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季節の詩

セッケイカワゲラとの出会い(2019/1/21)

セッケイカワゲラ

 体長1センチほどの黒い昆虫が雪の上をキコキコ、6本足を動かして必死に上って行く。1月の登別・亀田霊園入口あたりで遭遇した。冬季、羽虫は見かけることはあったが、雪上を歩く虫を見たのは生涯で、これが初めてだ。驚いた、そしてしばらく、後を付いて行った。
 某山の神に聞いてみると「セッケイカワゲラ」だという。ここはネットにお助けを求め、調べると、活動するのはマイナス10度からプラス10度の範囲内。体温が20度ぐらいに上昇すると死んでしまうというから不思議だ。
 春に生まれた幼虫は夏場、川底で秋まで眠り、雪が積もる12月くらいから上陸。産卵のために川上の産まれた場所を目指すという。鮭に似た生態。脇目もふらず、故郷を目指すその姿に、感動、また感動でした。

かまくらと雪だるま(2019/1/6)

カマクラ

 近くの公園に登場した冬の風物詩かまくらと雪だるま、らしい白いオブジェ。冬場に時々通るが、こうした雪遊びの造形物をここで見るのは初めてだ。
 「こんなに雪があるのに、周辺の子どもたちは、どうして雪だるまなんか造らないのだろう」とは、東南アジアから訪れた旅行家族の一言。札幌だけが雪まつりのメッカではないでしょう、と言われれば、その通~り。
 昔ほど、この登別に雪は積もらなくなった気はするが、50年前、地元の中学校で催されたクラス対抗の雪を使ったオブジェ・コンクールを思い出す。今の子どもたちは冬休み中、暖房のきいた部屋でスマホ・ゲームやラインに夢中なのだろうか。
 沖縄の学校経営に携わる知人が「北海道から、雪をコンテナで運んで、子どもたちに雪合戦をやらせたい」と夢を語っていたのを思い出す。もう35年前の話だが、金さえあれば・・・。

桂木楓の門(2018/12/21)

桂木楓の門

 左側に高さ20メートル前後の桂の木、右のやや手前に一段背丈が低い楓の木が、対をなす門柱のように空を見上げている。
 ここは登別市富岸町の亀田霊園入り口。散歩で通るうちに、いつしか「桂木楓の門」と勝手に名付けた。春夏秋冬、墓参りだけでなく、ジョキングする若者や、散歩する夫婦などを見守ってきた。根元に立って、つい両方の木に「御歳、何歳ですか」と問い掛けたくなる。
 今年の1月か、2月だったか。リュックサックに小さめのスコップを入れ、この雪の坂道を一歩、一歩上っていく老婦人の姿があった。おそらく、たどり着いたご先祖様の墓の周りの雪をかき出し、線香を手向けるのだろう。何とも得難い、この場所ならではの、冬の風物詩といえようか。
 そこで一句。スコップ背に 深雪踏み越え 墓参り

わが輩は柿の木である(2018/12/14)

柿の木

 わが輩は柿の木である。北海道は登別の民家の、日当たりの良い庭先で育って20年余。今年も100個近い実をつけたが、主人が無精者で間引きも栄養もくれないものだから、小ぶりなものしかならなかった。
 加えて、品種も不明だ。もう冬。この雪で綿帽子をかぶっているやつもいるが、運のいいやつは干し柿用に摘まれて、粗末な骨組み小屋に吊されおる。甘くなるのか、シブ柿のままで終わるのか、見ものだ。
 今から130年前の明治20年代、登別の片倉町に開拓に入った片倉景光の家の周りには、リンゴや梨、桃や梅、ブドウやサクランボがなっていたと長女のコウが座談会で語っていた。登別で柿がなるのも、決して珍しい話ではない。