隊長の戯言     


 
2003/9/15 (月)

 すんません、本日の戯言もサボらせてください。
 手抜き進行にも関わらず、カウンターが動くのはどうも忍びなく良心が痛みますので、せめてものお詫びの印に馬のウンコ写真でもUPしておきます。タダのウンコじゃありませぬ。MADE IN モンゴルのレアピクチャー。
 ハイセンスなグリーティングカードや愛の告白等、どうぞご自由にお使い下さい。









2003/9/13 (土)

 小生、近々提出せねばならぬ無料奉仕の頼まれ原稿があるので御座いますが、その進み具合が本格的にまずぅ御座いますので、しばらく『戯言』は手抜き進行でいかせていただきとう御座います。
 サボって勘弁。書き捨て御免。アルコール、カフェイン、ニコチンの助勢を受けつつ、いざ勝負に参らん。


2003/9/12 (金)

 「♪宵越し銭をお持ちの方はァ〜 かけつけ三杯いきやしょう」(※)
 という歌が一昔前に大流行したことがあったけれども、当時は魚屋のとっつぁんも八百屋の母ちゃんも、登下校中の鼻タレ小学生から野良犬のポチまで皆々が鼻歌を口ずさんでいた。あの歌はボーカルの変態的な歌声に大変シビれさせられたナ。
 
 
 ところで「宵越し銭」を恥とする気風は江戸時代の職人から来たそうで、彼らは一概に畳裏の壷にちまちまと小銭を溜め込み、夜な夜な壷をさすってニンマリとする行為を心底から軽蔑していたという。その日に稼いだ日銭は、全て酒と博打に費やしてしまうことが江戸っ子の男伊達だったというわけだ。
 もっともこの気風は職人の親方たちが作り出したとの説もある。つまり、当時の賭博は親方が胴元となって開いているケースが多く、これで職人の給料を吸い上げていたらしい。
 ヤヤえげつない話しに聞こえるけれども、実際のところは当時の職人たちは幾日分の食っていける金を手に入れてしまうと、その金が尽きるまで働こうとしない気質だったので、これはこれでなかなかウマいシステムになっていたのである。
 金が手に入ったから働かない。この刹那主義的な考え方は日本以外のアジア各地で顕著に見られるのも面白い。植民地時代に西欧人たちをもっとも困らせた問題でもある。
 
 作家の村上龍は著作のエッセイの中で
 「私は蓄えがある限り仕事をしない。例えば月に五十万かかるとして手元に三百万あれば半年間仕事をしない怠け者だ」
 と嘘ぱっちをほざいておるが、それを聞いた某狩猟家が次のように答えている。
 「それは怠け者とは言わない。狩猟民族の気質だ。ハンターは取った獲物を食べ尽くしてから、次の獲物を採りに行く。ハンターは獲物を必要以上に採ろうとしない。自身がダメになるからだ。冬に備えて干し肉を作ることはあっても、次の冬に備えたりしない。農耕民族的発想が世界をダメにし、階級・差別・政治的社会的マゾヒズムを生み出した」
 この強引な論理展開には村上龍節の超絶炸裂ぶりが見られるけれども、言っていることは面白い。

 
 ところで、現在わしは求職中なのだが、今年は「旅」を行わなかったせいで金が異常に余ってしまった。語弊を恐れずに言えば、仕事をしている人間の9割以上の目的は一次的、二次的にせよ金であって、「金なんていらねぇからタダ働きしてぇよォ」という人間はごく稀だと思われる。
 諸事情によって「旅」に出られない今、わしの中では、こんな状況で働くのは大変バカらしい、という大変危険な思想が芽生えつつあるのでまったく困ったちゃんだ。
 仕方ないので、今必死に金を使おうとしているのだが、元々、車や服や食い物などには全く興味のない性格である故に物理的な欲望はほぼ満たされてしまっている。おかげでなかなか金が減らない。村上龍に倣えば、わしは生粋の江戸っ子でありハンターであり遊牧民なのだろう。うへぇ。


 ※『あっしが切り札 タカ隊長』の一節。へらへら隊のオリジナル演歌。ゴメンナサイ。


2003/9/11 (木)

 近頃、我が携帯電話には非通知の無言電話が多い。
 わしは電話に気がつかないことが多いので、大抵の電話は留守番電話サービスに廻されるのだが、やっぱりその留守電内容も「無言」であるからして、わしは思わず携帯をギリリと握りしめつつ額に二、三本の血管を浮きだたせるのである。犯人は一体どこのどいつだ、くそたれめ。
 
 かくの如くに毎度わしは呪詛の言葉を吐いておるのだけれども、本日初めて非通知電話の主と会話することが出来た。
 「………………」
 「おい、誰だよ。ヒマジンのゲス野郎め」
 「………………」
 「何か言いやがれ」
 「…………うー……うー……ワン、ワン、ワンッ!!」
 と、聞こえてきたのは本物の犬の鳴き声。

 そうか犯人は犬だったか。ならば、仕方なし。
  


2003/9/10 (水)

 先日の話しであるが、学生時代の友人と再び野球観戦に行った。そんなこんなで。

 ≪福岡ドームにおける正しい野球観戦の仕方
 {必要なもの} (見た目が)怖い人クーラーボックスA(ビール入り)、クーラーボックスB(空)、※観戦チケットは不要です

 1.まず初めにドーム隣の超高級ホテル『○○ホーク』に堂々と突入致します。そしてホテル従業員の徹底的に精錬されたサービスぶりを堪能しつつも、宿泊客のフリをして9〜15階へ向かいます。それら上階には製氷機が常備されていますのでそこから親の仇を討つが如く一心不乱に氷をありったけ盗み、クーラーボックスAの中にガツガツと投入します。これでビールは約三時間の間ギンギンに冷えてくれるでしょう。
 それから「ご苦労様です。いってらっしゃいませ」と事実を何も知らない従業員から声をかけられつつ分厚い綺麗なカーペットを汚い靴で踏みしめて漫然とホテルを出ましょう。汚いサンダル・履き古しジーパン・ヨレヨレTシャツの格好には不審がられながらも一流ホテルの一流従業員の一流サービスを受けることが出来て、しばし金持ち気分が味わえます。


 2.さてドームに到着しました。ここではダフ屋に満遍なく声をかけてある程度の相場を調べます。試合開始と供に相場はどんどん下がり続けるのでそこを狙って交渉しましょう。一枚必要な場合は2名以上、二枚必要な場合は三名以上で交渉するとよいです。ダフ屋はまとめて買ってくれると思い、チケット代はさらに下がります。そこをすかさず買い叩きましょう。尚、交渉役は長期のインド旅行経験者が良い。彼らは日本においては値引き交渉のプロですので、うまく行けば定価の6、7割でチケットをゲット出来ます。


 3.入場の際は出来るだけ混んでいる機会を狙って突撃しましょう。この際、怖い人クーラーボックスAを背中に背負わせるのがより望ましいです。前述のインド経験者が怖い人を兼任するのもアリ。ダミーのクーラーボックスBを持った仲間がわざとらしくモタモタと手荷物検査を受けている内に、怖い人は手荷物検査員にガンを飛ばしつつ入門ゲートを突破致します。急ぎすぎてもいけないし、ゆっくりすぎてもいけない。ここポイントです。キセル乗車の要領ですね。万が一、検査員から追いかけられたら難癖つけるか、人ごみに紛れてトンズラこきましょう。身の安全は二の次です。是が非でも酒は死守しましょう。


 4. 酒に塗れて観戦をします。ここは敵チームに向かって野次を飛ばすのが清く正しい道です。ウィットの効いた野次であれば、他の観客から拍手と進呈品のビールが貰えたりするので、気合を入れて野次りましょう。また応援している球団が三振一つ取るごとにイッキ飲み、一点取るごとにイッキ飲みをすれば球団選手との一体感と緊張感が味わえ、さらにスリリングな観戦を望めます。


 5.観戦終了後はドーム近隣にある高級定食屋『○勝』で腹を満たすと良いかもしれません。尚、一名は定食サービスを利用することがここでの最重要事項です。定食コースは「ごはん」「みそ汁」のお代わりが自由ですから、単品を注文した人も安価で食い放題が体験できます。3度目のお代わりぐらいから店員の目つきに殺気がこもってきますが、ここは頑張って無視しましょう。


 6.さて酒、メシときたらトドメはフロに入らなければなりません。幸い、福岡ドームの近くには『○○大学』の体育会系男子寮『○○寮』がありますので、ここの利用を推奨します。「○○年に寮を卒業した○×っちゅうもんたい。遊びに来たばいこのやろう」と博多弁丸出しでエラそうに入って行けば、誰も怪しみません。「チィースッ!!スリッパお履きください。お靴をキレイにお並べします。お飲み物は如何ですか? 灰皿お持ちしました」と現役学生たちが出迎えてくれてしばし殿様気分が味わえること請合い。大体六年前の卒業生を騙れば、みんなコロッと騙されます。当然、一番風呂も満喫出来ます。
 しかしあまり長居をしてしまうと、変に気のきいた学生が「○○先輩という方が久しぶりにやってこられました」と寮長(大学教授)を呼んでしまうので、ここはさっさと退散しましょう。学生たちが総出で見送ってくれて爽快な気分になれること必定です。
 

 以上、福岡ドームでの正しい野球観戦の仕方でした。ぜひご参考に。
    


2003/9/9 (火)

 それにしてもこの度の九州一周バイクツーリングはテントを持って行かなかったために何となく一昨年の貧乏徒歩の旅を思い出せてくれて、そこはかとなく懐かしかった。
 下界の夜景、或いは波の音が絶えない浅海を見ながら酒をしみじみと味わいつつ、眠気が来たらゴロリと横になり、見上げれば星空。肌を覆う涼しい夜風。それらを体感しながらも次第に疲れは眠気と変わり、知らず知らずの内にズブりズブりと眠り込んでいく。
 などというような浪漫ちっくなことはあくまで表層的なもので、実際のところは、寒さに震え、或いは暑さに悶絶しつつ、無理して眠るためにも深酒をし、ようやく寝ついたところでパラリラっぱっぱの暴走族やこれちょっとキミキミ住所年齢職業おしえなさいよの威圧的ポリ公がウルさくてたまらない。
 
 
 テント無しの野宿は蚊の猛攻に曝される上に、暑いし寒いし眠れないし喧しい、と良いところは一つもないのだが、原点の生活を送っている上で感じる開放感と堕ちに堕ちたと感じさせるある種の快感があるので好きだ。わしが敬愛する山本素石(釣り師。ノータリンクラブ会長。ツチノコを世に知らしめた怪人)の影響もある。
 そもそもヒトは野宿をしても簡単に寝られないようになっているらしい。これを睡眠学では「第一夜効果」と呼び、例えば睡眠学の実験を行なう時にも被験者の第一夜目の集積結果は完全にイレースするそうだ。
 睡眠状態ってのは言いかえれば最も安全性の低い状態であり、身体的にも麻痺弛緩しきった状態を指す。中学生とボブ・サップが喧嘩したらその結果は明白なのだけれども、もしボプ・サップが熟睡している最中にナイフを持った中学生が襲いかかったら、どっちが勝つか分からんのである。
 だから主観的に「ここは安全だ」と本能が感じ取らない限り、熟睡は望めないというわけだ。人類始祖が狩猟生活を送っていた頃に身につけた本能はそう簡単に失えるものではない。
 そんなわけで野宿を続けていると不思議と感覚は鋭敏化し、どんどん野生化していくのがはっきりと体感できる…ような気になる。
 
 ところで熟睡型のノンレム睡眠は高等生物だけがもつ睡眠の進化形態だという。では前述のような睡眠形態はどう説明できるのかというと、「大脳皮質があまり発達してない生物」が体の休息だけを最優先させて眠った時の睡眠状態とひどく似通っているらしい。魚類や両生類、ハチュウ類の眠りと共通する。
 
 つまりわしは、サンマ、カエル、ヘビの仲間になっていたわけだ。人間に戻るまであと少し。頑張ろう。
   


2003/9/8 (月)

 色は臭えど 散りぬるを
 四垂れぞ 常ならむ
 有為の奥山 今朝越えて
 浅き夢みし えいもせすん

 黄色のブツからは異臭が漂っているが あたりにちらばった
 四つのタレグソは いつものことらしい
 今朝私は有為の山を越えて 此に尋ねてきたのだけれども
 こんな夢のようなタレグソを見せられると えい、わしはこんな立派なクソは出来んわと感心させられる

 出典、狐狸庵閑話。
 本日も朝の五時に起きたために眠くてたまらない。出来るだけはやく健康的な生活から脱出することを努力します。さて、クソして寝よう。
   


2003/9/7  (日)

 夜は大抵無人駅で野宿していたものだから、終電後に就寝、始発前に起床という生活サイクルが身についてしまって今も眠くてたまらない現在午後八時。今夜も早々と寝ます。

 私信
 坂之上のモンゴルA氏に日本酒水割りMさん、この度はどうもお世話になり申した。酒の恩は酒で返します故、来福の際は是非とも連絡承りたく候。
     


2003/9/3  

 いつもの如くトラブル起こりまくりで資金が底をつき、本日一時帰宅。明日早朝、再び出発しますです。
 
 一昨年の九州徒歩縦断の際にお世話になった人達(主に食堂経営者)に会いたくなり、単車に乗って方々立ち寄ったのであるが。
 儂「オバーチャン、久しぶり。わしのこと、覚えてとりますか?」
 婆「おお、アンタね。もちろん覚えとるよ。よう来んしゃったのぅ」
 客「む? どなたですか」
 婆「アタシの孫よ!」
 客「え? こんなお孫さんいたの?」
 何だかあちこちにわしの婆さんが出来てしまったようで、奇妙だけれども嬉しい。以前、タダメシを 御馳走になった恩もあるので、多めに金を支払ったところ、
 「アンタ、何ば言いよるとね。孫から金を取れるわけなかろうもん」
 だと。
 
 泣けてくるね。彼女たちは百五十歳ぐらいまで長生きして欲しい。
            








  隊長の戯言