HPカウンターキリ番「1014」リクエスト:For ぽよんさん
お題:(花+リョ+牧)+(赤OR鉄)×三…
ということで、キリ番リクエストですが、私にとって、難度が高すぎました。
鉄男のほうが、やや書きやすいかなと…。しかし、玉砕した感がある(泣)
ごめんなさい。今の俺にはこれが精一杯(By.ルパン3世←最近こればっか…)
いつにもまして、間抜けな三井ですみません。
ぽよんさん、後悔なさってませんか?(T_T)
漁夫の利
練習が終わり、部室で着替えている三井に、小柄だが、ちょっと侮れない後輩が、声をかける。
「三井サン!帰りにラーメン食べて帰りましょうや!」
「ふぬっ!リョーちん!俺様も行くぞ!」
横から、大柄な上に態度も大きな赤毛の後輩が口を挟む。
「なんだよ、お前ら…」
三井は、困惑して眉をひそめた。
なんだか知らないが、最近、後輩達が、やたらと自分に構ってくる。
赤木と木暮が夏に引退して、しばらくたつ。季節は秋になった。
国体も神奈川選抜で、全国制覇し、あとは、ウインターカップにむけてのチームつくりの最中だ。
そんな毎日の中で、どうも後輩達が三井に構いすぎてるのではないかと、本人が感じている。
「なんですか?三井サン。まさか、また、誰かと待ち合わせですか?」
「え?いや、別に待ち合わせなんかしてねーけど…。けどよ、お前ら、なんか最近変じゃねぇ?」
「どう変なんですか?」
「い、いや、その…。なんかさ、俺に妙に絡んでこねぇ?」
「え?やだなぁ、気のせいっスよ!気のせい」
「そうだぞ!ミッチー。考えすぎはお肌に悪いぞ!」
「なんだよそれ?俺ゃ、女じゃねぇぞ!」
「言葉のあやですって、三井サン。で、結局ラーメンどうします?」
「あ?うーん…。そうだな、宮城、お前ぇが奢ってくれんならいく」
「な、なんですってー!先輩が、後輩に奢らせるんスか?」
「なんだよ。それじゃ、俺に奢らせる気だったのかよ。ごめんだぞ!宮城だけならともかく、桜木連れてった日にゃ、俺ゃジコハサンしちまうぞ!こんな大喰らいに奢るくれーなら、自分ひとりで、イタメシ食いに行ったほうがましだ!」
「ひ…、ひどいぞ、ミッチー」
「んだよ。てめーら、ずっと俺にたかってるじゃねーか」
着替え終わって、ロッカーを閉じた三井は、愚痴る後輩を残して、部室を出た。
別に、約束はないのだが、出来たら、早く帰ってテレビを見たい。
今日は三井の好きな、「開運○んでも○定団」があるのだ。
一応、ビデオに録ってはいるが、臨場感はやはりオンタイムで見なければ、やってこないと、三井は思っていた。(まぁ、収録番組なので、臨場感等は気のせいなのだが…)
校門までやってくると、門の前に男が立っていた。
近づくとなんだか知っているような気がする。
「よう!三井」
「ま、牧?」
「近くまで来たんで、どうしてるかと思ってな」
「どうって、べつに…。ウインターカップの練習してるだけなんだけど…」
「どうだ?飯食いに行かないか?実は、今日は、家族が留守で夕飯がないんだ」
今日は、よく誘われる日だと、三井は首をひねった。
「うーん」
「なんだ?用でもあるのか?」
「いや、別に…」
テレビを見たいなんて言ったら笑われるんじゃないかと、ちょっと恥ずかしくなった三井だった。
「じゃぁ、行かないか?」
「そうだな。誘ったからには、お前の奢りなんだろう?」
「?あぁ、そうだな。付き合ってくれるなら、奢らせてもらうよ」
「よし。そんなら、つきあってやる」
えらそうに、三井が承諾して、二人で近くのファミレスにでも行こうと歩き始めたときだった。
「ちょっとまったー!」
後ろから、追いついてきた宮城と桜木が、三井に声をかける。
「なんだ、お前ら?なんか用か?」
三井がきょんとして、問い掛ける。
「ひどいっスよ!三井サン!俺の誘いは蹴って、海南のキャプテンに誘われてついてくなんて!」
「そうだぞ!ミッチー!ウラギリだぞ!」
「なんで、牧と飯食いに行くだけで、裏切り者呼ばわりされなきゃいけねーんだよ!あぁ?」
三井は、二人の物言いに、カッときて噛み付いた。
「だって、敵じゃねーですか!海南は!」
「ひどいな。せっかく神奈川選抜で、ともに戦った仲間を、敵扱いか」
牧が苦笑した。
「そうだぞ、ウインターカップまで、まだ日がだいぶんあるじゃねーか」
三井も、まだ早いだろうと、相槌を打つ。
しかし、だけれどと、後輩になじられ諭されて、三井が切れた。
「あーっ!うるせーぞ!もう!俺は帰る!帰って『○んでも○定団』見る!」
そう言うと、3人を残して駅に向かう道を進む。
「あっ!三井サン!」
「ミッチー!」
「三井!待ってくれよ!」
それを、三人が追いかける。
ぷりぷり怒りながら歩く、三井の周りで宥めようと、必死で機嫌を取る三人に、三井は、立ち止まり、ふと思いついた問いをかける。
「なぁ、お前ら。何で最近、俺をそうやって誘うんだ?今日だけじゃねー。宮城や桜木は2日に1度くれーは声かけるし、牧だって、学校結構はなれてんのに、なんか毎週誘いにこねーか?」
「え?そ、そりゃ、三井さんと仲良くしてーからッすよ」
宮城が、慌てて答える。
「仲良く?」
「そ、そうだぞ!ミッチー。ミッチーと、俺様も仲良くしたいのだ!」
「…なんで?ガキじゃあるまいし、いまさらオトモダチもねーだろ?」
三井が首をひねる。
「俺は、三井と付き合いたい」
「は、はぁ?」
牧が言った言葉に、三井はわが耳を疑う。
「本気だぞ。三井。もう少し親密になったら、告白する気だった」
真面目な顔をして、とんでもないことを言う牧に、三井はたじたじとなる。
「コクハクって…。まさか…。俺、男だけど…。牧ってそっちの人?」
「いや、男にクラっときたのは三井が始めてだ」
自信満々に答える牧に、三井は頭を抱えたくなった。
「お、俺だって!三井サンと出会ったときから気になってたんスよ!」
横から、宮城が声をかける。
「んだとー?嘘だろう?お前、俺を病院送りにしたじゃねーか!」
「あ、あれは!手が滑ったんですって。ホントは堀田さんを狙ったんっス!あの後、スっげー後悔したんだって!」
「ミ!ミッチー!俺もミッチーのこと好きだぞ!女男のときから可愛いと思ってたんだからな!」
「な…!」
三井は絶句する。
まさか、こんな道端で、男三人に立て続けに告白されるなんて、考えても見なかった。
何か、前世で悪事でも働いて、今その因果がやってきたのかと、悲観にくれた。
「お、俺は…」
三井は、三人に迫られて、焦った。
どの男を取ったって、後腐れありすぎる。いや、それ以前に男を選ぶなんて勘弁して欲しい。
三井は、身を翻して、駅に向かって逃げ出した。
「み!三井サン!」
「ミッチー」
逃げた三井を、牧、宮城、桜木も追いかける。
三人とも、まさかこんなところで告白大会になろうとは思わなかったが、ここで後にひくわけには行かなかった。
半泣きの三井を、とりあえず捕まえねばと、それぞれがダッシュする。
確かに、三井より、運動能力の高い男達ばかりなので、練習で疲れている三井には、すぐに追いつくことが出来た。
「さぁ、三井サン!誰を選ぶんスか?」
三井の腕を取り宮城が問う。
「お、俺…」
絶体絶命で、三井は天に祈った。
「た、助けてドラ○もん…」
そのとき、通りの向こうから、低い排気音が聞こえてきた。
その音の主は、ドラ○もん…ではなく、白馬の王子でもなく、スティードに乗った鉄男だった。
「て、鉄男!」
三井は、宮城の腕を振り切って、車道に飛び出した。
「よう、アブねーじゃねーか、スポーツマン」
急ブレーキをかけた鉄男が、三井に声をかける。
「鉄男!逃げてくれ!」
三井は、そう言うと、後部シートに飛び乗った。
「しかたねーな」
鉄男は、歩道の三人をチラッと見ると、三井にヘルメットを渡し、スティードを発進させた。
「ミッチー!」
三人を残し、三井を乗せたスティードは遠ざかっていった。
「やられたな…」
「あー。逃げられちまった…。ったく明日からどんな顔して、三井サンと話せばいいんだよー」
宮城は頭を抱える。
「なんだ?このくらいで諦めるのか?俺は、自分が納得するまでアプローチかけるがな」
「ふぬ!じいの癖に生意気な!ミッチーは渡さーん!」
「俺だって、諦めませんよ!最後に笑うのはこの俺ですからね!この宮城リョータ様が、三井サンも神奈川NO.1ガードの座もいただきます!」
「上等だ」
三人は新たな闘志を剥き出しにして、それぞれの帰路についた。
その頃、鉄男のおかげで三井は安全圏まで逃げることが出来たようだ。
三井の家の前に、スティードを止めてもらう。
「はぁー。助かったぜ。ありがとうな、鉄男」
三井が、後部シートから降りて、鉄男にヘルメットを渡す。
「いったいどうしたんだ?」
「うん…。俺も何がなんだか…」
三井が、今日あったことを、ぽつぽつ話す。
「…そりゃ、災難だったな」
「おう、明日から、どうやって顔あわしたらいいかわかんねー」
「選べねーってことか?」
「おう、なんか、どいつを選んでも、やばいだろ…」
どうしようと、三井が頭を抱える。
「一つ手があるぜ」
「え?どんな?」
三井が、ぱっと顔を上げ、鉄男を見る。
鉄男の手が三井の後頭部を鷲掴み、強引に三井にキスした。
「んんっ!?」
かなり濃厚なキスを仕掛けられて、三井は膝ががくがくする。
ようやく解放されて、三井は、地面にへたり込んだ。
「な、何すんだよ」
「だから、そいつ等以外と付き合うのさ」
「へ?」
「てっとりばやく、俺となんかどうだ?」
「鉄男…」
「キスは嫌じゃなかったろ?」
「あ、あれ?そ、そういえば…」
「ま、一考の余地はあるだろ?」
「う、うー」
「当分、今の時間に、迎えに行ってやるよ。それで、かなり牽制になるだろう」
そう言うと、スティードのキーを捻った。
重低音の排気音が響く。
「じゃぁな、三井」
へたり込んだ、三井を残して、鉄男は走っていった。
三井は、唇に手をやる。鉄男のキスを、思い出すかのような仕草にはっとして、真っ赤になる。
立ち上がり、ズボンの砂埃をはらい、三井はため息をついて、家に入っていく。
三井にとって、嵐のような一日が終わろうとしていた。