「恭」という漢字は「うんこ」を意味する。
「大恭」は大便のことであり、「小恭」は小便を指す。「出恭」は便所に行く、の意。中国語の話しである。
とはいえ、このような使われかたをしたのはせいぜい清の時代までだったらしく、今ではほぼ死語になっているそうだ。「ちょっと出恭する」を日本語に言換えれば「ちょっと厠に行ってくる」みたいなものか。
そもそもの語源は科挙試験に由来していているという。
科挙というと受験の原型と呼ばれ、超難関の試験であったことが有名だ。何でも3,000倍の競争合格率だったそうである。ちなみに日本の司法試験の競争率は約10倍だ。
そんなわけでいわゆる「カンニング」行為も横行し、下着にびっしりと答えを書いて試験に望むものもいた。それに併行して試験中の管理体制がどんどん厳しくなっていったことも自然な流れである。
本試験は3日3晩を通して行われた。受験生は文房具の他に、食料や布団を持ってこなくてはならない。
試験前には身体検査も実施される。カンニング防止の為だ。饅頭の中身まで調べられた。カンニングを発見すると、発見者は報奨金が貰える。
試験は朝から晩までぶっ通しである。その間、受験者は座席を離れてはいけない。小便は尿瓶で済ます。
大便の場合には、試験官との手続きが必要で(どんな内容なのかは知らぬけれども)、それを経てから晴れて外出許可証ならぬ大便許可証を貰える。試験者はその大便許可証をぶらさげて、用を足しに行くという。
大便許可証には次のような文句が書かれていたそうだ。
「出恭入敬」
静かに退出して、礼儀正しく入室します、との意味だろう。もしかしたら「礼儀正しく食って、静かに出す」の意味もあるかもしれない。
このことから「出恭」はすなわち「便所に行く」という意味で使われ始めた。なるほど、納得なのである。
つまるところ、日本の恭子さんは糞子さんだ。今日の文章を全国にいる恭子さんに捧げます。
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