターの目盛りをあわせる。
(3)メトロノーム(60打/分)の音を聞きながら,適当な距離を移動するのにかかる時間を計る。
(4)測定した時間と葉緑体に移動距離から,原形質流動の速度を求める。
(5)アメーバを観察し,仮足を伸ばす運動も,細胞内を顆粒が流れていく原形質流動によることを確認する。

指導のポイント
(1)室温が低い場合,あらかじめ白熱灯下でオオカナダモをあたためておくと,活発な原形質流動が観察できる。
(2)オオカナダモの葉は3層の細胞でできている。絞りを調節する(開く)ことで,注目する細胞にだけピントがあうことを操作によって気付かせる。
(3)生徒は葉緑体自信が運動していると誤解しがちである。細胞質の流れによって葉緑体が動いていることを,細胞の角などでの葉緑体の動きによって確認させる。

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40の目盛りから50の目盛りへ葉緑体が移動している様子がわかります。この間およそ10秒でこの時のミクロメーターひと目盛りが2.5マイクロメートルですから,速度は2.5マイクロメートル/秒と言うことになります。これは時速に直すと9ミリ/時です。

 
細かい顆粒状の物質が仮足の中を流れて,仮足を伸ばしていきます。アメーバも原形質流動によって運動します。

左写真:1目盛=10マイクロメートル

右写真:1目盛=2.5マイクロメートル


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