隊長の戯言     


 
2003/5/28 (水) 

 真剣勝負で映画を作ることになった。ヤクザ映画である。脚本はまだ少ししか書いてない。
 物語の内容は「風前の灯、壊滅寸前にあるヤクザ組織が廃滅していく様子を描く、ヒューマニズムと人間の尊厳、悲哀をテーマとしたバイオレンスアクションドキュメンタリータッチ任侠ドラマ映画」と、自分で何言っているのかよく分からぬが、まァタイトルは『孤城落日』で行こうかと考えている。
 
 なぜ壊滅寸前のヤクザ組織に題材を取ったのかというと、そこには滅びゆくものの壮大な人間愛が見出せるからだ、という考えは毛頭なくて、ただ単に俳優人が五人しか集まらないからだ。しかしながらへらへら隊、どれもこれも人間を超越した凶悪な面構えを保有しておるので、役どころとしては丁度良い。
 ところでヤクザ組長といえば、和服姿で切れ目の美人妻が必要不可欠なのだけれども、さすがに和服の調達は難しい。この問題に関しては頭を抱えて悩んだ末、百歩譲ってセーラー服で行くことにした。これでは百歩どころか、10kmほど後退してしまっているような気がしないでもないが、致命的な問題ではないので良しとしたい。組長の設定を『女子校生フェチのコスプレプレイ好き変態組長』と変えれば良いことである。
 次なる問題は、そのセーラー服を着る組長妻役ということになるのだが、何たることか、俳優となるへらへら隊員に女性はいないのである。しかしこれも慌てずに女装の女形という方向で解決を迎えたい。幸い、へらへら隊はゴツイ人間ばかりだから、ホラー映画テイストも楽しめるわけだ。一粒で二度オイシイのである。

 しかし、何と言っても苦労したのはセーラー服の調達である。これについては、『女子校生 制服 販売』とのキーワードを元にGoogleで探しまわり、ふとすれば「血走った目を皿のようにして大きく見開き、真剣な眼差しで必死の思いをしながらブルセラショップのサイトを見ている自分」に気がつき、大変な自己反省をさせられた。
 そこで、これではマズイと後輩の女の子に携帯のメールを使って依頼要請したのだが、哀しいかな、なにせJフォンのスカイメールであるから、128文字しか送れない。
 上記のようなロマンと情熱と艱難辛苦に充ちた文章を128文字にまとめることなど土台無理な話しで、ここは一発男らしく単刀直入に「セーラー服貸してくれ」と送ったのである。
 普段は即座に返信する彼女もこの時ばかりは返信が帰ってこず、しばらく辛い思いをしたが、ややあってようやく待望の返事が来た。
 「探してみます。しかし、まさか先輩が着るんじゃないでしょうね。それほど変態チックな方でないと信じていましたが」


 セーラー服は今週金曜日、母校の空手道場で受け取ることになった。わしとしては、麻薬取引の密売人のようにひっそりこっそり紙包等のカモフラージュを凝らして渡してくれることを希望したい。
 一応、わしは現役学生の空手指導をしておるのであるが、「女子大生からセーラー服を購入している変態コーチ」との烙印でも押された日には、いくら打たれ強いわしでも再帰不能になるのである。
         


2003/5/27 (火) 

謹啓 訪問者の皆々様におかれましては、時下益々ご清祥の段、心よりお喜び申し上げます。
 さて、この度はご多忙中に関わらず、アンケートにお答え頂いてありがとうございました。つきましては五体投地をもって再度、御礼申し上げます。
 50通近くも回答が得られたことに対しては私、大変驚かされました。又、その結果に対しましては、嬉しいやら、悲しいやら…というよりむしろ哀しくなるような回答が大多数でありまして、やはりここは前言を撤回させて頂いて、少数の方には感謝の念を捧げるとともに、残りの方々には呪詛、及び怨嗟、怨恨の念を慎ましく捧げさせていただきます。 
 敬具


 ――――回答結果(数字は回答数、青字は私見)――――
 1.本日の戯言は…
 読みました(9) 
 誰が読むかよクソったれ(1) 

 2.日記はシモネタで責めて欲しい(4)

 合点承知。体調が悪い時、正気じゃない時、頭を打った時に限りマジメな戯言を書かせて頂きます。

 3.インド・ネパール旅記は既に読んだ(4)
  インドミュージック過激派の恐怖(1)

 
 4.言うに言えなかったが、正直言ってトップページの絵は気持ち悪い(1)
  言うに言えなかったが、トップの絵は正拳突きで幻想がふくらむ(2)

 謎の回答二通あり。アンケートは改ざんしないように。トップ絵をデザインしたのはサトー副隊長ですので、僕は一切悪くありません。
 

 5.大きな声では言えないが、へらへら隊はホモ集団だと確信している(4)
  大きな声では言えないが、へらへら隊はフェラフェラ隊だと確信してる(1)

 この結果により訪問者の半数は「へらへら隊はホモ集団だと確信」していることが判明。

 6.これは私だけが知っている秘密だが、隊長は痔持ちである(1)

 なぜ知っているですか。小生、何人たりともケツの穴を見せた経験はなく、この事実を知るものはいないはず。というか、こんな回答をされると小生へのホモ疑惑が益々深まるばかりであります。

 7.ここだけの話し、隊長は真性のバカだと思う(2)
 
 ちょっと待て。サトー副隊長に道化師、オメーらイタズラで回答してるだろ。クソったれ。
 


2003/5/25 (日) 

 どうもホームページへのアクセス数が減ってきているみたいで、物悲しい。まァ、思い当たるフシがないわけでもないので、ちょろっと考えてみると。

 フシ一、あまり更新しないから
 フシ二、掲示板がなくなったから
 フシ三、管理人が旅に出たと思っている、或いは死んだと思っている
 フシ四、面白くなくなった、或いは、呆れた、見捨てた、嫌気が差した、腹が立つ、虫唾が走る、ジンマシンが出る

 果たして「節」は一、二と数えられるのかという問題は他所にして、下策、上策含めての打開策は次の様になるだろう。

 サク一、管理人にグウタラ癖が発現していることを納得して貰う
 サクニ、掲示板目当てに来てもらっても困るので、それはそれで諦めよう
 サク三、諦めてもらおう
 サク四、諦めてもらおう

 以上の考察から分かるように結果的には、何の解決も見出せないことが判明致しました。結局のところ、わしには諦めてもらおう。


 さて、ふと思ったのでありますが、『お気に入り』もしくは『ブックマーク』をこのページに変更した方も居るかもしれない。さすればトップページのカウンター回りが遅くなったのも必定である。
 そこで、だ。わしは"一般的な"アクセス解析というヤツは大嫌いなので、"独自の"アクセス解析を作成した。自己申告制、情報処理は自分でやるというある意味アナログ的アクセス解析である。
 ちなみに、送信者のメールアドレス、個人情報は一切合切これっぽっちも明らかになりませんので、御回答に協力願います。


本日の戯言は

『お気に入り』、『ブックマーク』のページは

このサイトに来た経緯は

 
 この際、せっかくだからアンケートも併設。本音で行きましょうや。
 ※以下の条件に該当する場合は送信ボタンをクリック願います









   


2003/5/24 (土) 

 イギリス料理の不味さってのは筆舌に尽くし難いものがあるらしく、それはジョークにもしばしば用いられる。
 以下、有名なジョーク。


 最高の生活
 →アメリカ人並の給料、イギリスの家、中国人のコック、日本人の妻

 最低の生活
 →中国人並の給料、日本の家、イギリス人のコック、アメリカ人の妻

 
 そもそもイギリス人では「目の前にある食べ物には無関心を払うこと」が美学とされ、その伝統が根強く残っている。長じて料理如きのクダラヌモノに時間や神経などを浪費するのはバカバカしい、という結論にまで行き着いているようだ。
 日本料理の料理法は多種多様で、「炙る」、「焼く」、「炒める」、「浸ける」、「発酵させる」、「煮込む」、「茹でる」などが挙げられるが、イギリスの場合は「茹でる」を頂点とするピラミッドである。その他の料理法は邪道なのである。
 ヴィクトリア時代に発行された料理本には、ほぼ全ての野菜において「茹でる」ことだけを推奨しているという。そして何より面白いのは、化石本とも言えるこの本が未だに王道の料理本として国民の多くに読まれているコトだ。(※参考 林望『イギリスはおいしい』)
 
 
 学生時代、イギリス人の友人宅に招かれたことがあった。メシを食わしてくれるっていうのだ。当時のわしには「イギリス人のメシは不味い」などという認識などは毛頭なくて、ただひたすら飢えていた状態だったから、嬉々として行ったのだが。
 
 その時、食ったものはパスタとサラダらしきもの、水、その他である。中には「一体全体このマテリアルはWHATでありますか」と問い詰めたくなるようなシロモノもあった。当然ながら、全ては「茹でた」モノだ。
 やっぱり不味い。信じがたいほど不味い。まずいまずい。絶妙な煮込み具合に、味付けも相当おかしい。
 「ウマイ?」と聞かれれば、「マズイッ!!」と即答したいのだが、せっかく作ってくれたものだ。わしは日本流に「Good.Not so bad」と答えたところ、そのイギリス人、料理を継ぎ足しやがるんである。
 しばらくして、友人のフランス人が来た。彼はさすがである。この料理を口にした途端、
 「不味い。塩よこせ」
 である。
 となると、イギリス人は何と言ったか。
 「やっぱり。オレもそう思う」
 そう言いやがったのである。まったくもってKiss my assなのである。
 


2003/5/23 (金) 

 ついちょっと前にアメリカ批判の戯言を書いたことがあったが、これがどういう訳なのか何処ぞやの米国閣僚の目に止まり、本人の知らぬところで何時の間にやら国家安全保障会議にかけられており、あれよあれよという間に国防総省発動、米国空軍始動、ステルス機日本爆撃、日米戦争勃発 ――――という夢を見て、わしは飛び起きたのである。心臓はバクバクと動悸止まらず、寝汗びっしょり。
 「ああ、夢で良かった」とわしはホッと胸を撫で下ろし、現実の世界に安堵したのであるが、冷静になって考えてみりゃァ、幼稚園児でも思いつかぬ陳腐なストーリー展開にこれっぽっちの疑問も抱かずに真偽の程をまったく見分けることが出来なかったのはかなり恥ずかしい。
 ウイ。B級映画の見過ぎでありますな。


 以前より『町田康』という作家に興味を抱いていて、古本屋で見かけた暁にはぜひともご同行願いたいと思っていたのだが、これがなかなか見つからない。とはいえ、かれこれ二年近し探し続けた労苦にはホトホト疲れ、本日清水の舞台から飛び降りたつもりで歯ぎしりしつつ新本屋で件のエッセイ本を購入。講談社文庫刊、五百三十三円。わしは極限の貧乏人なのである。

 で、面白い。大変面白い。時代劇と焼酎がたまらなく好きで、神経質で早起きのパンク歌手兼作家の書く文章ってのが、大変に面白い。大当たりだった。
 文節がしつこいほど長く、句読点を多用する作家はそれなりにいるが、野坂昭如なんかは"見せたがる"宝石を散りばめたような文章で、わしは生理的に嫌いなのである。ついでにいうと、村上春樹の文章にはゲロが出そうです。
 なんというか、彼の文章はロック調なのです。それもアメリカ人が勘違いして独創的に築き上げた日本文化みたく、本筋と少しズレたロック調。はたまた文章はスゴク上手いのだけど、技巧に頼るところをまったく見せていないものだから、それがいい味を出している。ヘタウマ絵ならぬ、ヘタウマ文。沢野ひとし画伯をふと思い出させてくれた。
 
 『へらへらぼっちゃん』
 タイトルも非常にイカしてます。
 


2003/5/22 (木) 

 一体誰が何処で何時から言い始め、それがどのようにして定着していったのかわからない。世界三大○○というヤツである。
 中でも比較的有名なのは、世界三大珍味だろう。書くまでもないだろうけど、キャビア、フォアグラ、トリュフの三つですな。
 世界三大スープは、トムヤンクンにブイヤベース、ボルシチ。あと世界三大フルーツってもある。マンゴー、マンゴスチン、チリモヤ。チリモヤってのは食い物だろうか。世界三大料理にフランス、中国、トルコ。

 世界三大悪路ってもあるらしい。これは所説様々になるが、代表的なのはインドネシアのスマトラとネパールのポカラ山路。わしがバスを利用してポカラまで登っていった際は、バスに乗りこんだ瞬間乗客みんなが数珠を握り締めていて、中途にバスのブレーキは壊れ、『マオイスト』と呼ばれるテロリストが暴れていた、ということで、より一層の相乗効果が生み出され実に素晴らしい『悪路』となった。神に感謝します。

 中でもわしが一番面白いと思ったのは、世界三大がっかり名所である。オーストラリアのオペラハウス。デンマークの人魚姫。シンガポールのマーライオン。誰が選んだのか知らないが、これはかなり秀逸な選択だ。どれをとっても誰もが知っている有名名所。それを「がっかり」名所と呼ぶのに、最高のユーモアを感じる。
 幸いにも、わしはマーライオンは見せていただいたものの、これは凄かった。大多数の観光客はやるせない表情を見せた後に沈黙する。そしてちょっとの間があり、やがて失笑が起こるのである。
 万が一、上の名所に強烈な憧れを抱いている場合は、早急にその幻想を打ち崩す必要があると思われます。
  




赤丸で囲っているのがマーライオン、
Tシャツ着ているのはマーライオンじゃないので注意
 


2003/5/21 (水) 

 ここしばらく更新サボり気味です。そんなわけで、
 「もうどこかへ行ってしまったのか?」
 とのメールを三通頂きました。
 夏休みを取り続けて19年。『暖かくなると何処かに消えるヤツ』との評価を頂いているようで、本人としては至極光栄に存じます。
 
 えーと、最近は遊びが忙しくて、なかなか更新してないだけです。無職の喜び、自由の満喫。酒と本とビデオとカヤック、空手漬け。
 遊び飽きたら、今度は本格的に遊ぶ(どこかへ行く)つもりですので、どうぞ宜しく。

 さて、今から60円で借りた『マルホランド・ドライブ』観つつ、30円のジンジャーエールから作った『ジン・バック』呑みますので、了。
 


2003/5/16 (金) 

 以前の日記でもチラと触れたが、わしはインドの民族衣装を愛用しているのである。
 たいへん薄くて涼しくて、体も動かしやすく、洗濯しても二時間で乾く。ただ難点は「上から下まで混じりっけなしの純色真っ白」であることか。
 先日、この格好でスーパーに行ったら、「こいつ馬鹿か」「こいつアブねぇなァ」的視線がずんずん体に刺さり、非常に居心地が悪かった。
 パナウェーブ研究所は早々にマスコミ時流の中に呑みこまれ、忘却の彼方にいって欲しいものです。


 ところで、レンタルビデオ屋の価格破壊化が進んでいるようで非常に嬉しい。一本60円というレンタルショップを発掘したので、思わず衝動借り。
 『ジギー・スターダスト』、『スターウォーズエピソード1』、『スナッチ』、『野良犬』、『新・とろける団地妻 不倫の味は蜜の味』、『地雷を踏んだらサヨウナラ』。『スナッチ』はイカレてて良かったなァ。



 ところで、上記。各自キチンと突っ込んでおいてください。念の為。








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