水遊び

寓話シリーズは、ほとんどが取材中に触れた中世ヨーロッパの世界に刺激を受けて制作することが多いです。ですから道具など当時の何がしかの要素を取り入れて描いていますが、この作品にはそういったものは登場しません。美術館を訪れると、貴族の姿を描いた肖像画は上流階級の生活をイメージさせますし、ブリューゲルやボッシュの作品は一般民衆の生活を彷彿とさせます。小熊が動き回る仕草はそういった世界に描かれた子供たちの姿と重なります。それと同時に無邪気な童心にかえった大人の象徴として描いています。イルカは好奇心と遊び心、癒しの象徴です。

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田中直樹作品集