ツーリング初日。カトマンズからナガルコットへ。途中のバクタプルでバイクを止め、町中を歩いてみた。バイクを降りるとすぐに人が群がってきた。土産売りや、案内するのでガイドとして雇ってくれという売り込みなのだ。最初はNO!と断っていたが、あまりにしつこくて、じっくりと町並みを見られないと思ったので、1人を選ぶことにした。その中で一番年老いた人に、いくらで案内してくれるのかと聞いてみた。「いくらでもいい、案内が終わった時にあんたが決めてくれ。」という話だったので、お願いすることにした。

どんなところを見たいかと聞かれたので、あまり観光客が行かない路地裏などを見せてくれと頼んだ。

この町の印象・・・地震が来たら怖い。

他の町でも、バイクを止めようとしていると、バイクを見張ってやると言ってくる人が結構いた。もし断ったらどうなるか?かえって盗難の危険性が高くなると思う。するとバイクから離れられなくなる。結局何も見ることができず、立ち去るしかないのだ。それではネパールまで来た意味がない。少しばかりのお金を出してバイクを見張ってもらった方が賢明ではないか。以後バイクや荷物が心配なところでは、近くの露天の店の人に少しお金を渡してバイクの監視をお願いした。

町中で声をかけてくるやつなんて、どうせうさんくさいやつだろうと思っていたが、そうではなかった、彼らはお金儲けのために一生懸命がんばるのである。彼の英語はとても聞きづらかったが、とても丁寧に説明してくれた。連れて行ってもらったところもおもしろかった。

バイクに戻ると、1人の青年が立っていた。「とても不用心なので、1時間もここにたって僕が監視していたんだ。お金が欲しいんだけど」頼んでもないのに何と虫のいい話だと思った。これにどう対応しようかと考えていると、さっきのガイドが、「このあたりの男は仕事がなくて困っているんだ。彼はきちんと仕事をしたんだから、少しでいいからあげてくれないか。」というので、あえて逆らわずに5円ぐらいだったか、渡すことにした。

これを読んで、愚かな日本人が相手のいいようにカモられたと思った人もいるかもしれない。でも僕はこれは盗難対策としてはとても有効だと思った。ほんの少しばかりのお金でバイクや荷物の盗難から守ってくれるのである。

バクタプルを出発し、ナガルコットに向かう。ナガルコットはカトマンズ盆地の中でもヒマラヤの眺望が一番という観光地である。安くもなく、高くもない宿を探し、散歩に出る。学校帰りの子どもたちが道を行く。すぐに仲良くなってしまって、家に遊びに来ないかと誘われた。家はすぐそこだとは言ったが、30分ぐらいの道のりだった。お父ちゃん、牛と記念写真。

母ちゃんがお茶を沸かしてくれたが、煙突もない家の中で火を使うものだから、家の中は・・・。あまりの煙たさに、家の中にはいられなかった。

写真を送ろうと、住所を書いてもらったが、本当にこの住所で着くのか?というような簡単な住所だった。実際に写真が届いたかどうかはわからない。

お礼にポケットに入れていた飴(味覚糖の特濃ミルク)とホッカイロを渡し、宿へ帰った。

カトマンズからナガルコットへ

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