日程 1994年12月27日〜1995年1月4日
バイク BMW R80
レンタルバイク店 AUSTRALIAN MOTORCYCLE TOURS
取り扱い代理店 OFFICE FOREST
DAY 1 SYDNEY TO NAROOMA (343km)
DAY 2 NAROOMA TO COROWA (561km)
DAY 3 COROWA TO MILDURA (570km)
DAY 4 MILDURA TO PORT AUGUSTA (568km)
DAY 5 PORT AUGUSTA TO COOPER PEDY (539km)
DAY 6 COOPER PEDY TO AYERS ROCK (726km)
DAY 7,8, AYERS ROCK (STAY)
DAY 9 AYERS ROCK TO ALICE SPRINGS (441km)
DAY 10 ALICE SPRINGS TO SYDNEY (FLIGHT)バイクはALICE SPRINGSで返却
           Uluru National Park
そして、ついに着いた。ここが最終目的地。
BMWに乗ったドイツ人がいた。彼の乗っていたバイクは、偶然にも僕と同じシドニーのバイク屋で借りたものだった。そしてキャンプ場で3日間隣人としてお付き合いをさせていただいた。ここで会うのは日本人とドイツ人ばかりであった。

3段目の1枚目に写っているのは走行中の僕。「あしぃ〜もとにぃ〜、からみ〜つく〜」ルパン3世のエンディングの唄をイメージしながらシャッターを押した。

そして僕はオーストラリアにはまってしまい、このあと飽きもせず、2度も訪れることになる。

Australia 2につづく・・・。
はじめての海外旅行だった。飛行機は国内線すら乗ったことがない。電車等に乗るのが苦手で、大阪の地下鉄でさえパニックを起こしてしまう僕が、香港で飛行機を乗り継いで行くというとても寒い寒い旅だった。無事シドニーへたどり着けるのだろうか?出発まで職場の人にくどいほど空港での手続きや乗り継ぎの手順を聞きまくり、イメージトレーニングをし、旅立ったのであった。

香港での乗り継ぎで多少手間取りはしたが、乗り間違えることもなく、墜落することもなく、無事にシドニーへ着いた。そして、英会話ブック通りの会話を何とかこなし、難なく入国を許可された。そしてやれやれという思いでターンテーブルのところで預けた荷物を待っていた。しかし、僕の荷物はなかなか出てこなかった。たまに預けた荷物が行方不明になることがあるということを聞いていたので、少し苛立ち始めた頃だった。警備員が無線で何かを話しながら僕の方へやってきた。そして、微笑みながらも、ぼくをじろじろとみわたし、あくまでも明るい口調でパスポートの提示を求めた。たくさんの旅行客がいるのになぜ僕だけなのか?そして、入国審査のような質問が繰り返されたのだった。僕にやましいところは無いので、「何でも聞いてくれ!!」という感じで対応していたのだが、彼は次に肩にかけていたヘルメットを入れた袋を指さした。

「ところで、それはなんだ?」
「こ、これは、あの、ヘルメットです。」
「ちょっと見せてもらってもいいかね」

実はヘルメットの中に、カバンに入りきらなかったものを詰め込んでいた。それを怪しいと見て、警戒レベルが1ランク上がったようだった。
これは疑われていると焦りながら中身を広げ、「だ、だんな、怪しいもんじゃあごぜぇませんだ。こ、これは、日本ではカッパと呼ばれていて、雨の日にとても役に立つものですだ。」と無我夢中で言い訳?し、そして、結局、何も怪しいものが出てこなかったので、めでたく無罪放免ということになった。

多分はじめての海外旅行でそわそわしていたのと、ヘルメットが見た目以上に重そうで怪しく見えたのだと思う。また、香港人の中に1人だけ雰囲気の違う人間が混じっていたことも原因だったのかも・・・。まだツーリングが始まってもいないのに、へとへとに疲れてしまった。

ヘルメットに入っていたものが国家の安全保障を脅かすものではないということがわかってから、その警備員はとても親切なおじさんに変身した。まるで、僕のツーリングに興味を持っていたから話しかけたのだと言わんばかりだった。僕の気分を害したのではという気遣いが感じられたので、そんなに悪い気がしなかった。
          Cooper Pedy 地底人の町
ここはオパールが採れる町。町中いたるところに穴が開いている。夜、酒に酔って歩いていると危険だ。穴に落ちる人が実際結構いるらしい。家は地中にある。砂漠の中の町で昼間はかなり暑くなるが、中にいると結構涼しく過ごせる。エアコンは不要。2枚目は僕が泊まったホテル。確か500円ぐらいだったけど、岩をくりぬいた空間にたくさんベッドを置いてあるだけで、地下牢に入れられた罪人の気分を味わうことができた。
                 トラック
この道は制限速度110km。1枚目のような風の抵抗が大きいトラックとすれ違う時が一番怖い。時速110km(実際は130kmぐらい)のバイクとトラックが、たった1本のセンターライン越しにすれ違うのだから、その時の風圧は、恐怖である。気を抜いていると、ヘルメットにかかる猛烈な風圧で、鞭打ちになりそうだった。また、しっかりハンドルを握ってなかったら、バイクから振り落とされそうになる。1度恐怖体験をしてからは、きちんと減速し、体を伏せてやり過ごすようにした。
2枚目はロードトレインと呼ばれている3両編成のトラック。こいつを追い越す時は要注意。なかなか抜ききれないので、対向車が・・・。
                  オアシス
そんな砂漠のルートだが、ところどころに木陰があって、涼めるようになっている。空気が極端に乾燥しているので、木陰は結構涼しい。そして、ドラム缶の中に緊急用の水が入っていた。
              Stuart Highway
Port Augustaから内陸へ向かう道。砂漠の中を突っ走る。Stuartとは確かイギリス?の探検家の名前だったと思う。この大陸が発見されたあと、彼は内陸への探検隊を編成し出発した。しかし、あまりの暑さと水不足のため、遭難し、多くが生きて帰らなかった。そして、この道は彼が通ったルートであると何かの本に書いていたような・・・。何しろ8年前のことなので記憶が大変曖昧で申し訳ない。

シドニーのバイク屋の兄ちゃんのアドバイス
「@とにかく朝早くPort Augustaを出発すること。そして、猛烈に暑くなる昼過ぎまでには必ず泊まるところをさがしておくこと。もちろんそんなところでキャンプしようなどと考えてはいけない。A絶対に夜に走ってはいけない。ヘッドライトの光に反応してカンガルーが飛び出してくる。そいつらにぶつかるとバイクは大破、君も無事ではいられない。B550Km先のCooper Pedyまで水とガソリンを補給できるところは1箇所しかない。もしそこに立ち寄らずに通り過ぎてしまったら、ガス欠で遭難するぞ(かなり大げさだ)。C飲み水をたくさんバックにつめておくことを忘れるな。」ということであったが、@を最優先したかったので、Aの忠告を軽んじ、朝まだ暗いうちに出発する。暗闇の中を走っていると、彼の言っていた通り、さまざまな動物が前を横切るので、時速40kmでのスロー走行に徹するしかなかった。

2枚目の写真に写っている自転車は日本のチャリダー。朝7時ぐらいだった。車に轢かれたカンガルーの写真を撮っているところへたまたま通りかかったのだった。昼間の暑さを避け、夜間に移動するらしい。日本のチャリダーは偉大だ。550kmの砂漠の区間を自分の足だけで走破するのだから・・・。地元の人はクレイジーだと言っていた。この砂漠の中を自転車で縦断するヤツがいるのだから、バイクで走破しても何の自慢にもならんなと思いながら、ひたすら真っ直ぐな道を走り出す。
とにかく真っ直ぐで、爽快だった。しかし、やはりすごく暑かった。昼過ぎになると、全身にドライヤーの熱風を浴び続けているような感じで、長袖なしでは走行不能だと思った。

            赤い大陸
内陸へと向かう。真っ赤な大地が広がっていた。

          山火事
道沿いに未知の標識が・・・。「本日の山火事確率」みたいなものらしい。そして、山火事を発見!通りがかった人に「山火事だ!」というと、「そうね。」というそっけない答えが返ってきた。住宅地に影響ないところだし、よくあることなのであまり騒がないらしい。日本なら消防団緊急招集。婦人会のお母さんたちは炊き出しで大騒ぎになるはずだ。4枚目の写真だが、木の幹が全て焦げている。火事で燃えてもオーストラリアの木はたくましく生きている。

           眠い!
 シドニーを離れて3日目。北海道の美瑛のような景色が広がっていた。感動した。しかしこれが1日中続くとさすがに眠くなる。そして、こんな看板が・・・(4枚目)。

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カメラ・・・MINOLTA X700  レンズ・・・タムロン28-200mm F/3.8-5.6 Aspherical

バイクレンタルについて

何もかも初めてだったので、「Office Forest」さんに全てをお任せしました。手続きで自分がしなければならないことは、国際免許証を免許センターで発行してもらうことだけでした。保険等も現地のバイク屋さんがすべて手続きしてくれます。ヘルメットやバッグのレンタルもOKでしたが、僕は自分で持参しました。
バイクレンタル料金 A$2030 (A$1=77円1994年当時)
総走行距離 約4000km
Map
旅のデータ

Australia 1

       フルーツインスペクション
道沿いに見慣れぬ標識が・・・。何だろうと思っているうちに、検問所があった。「バックの中身は?君はフルーツを持っているか?」「キャンプ道具等です。たまねぎとジャガイモを持っているが・・・。」「一応カバンの中を見せてもらおうか。」幸いオレンジを隠匿していなかったので無罪放免。ここから先はオレンジの産地なのだ。ここで害虫が入ってくるのを防いでいるらしい。道沿いにあった標識は、オレンジを持っていたら、ここで食べてしまうか捨てなさいというものだった。