「ナポリ湾の真珠」と呼ばれるカプリ島は、イタリア南部のナポリからフェリーで80分、水中翼船で35〜50分の沖合に浮かぶ島です(東西約6km、南北約3km。一部を除き断崖の海岸で囲まれていて、断崖には洞窟が65箇所もあるそうです)。
この島の名所は、なんといっても「青の洞窟/グロッタ・アッズーラ 」。ここは陸からも行けますが、ほとんどの人はカプリの港から船のツアーで行きます(往復約1時間)。洞窟の入り口の近くに来ると、観光客は20人乗り位の大きな船から4人乗りの手こぎボートに乗り替えます。そして高さが1.3mしかない小さな入り口から、船頭さんが入り口に取り付けられた鎖をたぐりながら「1・2・3!」とかけ声をかけて入ります。
入るとそこはまさに「青の洞窟」。
海水で浸食された真っ暗な洞窟の内部の広さは、長さ約75m、幅約20m、高さは海面から約10m。小さな入り口から太陽の光が海水に(横から)差し込んでいるため、光の反射で海水が真っ青に輝いて見えるのです。綺麗ですね!
洞窟の中では船頭さんが「サンタ〜ルチーアー♪」とか「帰れソレントへ」を歌ってくれて、内部には複数のカンツォーネの歌声が反響しているそうです(要チップ^_^)。


Grotta Azzurra
(中央の明るい場所が洞窟の入り口です。上の画像の様に真っ青に見えるのは年間40日位だそうです)


Movie File
:ここからダウンロードすれば青の洞窟で撮影したムービーが見れます。

(Size:1.2M)
動画ファイルはQuick Time ムービーです。Quick Time Plug-inをインストールしてご覧ください。


撮影した松長君のコメント
その青は、観る者の理解を超える、どこまでも深淵な青です。
人は空を見て、海を見て、また、地球を見て「青い」と言いますが、そんな認識をいとも簡単に破壊してくれます。
 南イタリアの濃密な太陽光を透き通った地中海に溶かして作った水溶液は余りにも青く透き通っており、全て自然が織りなす光景であるにも関わらず、むしろ観る者に無機的な印象さえ与えます。例えば映画やテーマパークのアトラクション、或いはルートヴィヒ二世がリンダーホフ城の地下に造ったイミテーションのような。
 改めて、世の中には人智を越えた事象が存在し得ることを認識させられる、そんな場所です。
 
青の洞窟を目当てにカプリ島に行くのでしたら、天候の良い季節に、なるべく長めに滞在することをオススメします。
 そもそもあの青い色は、暗い洞窟に、低い位置から太陽光が横向きに差し込むことで現れるものだそうですので、少なくとも太陽がでていることが絶対条件です。曇りがちな季節に行っても、見ることが出来ない可能性が高いようです。夏が無難です。
時間帯はなるべく朝一番の船で。日が高くなると洞窟に差し込む光の量が減り、美しさが半減するそうです。
ちなみに、僕が乗った船よりも早い便がいくつかあった様に記憶しています。多分、もっときれいな光景も条件さえ整えば見られるハズです。
 それから、洞窟の入り口がかなり小さいため、少し風が吹いて波が高くなると、ゴンドラが中に入れなくなってしまいます。ですから、天気が良くても風がある日は洞窟行きの船が出ていなかったりします。僕もカプリ島には4、5日滞在したんですが、船が出たのは帰る日の朝だけでした。
 せっかくイタリアに行くんだからカプリ島だけではもったいない、と思うかも知れませんが、もともとあの島は、古来よりリゾート地です。ゆっくりと滞在して、優雅な水と空気の感触を贅沢に楽しんでみては如何でしょうか。

 アメリカやアジアの近代的且つ大規模なリゾートとは対照的に、カプリ島などのヨーロッパにあるリゾートは、自然との調和と歴史に重点を置いた濃密な雰囲気を持っています。派手さと快適さを追求するアメリカ人と、既存の環境との調和を重視するヨーロッパ人との間の思想の違いを改めて垣間見た気がしました。
アメリカやアジアの近代的且つ大規模なリゾートとは対照的に、カプリ島などのヨーロッパにあるリゾートは、自然との調和と歴史に重点を置いた濃密な雰囲気を持っています。派手さと快適さを追求するアメリカ人と、既存の環境との調和を重視するヨーロッパ人との間の思想の違いを改めて垣間見た気がしました。

これが洞窟の入り口(中央)。高さ1.3m、幅約2mしかないので、波が引いた時でないと入れません。 洞窟の中の手こぎボート。満ち潮の時や波が少しでも高いと見学はできません。午前中が一番綺麗だそうです。 カプリ島の代表的な海岸の風景。 カプリ島の中心地カプリのアンボルト一世広場/Piazzetta Umborto



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