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隊長の戯言


2004/3/15 (月) 

 馴染みのバイク屋がある。とは言え、足しげく通っているわけでもなくて、書類の更新手続きを頼むために、年に一度の頻度で訪れているだけだが。
 
 電話で営業していることを確認して店に赴いた所、開口一番に店員から質問された。
 「今年は何ですか?」
 意図の全く読めぬ質問である。そこで改めて尋ねなおした所、次のような答えが返ってきた。曰く、
 「タカさんは毎年会うたびに状況が一変してるでしょ。その変貌ぶりも楽しみだけど、毎年その状況を聞くたびに春が来たことを実感するんですよ」
 わしは春の風物詩か、と思ったが、言われてみりゃ分からないでもない。

 ○年目→コンビニの雇われ店長をしていたが、店主と口論になりモンゴルへ行き無職
 ○年目→中洲の暴力バーで働いて、徒歩で九州縦断して浮浪者に飯おごってもらい無職
 ○年目→フィリピン軍専属の空手コーチに危うくなりかけ、インド周遊の後、引越し屋に就職
 ○年目→無職冬眠生活に抵触


 一週間先すら先の読めぬ生活はわし自身楽しくてたまらぬのだけれども、バイク屋も楽しんでいると思わなかった。
 と、ふと気がつくと、わしは整備士の兄ちゃん、事務の姐さん、店長のおっさんに囲まれ、
 「で、今年は何してるんですか?」
 と尋ねられる。わしはハッキリキッパリと答え、
 「自由業こと、立派な無職です」
 返事は、  「クソッ、外れた!」
 
 …人の人生で賭けをしてたのかよ。
 来年は、政治家、弁護士等の大穴狙いでいくように、とアドバイスしておいた。人生是ギャンブル。


2004/3/13 (土) 

 どう言うわけかメールが山のように届き、返信に追われる。メールを書くことは苦痛ではなく、むしろ楽しいのだけれども、各種方面へのメールを立て続けに書いていると頭が段々と混乱してくる。
 敬語の文面、改まった敬語の文面、タメ口、くだけ口調。後付けに本名での書名、肩書き付の書名、ハンドルネームでの書名。
 後輩である空手部の現役学生からのメールが届いたので、偉そうに訓を垂れ、諭し、説教し、
 「…という訳だから、以上の点を留意して今後の活動に望むように」
 と決めたところで、署名は、
 「へらへら隊 タカ隊…」
 などと、思わず書いてしまい冷や汗をかく。


 ――唐突ですが、インタビューさせていただきます。質問メール等も頂いておりますので。
 唐突ですね。今日は、せっかく文学的稀少価値の高い「戯言」を書こうとしていたのに、邪魔しないで下さい。

 ――それは嘘でしょう?
 はい、嘘です。

 ――ところで何故、好きな国に移住しないのですか?
 旅が好きだからです。移住し、定着してしまうと「非日常的世界」が「日常的世界」へと変貌してしまいます。日本をホームにして、その観点をもってあちこちに出かけ、非日常性を体験することを僕は好みます。
 もっとも日本が一番好きな国、であるということもあるかもしれません。

 ――昨日のパドル。てっきりバカ力を持ってひん曲げたものかと思いました。
 洋式便所に座った途端に便座を壊したり、車にはねられて車を壊したことはあります。

 ――ラディン・オウムについて触れた内容、意外と反応ありましたね。
 自身も驚きました。原文はもっと過激だったのでボツにしたのですが、原文のままで良かったかなァと後悔しとります。後日、アレフの公式サイトを見たら、しっかり「マトリックス」批評が掲載されていたので焦りましたが。 

 ――膨大なマイノリティー側の人間として、生きるための知恵とノウハウとは何でしょう?
 立場をより具現化し、それを再認識することだと思います。認識が出来ずに自己の解放へ向かい、アナーキズムに走る事例は沢山ありますから。暴力はもっとも容易い手段です。比較的裕福な階級の出自でありながら、マイノリティー側の人間を認識し、非暴力という解放の手段を用いたマハトマ・ガンジーって人がいますですね。

 ――「隊長に恋愛相談」とかいう企画を持ち上げる予定はありませんか? 凄そうです。
凄いと思います。あと、自分に恋愛相談を振る人間はもっと凄いと思います。その勇気と無謀さには尊敬の念すら抱きます。「ゴリラに恋愛相談」と負けるとも劣りません。同義の内容になることは必定でしょう。メールが沢山来るようでしたら、実施するかも、です。

 ――下品なネタは止めてください。
 無理です。

 ――ホモですか?
 違います。この質問、多過ぎです。
 


2004/3/12 (金) 

 雨が、止んだ。
 風の勢いは若干和らいだようだ。波はやや高く、天気は依然として曇り空。

 沖合いから三キロの距離。陸棚が霞んで見える。横波を避け、船体を立て直す。操る櫂がいつもと違うので、調子が悪い。ベントシャフト(櫂の軸が曲がったもの)のフェザー(ブレード軸を捻ったもの)のパドルは初めて扱う。

 いやな予感が的中する。文句のつけようのない立派な便意が肛門を急襲した。一刻の猶予も許されない状況。全力で櫂を漕ぐ。

 過去最高の記録だ。こんなに早く島に上陸できたのは初めてのこと。肛門部の括約筋を占めつつ、砂浜を疾駆する。

 間に合った。全身が脱力感に襲われ、ふと空を見上げる。
 暗雲立ちこめる空の一端が切れ、ぽっかりと穴が浮かんだ。その穴からは神々しいほどの陽光が霧の様に降り注いでいる。霧は粒となり、滝となり、ビシャァと海上に落ちると、白波に流されていった。



 やっぱり汚ないですか、そうですか。キレイに書いたつもりでしたが、以後気をつけます。
 


2004/3/9 (水) 

 アメリカのケーブルテレビ会社がこんなアンケートを取ったそうだ。
 「もし死刑がテレビ中継されるとあれば、誰の死刑を見たいですか?」
 で、その結果。
 
 40% そんなものテレビ中継するな、ボケ
 20% オサマ・ビン・ラディンが死ぬ様はぜひとも見たいね
 10% いや、サダム・フセインなら絶対見るよ


 ビン・ラディンの死刑は金を払ってでも見たい、と答えたアメリカ人も多数いたという。
 マスコミの力はかくも恐ろしい。悪の枢軸=ビン・ラディン。アメリカは(日本もそうだけど)ビン・ラディンの声明を粗方カットして放映している。ビン・ラディンが最も訴えたくして削除された内容は、「サウジアラビアの"米軍撤退"とパレスチナ"和平"」だった。
  
 しかし、これを読んで「うわァ、アメリカ人ってバカばかりだ」とは言う資格はない。日本だって大差ないのだ。連日連夜続いていた麻原彰晃関連の番組がそうである。特集にドラマに加熱する報道。これは、まさしくお祭り騒ぎだ。あたかも一大イベントかの如く放映するマスコミもどうかと思うが、興味本意でそれを見る視聴者も「死刑が見たいアメリカ人」の心意と何ら変わりがない。
 悪人死んで万歳! ってか。確かに麻原は死んで然るべきだろう。しかし、なんじゃい、そりゃ。
 
 
 実を言うと、麻原がインドで修行した際に利用していた宿に偶然、投宿していたことがある。
 麻原を知っているインド人も意外と多く、その評判はというと、実は好評なのである。サドゥー(インド修行僧)と同一視している節すらあった。
 また、宿には麻原一行が置いていったと思われるオウム関連の書物が沢山並んでおり、わしは日本語の活字体に飢えていたせいもあって、それら全てに目を通してみたりした。書かれている内容は映画「マトリックス」の言わんとしているところと共通していて、大変面白い。この世は全て幻。人々のカルマ(罪業)を救え。煩悩を捨て、真の世界へ転生すべし。
 麻原も当初は純粋な求道者であった。
 
 語弊を恐れずに言えば、オウムもラディンも発端は一緒である。抑圧から生み出された良識と歪んだ正義感。オウム信者はあまりにも純粋すぎた。理想主義者の慣れの果ては何とも無残だ。心は脆弱で壊れやすい。


2004/3/8 (火) 

 散々悩んだが、清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した。己の物欲には多少呆れながらも、後悔はせず。
 やはり69円の日清カップヌードルは美味い。嗚呼、久しぶりに贅沢なものを食ってしまった。普段常食している39円袋ラーメンは食い飽きて不味い。

 普段は腹八部ならぬ腹六部を心がけているのだが、時折、満腹感を味わいたくてたまらなくなることがある。そこで最近は、腹三部の日と腹九部の日を使い分けるようになった。腹三分の日も腹九部のための布石だと思えば、それほど辛くない。ちなみに今日は腹九部の日である。幸せである。

 牛乳が好きだ。牛乳の購入を止めてからか、はたまたモンゴルに行って以来からかは定かではないが、いつからか乳製品全般を好むようになった。ただ乳製品は消費コストが高いから、それを購入することは滅多にない。
 本日はありがたくも森永乳業さんが拙宅を訪れ、沢山の試供品を持ってきてくれた。森永乳業さんは半年に一度のペースで試供品を持ってきてくれるからありがたい。実に幸せである。

 
 ところで、国内総生産(GDP)が減退の一途を辿っているそうだ。その原因はフリーターの増加とされ、フリーターは所得消費が少ないためだ経済的損失は大きい就職率の低迷が危惧される、云々とのこと。
 うわァ、申し訳ない、わしはGDP減退にもっとも大きく助力している一人です。フリーターの平均年間消費額は103万円、とのことで、自分はその三分の一以下ぐらいの金しか消費しておりませぬ。
 と、一瞬反省したが、わしはフリーターでもサラリーマンでも消費金額は変わらぬ生活だし、所得の半分は海外渡航費に注ぎこんでおるのである。
 そういう意味では、国際間の経済格差の穴埋めに一役買っているわけであり、途上国の経済発展には大きく寄与しているわけだから、立派なものである。
 
 と、悔し紛れに書いてみた次第。貧乏人は海外で経済成長を担うが吉。


2004/3/6 (土) 

 近所のビデオ屋が格安レンタルキャンペーンをやっていたので、数本借りる。
 ジャニス・ジョップリンのドキュメンタリーフィルム『ジャニス』。ビートニク文化を追ったドキュメンタリー映画『ビートニク』。『マイケル・ムーアの恐るべき真実・アホでマヌケなアメリカ白人』。ガイ・リッチー『ロック、ストック〜』。中村敦夫『帰ってきた木枯らし紋字郎』。アンジェリーナ・ジョリーの裸体を見るだけが目的『ポワゾン』。
 と、マイケル・ムーアの読み取りバーコードをふと見て、思わず笑ってしもうた。


 ムーアの恐るべき真実とは「アホ」だったのか。


 はい、ビデオが観たいので今日の戯言は手抜きです。


2004/3/5 (金) 

 小生の筆力を高く買っているというN先輩からメールが届く。N先輩は某印刷会社に勤めているのだが、この度、依頼を受けてとある記念発刊誌を作ることになったので色々と協力願いたい、との由。
 快諾したわしは、早速メールを送る。
 「承知致しました。明日、御訪問させて頂いた上で詳しい話しを伺います」
 んで、返信されたメールの表題が、
 「Re: ありがとう。"御訪問"お待ちしています」。(""部は加筆)
 バカ丸出しの事をしてしまったことに気がつき、思わず奇声をあげる。用件が用件であっただけに、脱糞しそうなぐらいに恥ずかしいミス。

 作成スタッフ陣との顔合わせ兼打ち合わせを行った。N先輩以外は当然初対面だ。
 「えーと、紹介するよ。彼がタカ君ね。彼はたいした男で…」
 と、いきなりベタ誉めの紹介を受けたので、やや焦る。照れながらも紹介を受けていると、
 「何が素晴らしいかといったら、大学の卒業式でただ一人、長ラン・高下駄・リーゼント・一升瓶で出席したという…」
 勘弁して下さい。

*


 友人から大量のCD-Rを貰った。お礼といっては何だが、何枚かオリジナルアルバムを作成してプレゼントすることにする。以下、その曲目一例。
 
 U空晴れて【へらへら隊】
 Need your loving tonight 【クイーン】
 Kashmir 【ツェッペリン】
 Ob-la-di,ob-la-da 【ビートルズ】
 Mercedes Benz 【ジャニス・ジョップリン】
 English man in NEW YORK 【スティング】
 Sunday morning 【ベルベット・アンダーグラウンド】
 I shot the sheriff 【クラプトンver】
 All along the watchtower 【ジミ・ヘンドリクスver】
 Glitter Prize 【シンプル・マインズ】 
 Awaken 【イエス】
 Radio free Europe 【アール・イー・エム】
 End of the night 【ドアーズ】

 と、なかなか良い感じになってしまった。一曲だけ苦情の出そうな曲もあるが、A面に駄曲を持って来るというセンスは我ながらイカしてると思う。
 タイトルは、曲順通りに「unkomesiagare〜うんこ召し上がれ〜」。恩を仇で返すのはつくづく気持ちが良い。


2004/3/4 (木) 

    勧酒   于武陵

 勧君金屈巵    君に勧む金屈巵
 満酌不須辞    満酌辞するを須いず
 花発多風雨    花発けば風雨多し
 人生足別離    人生別離足る


    貴様に勧める黄金の盃。
    たっぷりと注いじゃるが、遠慮なんかすんなよ。
    花が咲けば、とかく風雨が多い。
    人生には別離がつきものぞ。



    客中作   李白
 
 蘭陵美酒鬱金香    蘭陵の美酒 鬱金香
 玉椀盛来琥珀光    玉椀に盛り来たる 琥珀の光
 但使主人能酔客    但だ主人をして 能く客を酔わ使むれば
 不知何処是他郷    知らず 何れの処か是れ他郷
 

    蘭陵で産する美酒 鬱金香。
    玉杯になみなみと注がれた琥珀色の光。
    宴席の主人が、旅人である俺を存分に酔わせてくれさえすれば、
    いったいどこに、異郷の寂しさを覚えようか。


 世に処ること大夢の如し
 何すれぞ その生を労するや
 太ク短ク。


2004/3/3 (水) 

 国家警察の活動を追ったドキュメンタリー番組がしばしば放送されている。タイトルには「密着警察24時」等のお決まりの名前がつけられる例のヤツだ。今日もやっていた。
 
 知人の一人に、「この手の番組が大好きでたまらない。欠かさず見てるし、ビデオにも録画して保存する」という熱狂的なファンがいる。
 一度、彼と一緒にこの番組を見たことがある。すると彼は感慨深げに言うのだ。
 「うわァ、懐かしい。あいつも元気にしてるみたいだな。今も変わってねぇや…」
 なるほど、このような使い方もあるわけか、とその時は妙に感心した。
 
 知人の「友達」と会うことも多かった。
 「おっ、今度放映される"警察24時"見ろな。オレ、映っちゃたから、ははは」
 
 ちなみに「知人」は博多の某暴走族の元・特攻隊長で、「友達」は現ヤクザだ。



 ※リンク先が一件増えましたので御紹介を
  風の広場


2004/3/1 (月) 

 ここ数日はバタバタとしておりました故、日記の更新をサボっとりました。申し訳ない。明日は更新します、多分。
 それからインドに行ってしまわれたMさん、一日でも早く便所紙なしの生活に慣れることを願います。一度「壁」を乗り越えてしまえば後は楽です。地球環境に優しい手動式ウォシュレット。
 





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