2011.分娩統計についてのご報告


過去5年間の分娩統計をまとめましたのでご報告いたします。
2000年11月の開院以来、4810件の患者様にお産をしていただきました。
ここ数年、産婦人科医療をとりまく環境にも変化の著しい中、皆様には10年以上の長きにわたりご支持いただき感謝いたしております。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

1. 初産婦さんと経産婦さんの比率は、例年ともに5分5分でした。
経産婦さんの約6割がリピーターの方で、繰り返しお越しいただいている患者様が多いことに改めて感謝しております。

2. 分娩様式では、多くは自然分娩をしていただいておりますが、10-16%には帝王切開が必要でした。胎児異常や怒責不良などで行われる吸引分娩につい ては、昨年のみ10%を越えましたが、それまでは5-6%程度でした。
安全なお産のためには、今後も必要性を見極めて対応していきたいと思います。

3. 帝王切開となった理由については、前回帝王切開の方がもっとも多く約40-50%を占めています。骨盤位(逆子)や、赤ちゃんの大きさとお母さんの骨盤がお産に適さない児頭骨盤不適合は、例年20-30%程度でした。ここ2年間は、胎児機能不全といってお産の途中で赤ちゃんの具合が悪くなって緊急で帝王切開になる例は一例もありませんでした。分娩管理体制の強化が功を奏したものと思われます。

4. 帝王切開を減らすために、またご希望にお答えするために、VBAC(前回帝王切開後の自然分娩)も選択枝のひとつと考えております。
例年、数名ではありますがVBACされています。不成功に終わった患者様は、異常があったわけではなく、予定日を過ぎても陣痛が始まらず、結果帝王切開とさせていただきました。

5. 陣痛については、一般的には自然の陣痛を待機しお産をしていただいておりますが、一部に陣痛促進が必要でした。その使用理由としては、陣痛が開始したにもかかわらず陣痛が弱いためにお産が進行しない場合(微弱陣痛)がもっと多く、ついで妊娠41週以降の予定日超過の方、破水後に陣痛のおこらない方の順でした。陣痛促進剤も正しく使用すれば安全なお薬ですので、今後も必要に応じて選択していくことになります。

6. 出生児の性別は、例年男の方が多かったのですが、昨年は男女比が1:1でした。



医療法人 慈久会 たかせ産婦人科
高瀬規久也


2011年4月22日