つい最近まで拘置所の便所は、"セルフサービス式"水洗便所だったようだ。
"セルフサービス式"水洗便所ってのは、わしがテキトーに呼んでいるだけで、つまりはタンクのない水洗便所のことである。これはバケツに貯めた水を自分で流さなくちゃならない。
所変われば、便所も変わる。ケツを手で拭くインドでも、貧乏宿の便所は決まってこれだった。
さて、拘置所の場合は、経済面を重視してか防犯面を重視してかよく分からないけども、とにかくかつては"セルフサービス式"水洗便所が主流だったのである。
そこで未決囚がコトに及んだ場合の手順は、まず格子の彼方にいる看守を大声で呼び、バケツの水を貰ってからそれを勢い良く、されどもお釣りが飛ばぬように優しく「そりゃッ」と便所に放出して、キレイにしなくちゃならない。
しかし当然ながら、「ウンコ」と「ションベン」では必要とされる水量は異なる。そこで未決囚はションベンした際には
「ベンスイッ!!(便水)」
と叫び、ウンコした時は
「ロングッ!!」
と、叫ぶそうだ。
さておき、1980年。ポール・マッカートニーが来日した時、彼は大麻不法所持により9日間の拘置所暮らしを経験しているのだが、それにまつわる幾つかのエピソードがある。
その時ポールと一緒のブタ箱に入っていたは左翼学生、殺人犯、ヤクザ。これにポールを加えた四人のメンバーで
『ブタ箱の天井目指し 〜OFF THE GROUND〜 誰が一番高く飛べるか大会!!』
を開き、ポールが見事優勝したという心温まるイイ話。
また、とある新聞記者は看守にインタビューを試みて、記事を書いた。その時の見出し。
『ポール、"ベンスイッ!"と叫ぶ』。
あと、ついで話しと言っちゃァなんだが、東スポこそ「悪質な合成画像」を新聞紙上に流していると思う。
http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop/0305/09_01/image/01.jpg
|