HPカウンターキリ番「2414」リクエスト:For 鷹渡さん
お題:本当は仲良くしたいのに、キッカケが掴めなくて三井の前だと「冷たブリッコ」してしまう牧と、
「ちょっと大人な対応」(笑)のお兄さん的な三井。最終的には、何時もの様なベタ甘な「牧三」。
ということで、キリ番リクエストではじめての牧×三です。お兄さんな三井…。うちの三井ではどうなることやら(笑)
ちょっと、普段と書き方変えてみました…。ど、どうでしょうか?(汗)
すみません…。お待たせしたというのにこんな変わった出来で…
ごめんね…。
三井@
喧嘩した。
理由は、他愛もないことだった。
確か、なんかしゃべってて、誕生日の話になったはずだ。
俺が5月22日生まれ。
そして牧が3月3日生まれ。
ひな祭りだよなって言って、ちょっと笑ったら、いきなり機嫌が悪くなりやがった。
牧があの押し出しの見かけで、ひな祭り生まれだって聞いたら、誰だって笑うとおもわねーか?
機嫌が悪いから、何で怒ってんだって聞いても、ちっとも口きかねーんだ、あいつ。
こっちも頭にきて、あーそうかよ、口きかねーんならこっちもきいてやんねーって言ってやったら、あいつ、プイって出て行って、それっきり帰ってこねー。
それが、3日前だ。
もう、2日顔を見てねー。
部が、ちょうど試験期間にはいって、休みになってたから、逢うことがねーんだ。
ちょうど、今期は講義で重なるものがないんだ。
もともと、あいつが法学で、俺が史学だから、ほとんどかさならねーんだけど…。
あいつ、今、一体どこから通ってんだろう?
牧@
「ジブンら、えーかげんにしいや」
土屋が溜息混じりに俺に声を掛ける。
三井と暮らしていた下宿を出て、今は、土屋の部屋に転がり込んでいる。
そろそろ試験だから、本当は、あまり迷惑掛けたくないんだが、どうにも気まずくて部屋に戻れない。
講義ノートなどは、三井のいない時間に、一旦下宿に戻って、とって来た。
今日で、まる二日三井に逢っていない。
逢わないでおこうと思えば、本当に逢わないでいられるんだと、実感した。
今まで、気がつかなかったが、俺と三井は、自分で努力しない限り、本当に接点が無いんだということに、今更ながらに、気がついた。
「すまん。土屋には迷惑をかけてるとは思っている」
「そう思うんやったら、はよ仲直りしてや。三井もお前も溜息ばっかりで、横におっても陰気でかなんわ」
「三井も、そうなのか?」
「あぁ、今日、食堂で逢うたけど、何話し掛けてもずーっと上の空で溜息ばっかりついとったわ」
「そうか…」
「なんや、気色悪いなぁ。笑ろてんのか?」
土屋が、憮然とこちらを見ている。
三井が気にしてくれているようなので、少し安心した。
これで楽しそうにされていては、立つ瀬が無いだろう?
しかし、どうやって、元に帰ればいいんだろう。
こうやって、日がたつと、どうにも謝りにくい。
いや、こっちが折れる必要は無いはずだ。
傷ついたのは俺なんだから。
誕生日は、昔からトラウマだったんだ。
小さいころから、周りの女の子たちの、ひな祭りにおよばれしたあと、俺の誕生会にきてもらうことになって、何かと忙しい日だったし、そのことで、男子に結構からかわれた。
中学くらいになると、さすがにひな祭りは呼ばれなくなったが、今度はその時々の彼女にくすっと笑われて、結局破局を迎えるのが常だったな。
そういえば、誕生日はいつもフリーだったような気がする。
考えれば、あまり良い目をみていないな。
溜息をついたら、土屋に頭をはたかれた。
三井A
もう5日牧の顔を見てねー。
講義のテキストとかどうしてんだと思って、あいつの部屋覗いたら、テキストやノートがごっそりなくなってた。
俺がいないときに、取りに来たんだ。
それって、本格的に帰ってこねーってことなのか?
土屋や、河田に聞いてみたけど、どっちもしらねーって言うし…。
あいつらは、理系だからもっと、牧と接点ないのかな。
仙道はどうだろう?
でも、牧と仙道は、そんなに仲良くなかったしなぁ…。
一体どこにいったんだろう。
なんか、寂しいじゃねーか…。
気になって、講義も手につかねーし、このまんまだと、試験がアブねー…。
何とかしねーと…。
牧A
三井と逢わなくなって1週間がたった。
本格的にやばい。
土屋の部屋から、昨日河田の部屋に移った。
河田にも散々嫌味を言われている。
三井がどうやら、痩せてきたようだ。
あまり食事をとっていないのか?
困ったことだ。
部活が再開したら、嫌でも逢わねばならないが、それまでにこちらが折れたほうがいいのか?
あまり逃げ回っていて、仙道にでもよろめかれたら大変だ。
なにより、三井の体調が心配だ。
俺が折れなきゃならないか…。
三井B
「牧!」
やっと見つけた。
法科の教室を探そうとして、あいつのとってる講義を知らないことに気がついた。
俺って、注意力たんねーよな。
牧は多分俺の講義みんな知ってるんだろうな。
だから、こうやって避けられるんだ…。
こうなったらやぶれかぶれで、法科の教室を手当たり次第に探して、やっとあいつを見つけた。
なのに、牧は俺を見やがらねー!
なんでだよ!
まだ怒ってんのか?
あいつが教室を出て行く。
追いかけねーと…。
牧B
三井が、やってきた。
久しぶりに、三井を見た。
少し痩せているな。
かわいそうに…。
我ながら、大人気ないが、どうやって仲直りしたらいいものか…。
注目を浴びているようだから、ここはひとまず教室を出たほうがいいか…。
三井C
「待ってくれよ!」
牧が、早足で教室を出て行くのを追っかけて、中庭でやっと追いついた。
腕を掴んで引き止める。
「何で無視すんだよー」
牧はなんにもいわねーで黙ってる。
あ、だめだ、涙出てきた。
「牧ー」
謝んなきゃ。
いっつも俺に甘い牧が、ここまで怒ってんのは、やっぱり俺が悪いんだ…。
「ごめん!牧…。俺が悪かったから…。謝るから。もう、帰ってきてくれよ。こんなの、やだよ。牧ー」
やっと言えた。
ごめんな牧。
牧C
「…。いや、こっちも大人気なかったよ…。すまなかった」
だめだ、三井の涙目には弱いんだ。
三井も謝ってくれたし、こちらも折れるしかないな。
三井が、抱きついてきた。
抱きしめて、キスしようとしたが、しまった!ここは校庭だ。
人目がある。
三井の肩を叩いて、三井に部屋に帰ろうと声をかける。
こくりと頷いた三井の項から肩が少し痩せていたのが胸に来る。
本当に心配かけてしまったようだ。
すまない、三井。
土屋@
「ほう?で、やっと仲直りしたんかいな」
「あぁ、土屋には本当に迷惑かけた。すまなかったな」
学食で、久しぶりにツーショット見たんで声かけたら、牧が謝ってきよった。
なんか、三井はうつむいとるけど、昨日までの三井とちょっとちゃうみたいや。
なんか、色っぽいっちゅうか、なんちゅうか…。
もしかして、昨日仲直りのHしまくっとんたんか?
かーっ!こいつら、ほんまにやっとれんわ。
喧嘩しとったおもたら、もうラブラブにもどっとる。
「へーへー、そうですか。そりゃようございましたな。せやけど、頼むから、今度から痴話げんかはジブンらだけで解決してや。こっちまでとばっちりはかなわんからな…。ほんまに、倦怠期の痴話げんかに巻き込まれたみたいで、こっちがあほみたいやんか」
一応、言うことは言うとかんと…。
まぁ、喧嘩されるよりいちゃいちゃしとるほうが、まだましか。
三井が泣きそうになっとるよりは、こっちの色気垂れ流しの方が、ましっちゅうもんや。
ほんまに夫婦喧嘩は犬もくわんっちゅうけど、振り回されるのんはかなわんな。
しっかり、念押しして、もう、喧嘩はやめといてもらわんと…。
三井D
土屋に散々からかわれた。
牧が、昨日俺につけまくったキスマークを見つけられちまったみたい…。
ったく…。
牧って限度しんねーよな。
ま、仲直りできたし、二度と家出しねーって謝ってくれたし、ま、これでいっか。