BBSカウンターキリ番「5000」リクエスト:For 祥さま
お題:仙道×三井で大学生編
す、すみません。
長い間お待たせしたうえに、この程度とは…。
なんかありがち?
超、女々しい二人になってしまいました。
乙女かよ…。
告白
<仙道>
まさか、自分がこんなに一人の人間に嵌るとは思ってもいなかった。
しかも、相手は一つ上の部活の先輩だ。
もちろん性別は男。
男もいけるなんて、考えたこともなかったのに。
気になって仕方がない。
冷静に考えたら、あんな俺様体質のくせに、妙に甘えん坊な年上の男に入れ揚げるなんて信じられないのに。
でも、気がついたら目で追っている。
嬉しそうに笑う笑顔から目が離せない。
声をかけられたら、胸がドキドキして、どうしようもなくなる。
そう、抱きしめて、キスして、それから…。
なんてことだ。
俺ってば本気で男とやる気だよ。
そもそも、俺が、あの人に嵌ったのは、ふとした仕草からだった。
大学は、スカウトのあった所じゃなく、自力で受けた。
やりたい学部のある大学からスカウトがこなかったのが原因なんだけど…。
そこの大学のバスケ部に、あの人はいた。
あの人は俺が二年の時、インターハイ予選で惜敗した湘北高校の三年だった。
その試合では、途中で貧血か何かでぶっ倒れてしまったので、憶えていた。
国体の神奈川選抜では、一緒のチームになった。
でも、あんまり話とかはしなかった。
あの人は、同じ学年のメンバーや湘北の後輩達といつも一緒だったから。
バスケ部に入部して、体育館に行ったらあの人がいた。
ちょっと俺を見て、びっくりしたような顔をしたのが、可愛らしいと思ったんだけど、あの人の後輩でいるのは、なかなか骨が折れることだった。
なんたって、俺様な人だから。
俺達一年は、先輩に尽くして当然な体育会系な部の中だったうえに、あの性格。
俺達を、いつも顎で使うわけだから、少し、敬遠していたんだよ本当は。
それが、なぜか、あの人のふとした仕草が気になってしまったんだ。
普段は傲岸不遜で、俺様な態度をとるくせに、練習の始めにバスケのボールを持った瞬間に、いつも祈るような仕草をするんだ。
そして、黙々とシュート練習を始めて、縋るような目でゴールポストを見つめる時がある。
皆と合流して練習する頃には、そんな気配もなくなるんだけど…。
何故か、それが気になって、つい、見つめてしまっていた。
なんで、あんなに普段とギャップがあるんだろうって…。
あんまり気になったから、つい聞いてみたら、あの人、真っ赤になっちゃって…。
見るな聞くなって無茶苦茶なこと言うんだもの。
それが、可愛いって思っちゃったらもう完全に嵌ってたんだよね。
<三井>
仙道に、また見られている。
あいつに見られるのは、嫌だ。
なんだか、俺の心の中まで見透かされるようで、恥ずかしい。
なんで、俺ばっかり見るんだって聞けば、しらっと、俺が好きだからといいやがった。
俺は男なんてノーサンキューだっていってやったら、俺もそうだったんですだとさ。
そもそも、何で仙道が、こんな大学にくるんだよ。
おれは、まぁ、スカウトがここしかこなかったみてーで、安西先生に、ここにいきなさいって言われたから、ここにはいったんだけどよ。
あいつなら、スカウト選び放題じゃんか。
きっと、うちみたいな弱小バスケ部しかない大学じゃなくてもよかっただろうに。
入部したやつらの中にあいつが入ってたんでびっくりしたもんな。
最初はそうでもなかったんだ。
いつからか、見られてるのに気がついたんだ。
それからは、あいつの視線が気になり始めた…。
今日もまた、気がついたら俺を見てやがる。
まったく…。
勘弁して欲しいぜ。
その上、俺に聞いてきやがった。
俺がいつも、バスケのボールに祈る仕草をしてるのは何でだって。
時々泣きそうな顔でゴールポストを見てるときがあるって…。
いつも祈ってる。
今日も無事にバスケをできますようにって。
怪我なんかせずに、思い切りバスケができますようにって…。
ゴールポストを泣きそうな顔でみているなんて、気がつかなかった。
そんなの気のせいだと思うけど…でも見られてるのはなんだか恥ずかしい。
あいつに聞かれて、焦って見るな聞くなって喚いちまった。
あー恥ずかしかった。
それ以来、あいつはずっと俺を見ている。
黙って、なんだか嬉しそうな顔で、じっと俺を見ている。
たまに目が合うと、パァーっと明るく笑い顔をかえしてくる。
そうなると、俺は、あわてて目を逸らしちまうんだ。
だって、心臓が、急にばくばくしちまうんだ。
俺、一体どうしたんだろう?
<仙道>
最近、三井さんと目が合うと、あの人は急に真っ赤になって目を逸らす。
俺を意識してくれてるのかな?
それなら嬉しいな。
俺のこと考えてくれてるなら、すごく嬉しい。
そろそろ次にステップに進んでもいいのかな?
あの、真っ赤になった時の頼りなさげな表情がいい。
普段の姿は、なんだか虚勢を張ってるように見えて仕方がない。
あの、頼りなさげな姿が、三井さんの本質なんじゃないかな。
あぁ、もう三井さんに完全に参っちゃってる。
とうとう真剣に告ってみた。
あの人は、真っ赤になって、泣きそうな顔をした。
<三井>
あいつが、普段のへらへらした顔じゃなくって、バスケやる時のようにくそ真面目な顔で、俺が好きだと告ってきた。
んなこといわれてもよ…。
俺は男だし…。
でも、何か、スンげー嬉しくって体中ドキドキだ。
仙道、本気なんだろうか。
俺をからかってるだけだったらどうしよう…。
そう思うと逃げたくなってきた。
<仙道>
三井さんが泣きそうな顔で、からかうなって言った。
信じてもらえないのかな。
本気なのに。
本気で好きだって、抱きしめて、キスしたいって言った。
ちょっとびくついている三井さんの手を取る。
そっと三井さんの手を、俺の胸に持ってきた。
このドキドキしてる胸の鼓動をわかってくださいって。
三井さんの前に跪いて三井さんの手の甲にそっとキスをした。
愛してますって言った。
考えたら俺って、本気で人を口説いたことなかったんだ。
だから、自分の気持ちを相手に伝える方法がわかんないんだ。
三井さん、お願いだから俺の本気をわかってって祈るような気持ちだった。
<三井>
本気なのかな?
俺、あんまり人に告られたことねーから、よくわかんねー。
でも、俺、仙道に好きって言われるのはどうやら嬉しいみたいだ。
俺も、仙道のこと、いつのまにか好きになってたのかな。
あいつが手の甲にキスしてきても、気持ち悪いって思わなかった。
男なのに、嬉しいって思っちまった。
だから、わかったって言っちまった。
からかわれてたなら、もう立ち直れねーけど…。
<仙道>
三井さんが、わかったって言ってくれた。
それから、嬉しいって言ってくれた。
どうしよう
俺、あんまり嬉しくって泣きそうになっちゃった。
あぁ、俺、本当に、三井さんが好きだったんだ。
三井さんをぎゅって抱きしめて、何度も好きだって言った。
三井さんはわかったって言って俺の背中をぽんぽんって叩いてくれた。
<三井>
仙道に抱きしめられるのが、こんなに嬉しいって思わなかった。
俺、どうしちまったんだろう。
女みてーだよな。
でも、仕方ねーか。
俺がこうされるのが嬉しいんだもんな。
こうなったら、とことん仙道に付き合ってやるさ。
俺の幸せのためにも…。