9日目−ウィーン2&帰国−


とうとう最終日。いやいや、時間が経つのはホントに早いものである。
今日は一日かけてゆっくりウィーンの街を廻る予定。まずは朝飯を食い、出かける準備をし、外へ出る。
今日も天気がいい。

まず始めに向かうのは“ヴェルベデーレ宮殿”
“ヴェルベデーレ宮殿”は先日行った“シェーンブルン宮殿”、そして“王宮”と並んでウィーンを代表する宮殿の一つである。
ウィーン西駅からは地下鉄に乗り、最寄駅まで約20分。ここからは歩きで約10分なのだがこれが何気に長い。
ただ、昨日みたいに迷子になることもなく無事到着。どうやら、大分ウィーンの街にも慣れたようだ。

“ヴェルベデーレ宮殿”は“シェーンブルン宮殿”と比べるとそれほど大きい宮殿ではない。特段、これが凄い!といったところもなく、散歩するぐらいでちょうどいい感じだ。もちろん、宮殿内は見学可能なのだが(当然有料)、“シェーンブルン宮殿”ほど見所満載という訳ではない。どちらかと言えば、飛ばしてもそれほど支障なし?という感じだろうか?
ということで、ここは庭をゆっくり散歩する程度にとどめて次の目的地へと向かう。

午後からはリンク沿いにある観光名所を廻る予定。ただ、午前中はもう特に予定はないので、昼飯まではリンク内を北へ抜けドナウ川の川岸まで向かうことにした。
宮殿からリンク内までは地下鉄ではなく、路面電車を有効利用しようということで、近くの停留所に向かう。電車を待つ間、時刻表などを眺めてみたりするのだが、当然読めるはずもなく、どの電車がどの方向に向かうのかすら分からない。ただ、今日は路面電車も有効な一日パスを買っていたため、とりあえず適当に乗り、何か変だな?と感じたらまた乗り換えることにした。

来た電車に適当に乗り、適当に乗換えをする。それでも特段大きな間違いをすることもなく、無事リンク内に着いてしまう。まあ、そんなに言うほど間違う訳もないのだが…
とりあえず“ケラントラー通り”をブラブラし、それから地下鉄に乗ってドナウ川の向こう岸へ行く。が、、、面白いものがある訳でもない。ホントは時間があればもう少し川沿いなどをゆっくり歩いてみたかったのだが、いかんせんそこまでの余裕はない。それに正直、ムダ歩きができるほど体力に自信もなし。う〜ん、情けない…

とんぼ返りのような形でリンク内に戻ってくる。するとちょうど昼時。ということで、ランチにする。
今日はお店を探すのも面倒くさいので、目に入ったピザ屋に即決。そういえば、今回の旅で初めての他国料理だ。
味は、まあ普通のピザ。ただ、ここで飲んだちょっと甘めのスッキリしたビールは美味しかった。

飯を食った後はウィーン中心部に並ぶ観光地巡り。ウィーン観光の定番といったやつである。
ウィーン中心部の主な観光名所はほとんどがリンク(幹線道路)沿いに位置している。まずは“オペラ座”の前から“王宮”へ。そこからリンクを時計回りに廻る。
“オペラ座”→“王宮”→“マリアテレジア像”→“市庁舎”→“ベートーベンハウス”→“ウィーン大学”→“ショッテントアー”
特に建物の中に入ったりする訳でもなく、辺りをブラブラし、写真を撮ってゆっくりと移動する。今日は暖かいので散歩代わりにもちょうどいい。
“オペラ座”から“ショッテントアー”まで歩くとちょうど半周になる。実はこの半周の間に見るべき所は固まっているのだ。残りの半分は特になし。ここまでで十分。
なので、ここからは“ケラントラー通り”を通って中心部へと戻る。

この後はお土産タイム。はっきり言って毎回この時間が酷く憂鬱だ。ただ今回は家、田舎への土産は全部親父任せ。しかも、空輸するというので、便乗させてもらうことにする。
お店は日本語の通じる伊勢丹ウィーン店へ。自動ドアを通り抜けると「いらっしゃいませ。」の声。周りを見渡せば日本人スタッフと日本人観光客。完全にここだけは日本国内だ。
別に、特別買いたい物がある訳ではないので、さっさと買い物を済ます。
お土産にはワインを2、3本とお菓子を購入。親父と一緒じゃなければ絶対にこんな日系デパートでは買わないだろう。
でも、ある意味、義務的なお土産ならこういう所で十分かもしれない。その代わり、ウィーンじゃなきゃ買えないものなんて、ほとんどないのだろうが…

憂鬱な買い物タイムもようやく終了。さてお次はひとまず休憩ということで、ウィーンでの目的の一つである本場ホテルザッハーの“ザッハートルテ”を食べに行くことにする。
ホテルザッハーはちょうど伊勢丹の目の前。早速、席を確保し“ザッハートルテ”と紅茶を注文する。
ちょうどタイミング良く席が空いたので待つことなく座れたのだが、俺らのすぐ後はあっという間に4、5組の待ちができてしまった。辺りを見まわしてみると、やはりほとんどが観光客なのだろう。テーブルの上には同じ“ザッハートルテ”が乗っている。“モーツァルトカフェ”ではお茶を飲みながら新聞を読んでいるサラリーマン風の男性やOL風のおねーさん達を見かけたのだが、ここではほとんど見かけない。
そうこうするうちに、お待ちかねの“ザッハートルテ”が運ばれてくる。白いさらに乗ったチョコレートケーキの横にはたっぷりの生クリーム。見た目的になかなか甘そうだ。
さて早速一口…が、、、ん?なんか別に普通、、、っていうか、俺の家の近くのケーキの方が美味い…
まあ、なぜそう感じさせたかというのを一応触れておくと、まずスポンジがちょっとパサパサ。それと、あまり「チョコレート!」って感じがしない…(ちなみに横の生クリームは無糖なので甘くない)
なんでも期待し過ぎると良くないというのは分かっているのだが、今回はその典型的な例であろう。ちょいガックシ…

お目当てのものも食い、買い物も済ましたので一度ホテルに戻り一休みすることにした。この時点で時間は15:00過ぎ。

ホテルに戻った後は少し昼寝をし、17:30が周ったところで再度出かける準備をする。そうこの後はウィーンでのメインイベント、クラシックコンサート鑑賞である。


画像上の左側が“ヴェルベデーレ宮殿”。右はコンサート会場



この時のためだけに持ってきたスーツに着替え(ホントにこの時しか使わなかった)、ホテルを出る。
今回、観(聞き)に行くコンサートは“王宮”で行われる「モーツァルトオーケストラ」である。このコンサートはその名のとおり、モーツァルトの曲のみで構成されているコンサートで、演奏者達はプロではない。なので、敷居は低め。ガチガチのフォーマルな服装も要らず観光客向けの手軽なコンサートである。ちなみにチケット代は一人約4,000円。
ウィーンではこの他に“シェーンブルン宮殿”で行われるコンサートや楽友教会ホールで行われるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による敷居のめちゃくちゃ高いコンサートなどがある。ウィーン・フィルハーモニーのコンサートは数ヶ月前から要予約らしいが、「モーツァルトオーケストラ」は前日、もしくは当日でも大丈夫なようである。
今回、コンサートが行われる場所は“王宮”内のホールというか部屋。チケットは前日にホテルで予約をしてもらっておいたので心配なし。

きっちり時間前に“王宮”に到着。早速、コンサート会場に入る。
受付でチケットをチェックし、荷物を預け、そして席へ移動。席は折り畳みのイスが並べられているだけで、全部自由席。20分前ぐらいについたのだが、前のほうは既に埋まっている。しょうがないので中ほどの席に座り、パンフレットに目をとおす。
辺りを見回すとガチガチのフォーマルではないにしろ、やはりそれなりにキチンとした格好が目に付く。中にはトレーナーにジーパンというラフな人もいたが、少し浮いていた。やはり、いくら観光客向けのコンサートだからといっても、多少身なりは整えた方がいいようである。

19:00。演奏開始の時間だ。
背の高い指揮者が登場。深々とお辞儀をして演奏が始まる。
初っ端から耳にした曲が流れる。その後演奏される曲も聞いたことのあるものが多い。さすが観光客向けだ。
パフォーマンスはどうかというと、クラシックのことは全然分からないので、上手いのか下手なのかはコメントできないが、当然聞くに耐えないという訳ではないし、盛り上げ方も上手い。また、一人ボケ担当がいて時折笑いを取るので、飽きるということもない。ただ少し難癖をつけるとすれば、歌が多く、純粋な演奏というものが少ない。
それと、演奏自体とは別のところで、座席の並べ方が悪い。段差がなく、縦横キレイに並べられているので、前の人の座高が高いと全く見えなくなってしまうのである。特に外人はデカイので、小さい日本人にはちょっと不利。
あとは、フラッシュ撮影禁止と書いてあるにも関わらず、お構いなしにフラッシュを焚いているアホが何気に多いことだろうか?
とはいえ、比較的リーズナブルな値段で本場のコンサートが観れることを考えると、それほどまでに気になるようなことではないだろう。

約2時間、多少ケツが痛くなったけど、中々濃い中身に満足して終了。他の日記にも毎回書いているけど、やはり本場のものをライブで体験するのは非常に貴重な体験だと思う。今回もとてもいい思い出を作らせてもらった。

さて、少し遅くなってしまったが、この後は今旅最後の晩餐へと向かう。シリングが多少多めに余っていたこともあって、少々高めのレストランに行くことにした。
最後のレストランとして選んだのはウィーン最古のレストラン「Griehenbeisl(グリーヒェンバイスル)」というお店。周りを蔦で覆われていて、なんとなく歴史を感じさせる外観である。
早速中に入り、空いてる席へ。とりあえず、いつものごとくビールを頼む。飯の方は俺が肉料理、親父が川魚料理を注文。しかし、さすがに由緒正しき?レストランだけあって値段がこれまでのレストランより高い。実際、外人カップルが入って来たのだが、席に着きメニューを見るなり出て行ってしまった。(それが、高いからかどうかは確かじゃないが…)
少し経ち料理が運ばれてくる。問題の味の方はというと、これがかなり美味い。だてに高い料金を取ってる訳じゃないようである。おそらく、今回の旅行で一番美味しいレストランだったと思う。ここは値段を気にしなければかなりお勧め。まあ、高い高いと言ってもメインとサラダとビール、ワインを飲んで2人で1万円弱。日本のレストランとほぼ同水準だが。

最後の夜ということで、ゆっくり堪能して店を出たのが23:00過ぎ。そのままどこにも寄らずホテルへと帰る。
少しほろ酔い気味だったのだが、明日は帰国ということで少し荷物の整理をし寝ることにした。


−帰国−

今回の旅もとうとう終了、帰国する日が来てしまった。
今日のフライトは13:50なので、2時間前 12:00に着けるようにホテルをチェックアウトする。
ウィーン国際空港まではウィーン西駅よりでているシャトルバスで30分程度。道もそれほど混んでおらず、スムーズに空港に到着することが出来た。
今回、ウィーンでは西駅のすぐ近くに宿を取った訳だが、これが大正解。長距離列車が到着するのもここ。空港へのシャトルバスもこの駅発ということで、旅行者はこの西駅付近でホテルをとるのがベストだと思う。特に今回泊った“DORINT AM EUROPAPLATZ”はキレイだし宿泊費も安いのでお勧めである。

空港に着き、早々と出国手続を済ます。行き同様、米テロ後まだ間もないにも関わらず、ごくごく普通の手荷物検査にボディチェックだけで終了。特に遅れもなく飛行機に乗り込む。
帰りの便はオーストリア航空とのコードシェア便。ルフトハンザがあまり良くないので、ここも大して期待をしていなかったのだが、これが良い意味で予想外。機内食はパンにラビオリにサラダとかなりシンプルで美味しいし、映画もまあまあのラインアップ。今まで乗った航空会社の中で1番だった。
ちなみに映画はライアン・フィリップ、ティム・ロビンス主演の「サベイランス監視」とモーガン・フリーマン主演の「スパイダー」(日本での公開はまだ)
暇潰しとしては十分過ぎるほどのラインアップで非常に満足だった。

10時間強のフライトの後、無事成田に到着。その後、シャトルバスに乗り相模大野へ行き、タクシーで我が家へ。
長い長い旅が終了した。


−感想−

今回はまたもやヨーロッパとは言え、初の東よりの国への旅となった。今まではラテン系の国が多く、非常に楽しい思いをさせてもらっていたのだが、今回は今回で非常に充実した旅が出来たと思う。ぜひ今度は行けなかったドイツの東よりの都市(ベルリン等)やその他の東よりの国(チェコのプラハやハンガリーのブダペスト)にも訪れてみたいと思う。
親父との初の二人旅もなかなか面白いものだった。家ではあまり話さないようなことも、酒を飲んだついでに喋ったりしてしまったりして、貴重な時間を過ごすことが出来たように感じる。
次回は来年9月にフランスへ行く予定。今回、一人でも十分楽しめるという確証が持てたので、フランスへはぜひ一人で旅してみたいと思う。(っていうか、パートナーを探すのが面倒臭いだけなのだが…)


HOME