熊本に行ってきた。九州徒歩縦断の際にお世話になった人達に、むらむらと会いたくなったからだ。
それにしても国道3号線は思い入れが強すぎる。福岡から鹿児島までこの国道伝いにずっと南下して行ったのだが、何度通っても色々な感情がつい込み上げてくる。
今回の行き先は熊本県山鹿地方の温泉。旅先で床下浸水を起こすほどの豪雨に遭い、この地の温泉で二日間の逗留生活を余儀なくされたところなのでここも大変思い出深い。
温泉場は「どんぐり村」と言う一大レジャー施設を思わせる名前だけれども、大抵の観光者は近場の有名温泉に流れるので、利用者は地元民の常連客ばかりだ。逆にいえば、地元の常連客ばかりということはそれだけ"しっかり"した温泉と言うことでもある。ここはよくあるような循環方式の温泉ではなくて、垂れ流しの温泉なので、おっさんの珍毛が湯船を漫然と漂っているということは無い。
常連の温泉マニア客の爺ちゃん曰く、「この湯はまったりとしていて、柔らかい。肌に吸い込まれていく」とのこと。言っている意味はよう分からんが、良い温泉ということだけは分かった。入浴料も350円と低価格で、お勧めです。
*
拙宅の離れにある物置小屋を十年ぶりに掃除することにした。今はへらへら隊の備品置き場と化しているこの小屋は、つい先頃までは野良猫一家の住処となっていた。
ところが、掃除をすればするほど部屋に漂う異臭が強くなるのである。さては野良猫の「置き土産」があるな、との判断を下し、小屋中の雲古捜索を試みるが、一向に発見出来ない。いや、それどころか異臭はさらに増してきているような気さえする。
部屋中雲古のカス塗れになっていたのに気がついたのはそれから間もなくの事で、それというのは本宅に掃除機を取りにいく途中、気がつかぬうちに雲古を踏んでいた靴を履いており、その靴を履いて物置小屋を歩き回っていたという事実が判明するまでにはかなりの時間を要した。
雲古色のジュータンに雲古が付着すると厄介だ。
|