坂は登らんし、山の中でエンジンがかからなくなり、車に牽引してもらったりと、トラブルだらけのバイクだった。

ツーリング初日、検問で質問を受けた。バイクを降りて後についてくるように言われた。そして、担当の兵士はこう聞いた。「あのバイクは君のか?」「いいや、カトマンズでレンタルしたんだ。」「そうか、一応バイクのナンバーは?」「・・・・・。」「どうした?」「ナンバーはわからない、いや読めないんだ。」

ネパールへ来る前に一番心配していたのは、ガソリンの補給だった。大きな町にはガソリンスタンドがあったが、小さい村では苦労した。たくさんバイクが走っているので、どこでも必ずガソリンは手に入るはずなのだが、誰かに聞かなければその場所がわからない。小さな村では、普通の雑貨屋でガソリンを買うのである。そういえば、昔僕の母も単車のガソリンを近くの店(雑貨屋)で買っていたなぁ。

何とか場所を聞き、たどり着いたら、指で、「1か2か?」と聞かれた。はじめはリットルのことかと思ったが、ペットボトルの本数だった。そういえば母が買っていたガソリンも、一升瓶に入っていたなぁ。

ペットボトルで思い出したが、ネパールへ行く時は、日本からペットボトルを持って行った方がいい。絶対に重宝すると思う。ネパールのはあまりにも薄く、すぐ穴が開いてしまうのだ。一度デイパックの中で洪水を起こしたことがあった。

ネパールツーリングの必需品といえば防塵マスク。排気ガスがすごいのだ。

左の写真は、和やかなワンショットであるが、実はこのときエンジントラブルで、汗だくだった。20分ほどキックしてやっと始動してくれた。

そして、次の日、完全に動かなくなった。電気系統のトラブルだった。どこかに書いたけど、たまたま通りがかりの車にロープで引っ張ってもらった。その車もバッテリーがダメだったらしく、押しがけが必要だった。運転手はいとも簡単に一人で車を押しがけした。ハンドルにロープを結びつけて牽引してもらったんだけど、恐怖の15kmだった。

国道を行くバスは、とても追い抜く気にさせないほど飛ばしまくる。バスの後ろを走っていると、時々小さい白い丸い玉のようなものが窓から飛び散って来た。このバスを見て、その正体が明らかになった。それは乗客の「ゲロ」。窓から幾筋もの「ゲロ」が流れ落ちた痕がついていた。くねくねした道をすごいスピードですっ飛んでいくもんだから、乗客はたまったもんじゃない。そしてその後ろを走行していた僕もたまったもんじゃなかった。

故障車は、木の枝などを使って後続車に注意を呼びかける。車の手前へ置いたり、バンパーへつけたり。結構故障で止まっている車を見かけた。

ネパールトップへ戻る