直久綿々歌
なおきゅうめんめんか

東直子と小林久美子の短歌の投げ合いです。
相手の歌の語彙・文体・イメージなどを意識して歌をつけていきます。

連綿と続く予定です。

このページは綿々歌三〇一以降を収録しました。
2008年5月以降のふたりの作品です。

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tanka:naoko higashi & kumiko kobayashi



三一八  避けてきた色をぬりかさねて使いきるこころを疲れさせながら 久美子
三一七  三色にゴツゴツ塗られ七福神雨に溶けない笑みをうかべる   直子
三一六  幸福のちいさな一片一片をたばねるように花を選る汝 久美子
三一五  ヒマワリのはなびらが散る対岸へあぶらのういた水かきまぜて 直子
三一四  頭をさげるひと 足許にさしている八月の陽にあぶられながら   久美子
三一三  取り損ねたものを見つけられなくて終了式のおじぎのごとし   直子
三一二  まじないのようにながれる旋律のかなしさを梳く辻に聴く唄 久美子
三一一  一日の記憶を刻みつけている たむろのかむろむらぐもたくも   直子
三一〇  もどらねば 一日のあそびを了らせ帰りゆくこどものように   久美子
三〇九  先に影が視線に入る位置にいて待つ秋のゆうぐれ長く 直子
三〇八  ゆめに入るまでの親しみ沈黙はわたしと時の交流だから 久美子
三〇七  無理かもとほのぼの思うこともある夜のくしゃみの開いて消えぬ 直子
三〇六  吾のほうを避けつつ両の眼をとじる裸婦 腰の上にこころは置かれ 久美子
三〇五  濡れている身体のなかみふくれてくぼくらどくどくなつをあつまる   直子
三〇四  いつものような前口上のない冊子 雷わたり雨がふりだす   久美子
三〇三  ちらかってしまった言葉ひろえない触れたら影にかわるのだもの   直子
三〇二  ちがいますちがうのですと葉の影のすこしもとどまろうとしないで   久美子
三〇一  蝶番少しさびてる箱の中に忘れちまった石がありそう      直子

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