タイトル | Papa told me |
著者 | 榛野なな恵 |
掲載誌 | 『ヤングユー』(集英社刊)連載中(Young You Comics22巻まで刊行中) |
かわいくておしゃれでとても賢い小学生・的場知世ちゃんが大活躍するシリーズ。 ありふれた毎日の、けれど本人にとってはとても大切なものごとのために、ふと立ち止まってしまった人々は、知世ちゃんと出会い、あるいはすれ違うことによって自分の進むべき方向を見つけてゆく。 彼女と彼女をとりまく人々の、やさしくてせつない、大人のための物語。 |
小学生が主人公の漫画だと思ってナメてはいけない。 彼女はただの小学生ではない。 はっきりとは書かれていないが、彼女は比較的リッチで教育熱心な親を持つ子供が通う、私立小学校の低学年。 たった一人の家族であるお父さんは、売れっ子の純文学(と推測できる)作家というなんともうらやましい設定ではある。 お父さんとお母さんは、人を傷つける結果になってしまった大恋愛で結ばれ、結婚したが、知世ちゃんが生まれてまもなく亡くなってしまい、以来お父さんが一人で知世ちゃんを育てている。 この二人の親子関係がいい。知世ちゃんは「男の人はお父さん以外キョーミない」という程のファザコンだが、「お母さんがいなくて一人っ子だから子供がダメになった」とお父さんが言われないために、「自立した子供」として頑張っている。 お父さんは、お母さんとの約束を守るべく彼女を幸福に育てている。知世ちゃんが日々考えること、疑問に思うことに、逃げずに正面から答えている、それだけで立派な親である。 そして彼女をとりまく人々。 他人からみればほんのささいな悩みかもしれないけれど、傷つき、迷っている人々が、彼女と関わり、あるいがすれ違ってゆく中で、自分なりの答えをみつけてゆく姿が、丁寧に描かれている。時には知世ちゃんの鋭い指摘によって。時には自分一人の力で。 個人的に特に好きなのは、知世ちゃんの叔母さん(というとものすごく怒る)である「ゆりこちゃん」の話である。彼女は化粧品メーカーのトイレタリー部門に勤務している。連載当初は一般職員だったようだが、途中で出世し、今は「チーフ」らしい。 仕事をしてゆく上で、結婚を考える上で、女性であることで、大人であることで、彼女は悩み少し傷つきながら、優しく強く生きている。私にとって憧れというよりは目標となる人物像とも言える。お父さんの担当編集者である「北原さん」も素敵な人物だ。 優秀な編集者である彼女も、時には仕事について、自分の生き方について悩んだりもする。 けれど悩むことは決して無駄ではなく、悩んだ結果を出した後に、より自分を強くしていってくれるものなのだということを彼女たちは知っている。 答えを教えてくれるわけではないけれど、大げさに言えば今日もまた生きるために、ほんの少しの勇気をくれる作品である。 うーむ、どうも初投稿なのでうまく書けませんな。 しかし、ずっと前から一番好きな作品なので、第一号に持ってくることにしましたぞ。 (コメント by れい♪さん)
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