HPカウンターキリ番「4414」リクエスト:For Ryoさま
お題:仙×三で、仙道が流川と浮気しているのではないかと心配する三井。でも最後は誤解が解けてラブラブ(*^o^*)。
裏タイトルは某ドラマと同じだったりして(笑)
後、1回で完結する深夜帯のドラマです。あまりの作り方に、内輪で大受けなこの大人の恋愛ドラマ。
でも、今回のキリリクと内容はぜんぜん違うです。どっちかっていうとミッチー一人芝居?(笑)
Ryoさま、お待たせした割に、こんなので申し訳ありませんでした(汗)
イブイブ
「三井さーん」
冬休み1日目。
仙道と待ち合わせをした。
仙道は、俺のイッコ下の学年で、今年、俺の大学に入ってきた。
今は、うちのバスケ部の後輩になっている。
元は、神奈川のライバル校の陵南高校出身だ。
国体選抜で、同室になってから、仲良くなった。
んー、まぁ、その…、お付き合いしてるわけだ。
そう、俺と、仙道は。
イワユル、恋人って奴。
仙道は、事あるごとに、俺に愛してるとか囁くんだけど、俺は、そんなに簡単に言うことできねーんだよな。
だって、恥ずかしいだろ。
俺ってシャイだからさ。
で、今日は、待ち合わせて、ウインターカップに行くんだ。
俺の母校湘北が、出てるんだ。
桜木と流川がまだ引退しねーで、頑張ってるんだよな。
あいつ等、進学とか決まったのかな?
「三井さん、何考えてます?」
「んあ?いや、別に」
「そうですか、俺は、三井さんとこうやってデートできて嬉しいです」
「デートって…。試合見に行くだけじゃんよ」
「二人きりで出かけて、二人で試合見て、後でご飯とか食べて、これってデートでしょ?」
「そ、そうなのか?」
「そうですって!」
嬉しそうに、仙道が俺の腰を抱こうとする。
「や、やめろよ!人前でべたべたすんなよ!」
なんで、いっつも人前で、こうやってくっついてくるんだよ、こいつは。
あ、こいつ、また香水振ってきてる。
いつものやつだ。
なんて、名前だったっけ…。
俺よくしらねーんだよな、香水の名前とかさ。
でも、こいつの使ってるやつは、ふんわり甘くって、嫌いじゃない。
一晩一緒にいたりすると、こいつの香水が俺にも移るんだよな。
そうなると、家に帰っても仙道が傍にいるようで、なんだか安心するって感じがする。
まぁ、仙道にはそんなこと、一言もいわねーけどな。
そんなこと言ったら、仙道が調子に乗っちまうから内緒だ。
仙道を引き剥がしながら、体育館に向かうと、ちょうど控え室に湘北の連中が入っていた。
「ミッチー!」
「桜木!流川も元気そうだな」
よかった。
どうやらこいつら調子がよさそうだ。
抱きついてくる桜木には閉口しちまうけど、安心したぜ。
仙道が、俺を桜木と流川から引き剥がす。
そうなると、また桜木達が俺を裏切り者扱いするんで困るんだ。
俺にとっちゃ、仙道も桜木も流川も後輩なんだけど。
仙道は、後輩だけじゃねーんだけどさ。
いつも、桜木や流川が抱きつくのを見て、仙道は機嫌悪くなるんだよな。
先輩後輩のじゃれあいなんだけどなぁ。
嫉妬深いぞ仙道。
安西先生も、お元気そうで何よりだ。
いつも、暖かく俺を迎えてくださる。
桜木達を激励に行くっていうより、安西先生にお会いできる方が嬉しかったりするんだよな。
でもそれは、桜木達にも、仙道にも内緒だ。
「ミッチー。今日は、ゆっくり見ていくんだろ?」
「ん?お前等の試合は最後まで見ていくぞ」
「じゃ、あとで、また来るよな」
「あぁ、あとでな。じゃ、お前等頑張れよ」
控え室から、観客席に移り、あいつらの試合を見る。
試合は、湘北の圧勝で終わった。
この調子だと優勝まで一気にいっちまいそうだ。
帰りにもう一度、桜木達に声をかけてから、仙道と帰る。
夕飯食って、仙道が、家に寄って行くって言うから、頭をはたいて追い返した。
だってよ、明日は今年最後の練習だし、気を抜けねーだろ。
仙道が家に寄っちまうと、その、まぁ、俺に負担がかかっちまって、次の日は練習に身がはいんねーからな。
やっぱり、俺は、バスケ中心主義だからさ。
バスケできる間は、バスケが第一なんだ。
でも、仙道と一緒にいるのは、嫌いじゃねーんだぜ。
仙道には言った事ねーけどな。
言うと、あいつ、調子に乗って、もっといちゃいちゃするに決まってんだ。
だから、これも内緒。
仙道と付き合っていて、なんか内緒ごとがいっぱい増えちまった。
次の日。
今年の練習納めの日。
なんか、仙道が遅刻してきやがった。
昨日せっかく早く帰したってのに、なにやってたんだか。
ったく、もう…。
先輩方が睨んでるぞ。
俺にもとばっちりくッから、遅刻はやめろって。
「三井さん」
「何やってたんだよ。こんな日に限って遅刻しやがって」
「はぁ、ちょっと野暮用で」
「ったく…。ちゃんと謝っとけよ」
「はい」
俺の前を、仙道が通り過ぎて、先輩方に謝りに行く。
あれ?
仙道の香水が?
いつもの甘い香りがするんだけど、なんか、もう一つ…。
この、結構さわやか系の香りって、どっかで…。
そうだ、流川の使ってるやつに似てる。
なんだ?
流川と会ってたのか?
何で移り香なんかさせてるんだ?
まさかね。
浮気?
ば、馬鹿なこと考えちまった。
んなわけないよな。
でも…。
なんで?
「仙道、ちょっと」
練習のあと、仙道に声をかけた。
「?どうしました?三井さん」
「お前誰かと会ってたのか?」
「え?」
「誰と会ってたんだよ?」
「三井さん…?」
なんか、隠してるみてーに、口篭もってるぞ。
まさか…。
「流川にあったこと隠したいなら、それでいい」
「み、三井さん!」
当たりだ。
仙道が、何で気が付いたんだみたいな顔をして驚いている。
頭にきたから、仙道の腕を振り切って、家に帰ることにした。
「三井さん!?どうしたんです?」
仙道が後ろをついてくるけど、無視してやった。
もしかして、仙道のやつ、流川と俺の二股かけてるなんてことはねーだろうな。
そういえば、流川のやつ、昔から仙道にだけは突っかかっていくんだよな。
もしかしてずっと続いてんのか?
あ、なんか、考えたら、泣きそーになってきた。
「三井さん、待ってください!」
家の前まで、仙道がついてくる。
「なんだよ!俺はもう用がねーよ!」
「俺があるんです!三井さん、何で怒ってるんですか?俺、なんか気に触ることしました?」
ちゃっかり、俺のあとに家に滑り込んできて、仙道が俺を抱きしめようとする。
ふわっと、仙道と流川の香りがする。
「流川の香りさせて、俺に触るな!」
「三井さん…」
仙道が驚いている。
俯いた俺の頬を、仙道が指でなぞる。
涙を拭いてるのか?
泣いちまってるみたいだ。
やだな、嫉妬で泣き出すみてーじゃねーか。
仙道の手を振り払おうとしたら、今度こそ抱きしめられた。
くそ、仙道の馬鹿力で、俺は身動きとれねーじゃないか。
「三井さん…。もしかして、嫉妬してくれてるの?」
「だ、だれが!」
「じゃぁ、なんで泣いてるの?」
「…!」
仙道が嬉しそうに、俺の涙を唇でふき取る。
くそっ。
なんか悔しい。
俺ばっかり、焼餅焼きみたいだろ。
いつもは、仙道のほうが、俺に桜木達や、牧や藤真たちとつるんでると焼餅焼くのに…。
でも、このまま、仙道が、流川とくっついたら、俺どうなるんだろう。
「ねぇ、三井さん。確かに、俺、今日流川と会ってました」
あ、やっぱり…。
ぶわっと、涙が出てきちまった。
「あぁ、三井さん、そんなに泣かないで…。確かに、流川に会いましたけど、そんな浮いた話じゃなかったんです。あいつ、時々俺にバスケの挑戦状突きつけてくるんですよ。今朝も、通学途中に待ち伏せされちゃってたんです。今、ウインターカップで、東京に毎日きてるでしょ。だから、ちょうどよかったって。今朝、試合前のウオーミングアップだって言って、1ON1しろって煩くて。仕方ないから小一時間ほど相手したんですよ」
「そ、それでなんで…」
「移り香ですね。それは、公園のベンチに、俺の上着を置いたんですけど、流川があいつの上着をその上にバサッと乗せちゃったんです。小一時間その状態で置いてあったから、どうやら、香りが移っちゃったみたいなんですよ」
なんだ、そんな簡単なことなのか?
「信じてくださいよ。三井さん。俺、三井さん一筋ですから。牧さんや、魚さん、桜木や流川や宮城や湘北の連中から、ようやく三井さんを奪い取ったっていうのに、俺から三井さんを泣かせるようなことは絶対しません」
「何で、そこに牧や魚住や宮城達の名前が出て来るんだ?」
「それは、みんな、三井さんを狙ってたからです」
「え?うそ」
「嘘じゃないです!流川なんて、流川が、俺とのバスケに勝ったら三井さんと付き合うのをやめろって、毎回脅しかけてくるんですから、こっちは必死なんですからね。牧さんだって、事あるごとに、三井さんを食事に誘ったりするし、俺は気が気じゃないんです」
なんか初耳だ。
あいつ等が俺を狙ってるって?
まさかそんな。
でも、仙道は珍しく真剣な顔で、俺を見て話すんだ。
俺の前に跪いて、俺の手を取って、手の甲にキスした。
「三井さん、俺、絶対三井さんを幸せにするって、誓いますから。そんな、勘違いでも流川となんて考えないで下さい。俺には、三井さんだけが、大切なんですから。もし、三井さんが、流川とも、いや、他の誰とも口をきくなというなら、仰るとおりにします。だから、信じてください」
なんか、真面目に仙道が、こんな体勢で俺に誓うのって初めてだ。
いつも、抱きついて、ふざけて好きだとか言うから…。
「三井さん?何とか言ってくださいよ、お願いします」
「…わかったよ。別に俺以外の誰とも口きくななんていわねーから…。ただ、俺に嘘はつくなよ」
「もちろんです!三井さんをだますなんて事俺には出来ません!」
跪いた体勢で、俺の胸に仙道が抱き付く。
なんか、安心したら、腹減っちまった。
腹が鳴る。
しまった、ちっともロマンチックじゃねーぞ。
日付が変わったら、イブだっていうのに、俺、食い気の方が勝っちまってる…。
仙道は、立ち上がって、俺にキスして、何か飯作ってくれるって言う。
でも、俺、待ってらんねーから、隣のファミレスに行こうって、仙道を誘った。
で、勘違いした詫びの意味も込めて、今日は、うちに泊まってもいいぞって、あとでこっそり耳打ちしてやるつもりだ。
だって、明日は、クリスマスイブなんだから、恋人と一緒に迎えたいだろ?
なんたって、おおっぴらにはいえねーけど、俺たちラブラブなカップルってやつなんだからさ。