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まずは説明,1班4名のテーブルの上には,すでにニワトリが横たわっています。実習に入る直前に亡くなったもので,まだ温かかったです。(ニワトリの体温は,通常40℃) |
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解剖を始める前に,お腹の羽毛をむしり取りました。生えている方向に真直ぐ引っ張ると,わりと簡単に抜けます。 そのあと,お腹を開いて胸の肉を肋骨ごと取り外します。ニワトリは飛べないとは言え,鳥の仲間,胸の筋肉は大変発達しており,それを支える胸骨もしっかりしています。胸の肉を剥がすと,「ささ身肉」が,見えました。 |
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心臓を取り出して切ってみると,全身に血液を送り出す左心室の筋肉は,肺へ血液を送り出す右心室の比べ3倍くらい厚いことが分かりました。鳥の心臓はヒトと同じ2心房2心室です。 次に消化管を取り出しました。構造はヒトと同じですが「そのう」「砂のう」というほ乳類にはない器官があり,盲腸は2本長く伸びていました。ニワトリには葉がありません。「砂のう」は,歯の変わり?卵管の中にはうまれる直前の卵もありました。 |
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別のニワトリの卵管の中にはまだ殻の出来ていない卵がありました。卵黄(卵細胞)のまわりには,白身が出来ようとしています。黄身の見える右上の白い管が卵管です。この中で卵が作られます。卵管に入る前の卵もたくさん見えます。(奥の小さな球形のものもみんな卵細胞です)卵管の中ではものすごい勢いで卵が完成します。 |
時間の都合で排出器官や頭部は観察できませんでした。参加した36名の中学生も,おおむね満足してくれたようです。 <解剖について> 私達のみならず,すべての動物は生き物を食べなければ生きていけません。また,生命科学も,多くの生き物の命を犠牲にした上に成り立っています。解剖もまた,観察のために尊い生き物の命を奪う行為です。私達は生き物を犠牲にすることで,学習内容をよりよく理解し,興味を高めるものと信じています。と同時に,命の尊さを実感することができるのです。そして,将来「多くの命を育む環境」を大切にする心を持ち,それを実践することができれば,1羽のニワトリの命とひきかえに,たくさんの命を救うことにつながると考えます。 |