当院における授乳状況について

当院では以前より母乳栄養確立のため努力して参りました。
母親教室や外来検診での指導をはじめ、授乳指導のためのDVDの設置、産後の乳腺外来の開設などさまざまな取り組みをしてきました。また、産後の個別指導にも役立つように、授乳に関する研修会への参加などスタッフ教育にも積極的に取り組んでいます。
しかしおっぱいは、皆さんのお顔がそれぞれ違うように皆さんそれぞれに個性があり、母乳栄養確立にむけて状況にあった細やかな指導が必要になります。
当院でもまだまだ十分な成績ではないのですが、今後の目標とするためにも現状をまとめてご報告させていただきます。

表は、昨年1年間の授乳状況をまとめたものです。それぞれ初産婦さん、経産婦さんにつき、退院時、2週間検診時、1ヶ月検診時の授乳状況を確認しました。母乳のみで十分な授乳量がえられている方を母乳のみ、母乳も出てきてはいるがミルクの追加が必要な方を混合栄養、まったく母乳がでないか、お薬などの関係でミルクのみで育児を行っておられる方の3群に分類しました。

1. 初産婦さんより経産婦さんの方が母乳確立の頻度が高い。
初めてのお産では、授乳以外にもはじめてのことばかりで戸惑われることも多いと思いますが、それぞれのペースで取り組んでいってほしいと思います。
くれぐれもあせらない気持ちが大切です。

2. 退院後2週間検診までの間がもっとも母乳栄養の率が上昇しています。
それだけに、出産前からの準備、産後初期の指導、退院後のフォローが重要であると思われます。しかし、2週間検診から1ヶ月検診までの伸びが、初産婦さん、経産婦さんともに少ないのが残念です。今後は、ここも強化を図りたいと思います。ぜひ、母乳外来などをご利用いただき取り組んでいきたいと思います。

3. 当院の成績を一般的な成績と比較してみます。1ヶ月検診時の成績で、母乳栄養が42%、混合栄養が53%、ミルクのみが5%との報告があります。これと比べますと、当院での母乳栄養の比率がいかに高いかをご理解いただけるかと思います。

 

今後も母乳栄養の確立を目指し、皆さんとともに頑張っていきたいと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。


医療法人 慈久会 たかせ産婦人科
高瀬規久也