『ふじさわ市民の党ニュース』 -vol.1 (2000.03) | ||||||||||||||||||||||
放置された危険「引地川ダイオキシン排出事件」 | ||||||||||||||||||||||
問われるべきは荏原だけか!? |
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荏原製作所内の焼却施設から排出してきた汚水により、引地川で高濃度のダイオキシンが検出された事件で、荏原はその責任を認めてはいますが、「単純な接続ミス」としながら当時の配管の工事完了検査が、工場内の実験炉の廃棄物や羽田工場からの産業廃棄物も含まれていたことなどが発覚。一方、引地川に排出されたダイオキシンの総量については未だに明らかにされていません。 今回の事件で、更なる真相究明が求められていますが、問われるべきは荏原だけなのでしょうか? |
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市民に公表されなかった市の調査結果! |
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けれども、広報に記されている通り、3月21日に検査の速報値で問題の「8100ピコグラム/L」という値が判明していたのです。荏原の排水を止めたのが23日。市が引地川沿いのパトロールを開始したのが25日。排水を止める以前の方が危険状態だった事は言うまでもありません。 さらに右表の通り、既に98年度の環境庁の全国調査で引地川は国の基準値を越える事態が判明。市の追跡調査で少なくとも12月6日には再び危険状態が確認されていたのです。遅くとも、この時点で市民に対して警鐘を鳴らすべきではなかったでしょうか。 市は「発生原因の特定なしに、危険だけを煽る事は風評被害にもつながる」とし、市議会に対しても、3月議会が開かれていたにもかかわらず、24日の閉会後、その夜に記者発表で報道されるまで明らかにしませんでした。 |
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問われる『情報開示。説明責任。』 | ||||||||||||||||||||||
ダイオキシン類対策特別措置法が1月に施行されましたが、発生元への賠償責任が生じる点や、食品規制への影響を恐れた厚生省、農水省のブレーキで実効性には疑問が残りました。 今回の事件を機に、排出元の徹底究明と補償責任、そこに許認可を出してきた行政の責任を明らかにしていかなければなりません。そして、「風評被害につながる」と、情報を行政だけが握っていて危険が放置された事実は、小渕首相が倒れた「空白」より、市民に直接影響があり重大な問題です。 発生元が特定できないまま市が「キケンだ」と発すれば、市に「補償責任」が回ってくると恐れたのでしょうか(?)。補償問題等について国の法制度の不備についても問題にして、市民と一緒になってダイオキシン問題の解決に取り組む意思があるのか、藤沢市が問われているのではないでしょうか。 |
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市の最終処分場からも環境基準の2600倍のダイオキシン! | ||||||||||||||||||||||
問われる『エネルギーセンター』計画 | ||||||||||||||||||||||
ダイオキシン総量規制を! | ||||||||||||||||||||||
今度は、藤沢市の最終処分場下の水路から2600ピコグラム/Lのダイオキシンの検出が確認されました。 ごみの焼却灰等が埋められている最終処分場で、ゴムシート、赤土で遮水されていた汚染物質が漏れ、地下水を汚染していた疑いで市は再調査をはじめましたが、度重なるダイオキシン汚染の発覚は、何を意味しているのでしょうか。 |
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ダイオキシン問題の解決は「脱焼却」のゴミ政策で ![]() つまり、ゴミ焼却炉メーカーとして藤沢市の石名坂焼却場はじめ全国の自治体に焼却炉を販売している荏原にして、自分の工場からどれだけのダイオキシンが排出されているか把握していなかったのです。 公共施設についても「国の基準がない」等を理由に、今回のような事態が放置されてきました。 ようやく、焼却灰のダイオキシン排出基準が設けましたが、ダイオキシンの発生総量を抑えるのには、結局、燃やすゴミの総量を減らす事が不可欠なのです。灰の埋め立てや路盤材等への再利用は安全の確証もなく、焼却灰のキケン性について曖昧にする事は「燃やして良しとするゴミ行政」からの脱却につながりません。 |
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藤沢市はどっち?エネルギーセンターvsダイオキシン総量規制 | ||||||||||||||||||||||
97年、厚生省は自治体の一般廃棄物処理について、大型焼却炉への補助金を優遇する「ゴミ処理の広域計画」を打ち出し、藤沢市でも大型ゴミ焼却場「エネルギーセンター」を計画しています。 大量にゴミを燃やし続ける事を前提にした厚生省の方針は、ダイオキシン総量の削減と矛盾します。 厚生省の方針に群がったゴミ焼却炉大手メーカーによって、自治体からの受注を巡る談合疑惑が問題となり、去年、荏原も公取委から警告を受けました。「出たゴミをどう処理するのか」をウリにする企業、そこへの許認可で権力を振るう省庁の官僚に対して、市民に一番身近な自治体が、責任を持ってゴミの減量を進めるべきです。 エネルギーセンター計画を止めて、藤沢市を全国初のダイオキシン総量規制のモデル都市として再生させましょう。 |
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