国立のぞみの園とは
昭和46年、全国の心身障害者やその関係者が障害者の町村(コロニー)ともいうべき総合施設を要望し、国家プロジェクトで開設されたのが特殊法人心身障害者福祉協会国立コロニーのぞみの園です。従って入所者も全国から集まり、この国立コロニーで生活しております。平成15年10月1日より独立行政法人国立のぞみの園と改称されました。場所は高崎駅から車で約15分、高崎市のシンボル観音様すぐ裏、そして緑の公園と市民から親しまれている通称観音山丘陵にあります。
国立のぞみの園は、当初より入所者と職員が地域社会から隔離されて生活する共同体ではなく、地域社会に向かって開き、社会連帯の理念に基づき障害者が差別なく社会参加できる拠点となるよう配慮されたものであります。従って、入所者一人ひとりが人間として尊重されその自己実現が保障され、毎日の生活に真の楽しみと生き甲斐を感ずることのできる所であり、一般社会とも融合した生活の場でもあります。
’81年国際障害者年の「完全参加と平等」が契機となり、社会参加においてはどんなに障害が重くとも、その個人の能力の持てる最大の範囲で、目標を持って積極的に地域社会の各種行事に参加するほか、外出や社会経験を重ねています。(地域、施設内ノーマライゼーションの実施)
一方で、入所者の障害程度が予想以上に重度化したり、高齢化によってほとんどの入所者が長期にわたって滞留せざるを得ないなど課題もあります。さらにガンなど特殊な病気に罹患する人も多く、医療と看護の必要性も明らかになっています。
定員はもともと524人でしたが、厚労省の直轄特殊法人ということで、政府の行財政改革=合理化計画によって徐々に減り、さらに2年前より新規入所を受け付けておらず、現在500人を切っています。
入所者の平均年齢は53歳(最高齢者80歳)、知能程度は測定不能35%、20以下33%、20〜35、24%で、そのほとんどが身辺自立できておりません。言い換えれば食事、排泄、着脱衣、コミュニケーション等といった日常生活を営む上で必要なことができないという方がほとんどです。その上、肢体不自由、重複障害、行動障害、慢性疾患も併せ持つというまさに、重度・最重度の障害者が中心です。
こういう人達が生活する場ですから、園内には診療所(一般外来診療も実施)、居住棟、作業棟、ゲストハウス(誰でも利用できる宿泊施設)、治療訓練部(心理外来)、企画研究部、総務部などから成り立ち、様々な面から、様々なスタッフが入所者の生活の向上を目指しています。最近では高崎市周辺の在宅知的障害者のためのショートステイ、デイサービスも併せて実施しています。