不定期貨客船『万景峰号』が就航したのは一九七一年のことだそうだ。以来、三十年近くも北朝鮮と新潟の間を往復し続けて来たことになる。
んで、一連のマスコミ報道を見て思ったのだが、日本政府の怠慢ぶりについては全く言及されておらぬのが気になる。
同船についての軍事工作や麻薬、覚せい剤の密輸等々の疑惑は随分と前から存在したものであり、事実アメリカに亡命した朝鮮人技師がその旨を告白している。また、事実確認が取れずとも違法行為の疑いのある船舶には強制捜査をしても良いってのは国際法の取り決めだろう。
それで、何だ。なんとも今回のような本格的な調査は初めて行なわれたわけであり、立ち入り検査事態は十年ぶりに実施されたものだという。何だそりゃ、なのである。
事なかれ主義、極まれり。政府の状況認識能力のお粗末さ。ご立派なもんだ。これまでは体裁を繕うための形式上の調査しか行なわれていなかったというコト。
今回のケースは次のようなものである。
とある小学校。うち、とある数人の小学生たちはナイフを持って登校し、スクールライフをエンジョイしておるわけだ。教師はそのことを知っているのだけれども、事を荒立てたくないからカタチだけの持ち物検査を行なっている。いわゆるPTA対策である。
ところが、ある日、小学生の一人がクラスメートを刺してしまった。教師たちはこりゃ大変だ、とばかりに"翌日"本格的に持ち物検査を行なった。
―――――何も見つかるわけないのである。殺傷事件が起きた翌日にナイフを持ってノコノコと登校するヤツはいるわけないのである。
――――――――――――
「複雑な心境だ。何度もこの船に乗っているが初めての経験です。拉致問題については国家間の問題につき穏便に解決することを望んでいる」
「1日も早く話し合いで問題を解決してほしい。悲しいことだ。(拉致被害者家族らの抗議活動に対しては)大変驚かされた。複雑な心境だ」
「万景峰号はあくまで家族、親族を訪ねるための船。乗船した人の中には80歳代のお年寄りもおり、飛行機に長く乗るのは体力的にきつい」
「久しぶりの入国でしたが、同胞が出迎えてくれたのがとても嬉しかった。(右翼団体による「帰れ」という怒号が繰り返されたことについては) びっくりした」
・福岡市博多区下呉服町朝鮮総連本部そばで円筒形の不審物が見つかる。福岡朝鮮初中級学校(同市東区)は夏休み中のクラブ活動を見合わせる。
・岡山県岡山市の在日朝鮮人系の朝銀西信用組合には銃弾が撃ち込まれる。
・新潟市の朝鮮総連新の倉庫に銃弾一発が撃ち込まれる。約一・五キロ離れた在日朝鮮人系のハナ信用組合新潟支店では時限式の発火物が発見された。
|