隊長の戯言     


 
2003/5/9 (金) 

 つい最近まで拘置所の便所は、"セルフサービス式"水洗便所だったようだ。
 "セルフサービス式"水洗便所ってのは、わしがテキトーに呼んでいるだけで、つまりはタンクのない水洗便所のことである。これはバケツに貯めた水を自分で流さなくちゃならない。
 所変われば、便所も変わる。ケツを手で拭くインドでも、貧乏宿の便所は決まってこれだった。

 さて、拘置所の場合は、経済面を重視してか防犯面を重視してかよく分からないけども、とにかくかつては"セルフサービス式"水洗便所が主流だったのである。
 そこで未決囚がコトに及んだ場合の手順は、まず格子の彼方にいる看守を大声で呼び、バケツの水を貰ってからそれを勢い良く、されどもお釣りが飛ばぬように優しく「そりゃッ」と便所に放出して、キレイにしなくちゃならない。
 しかし当然ながら、「ウンコ」と「ションベン」では必要とされる水量は異なる。そこで未決囚はションベンした際には
 「ベンスイッ!!(便水)」
 と叫び、ウンコした時は
 「ロングッ!!」
 と、叫ぶそうだ。

 さておき、1980年。ポール・マッカートニーが来日した時、彼は大麻不法所持により9日間の拘置所暮らしを経験しているのだが、それにまつわる幾つかのエピソードがある。
 その時ポールと一緒のブタ箱に入っていたは左翼学生、殺人犯、ヤクザ。これにポールを加えた四人のメンバーで
 『ブタ箱の天井目指し 〜OFF THE GROUND〜 誰が一番高く飛べるか大会!!』
 を開き、ポールが見事優勝したという心温まるイイ話。
 また、とある新聞記者は看守にインタビューを試みて、記事を書いた。その時の見出し。
 『ポール、"ベンスイッ!"と叫ぶ』。


 あと、ついで話しと言っちゃァなんだが、東スポこそ「悪質な合成画像」を新聞紙上に流していると思う。
 http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop/0305/09_01/image/01.jpg
 


2003/5/9 (金) 

 最近どういう訳か「大麻買いませんか」のメールがよく届く。二日に一通のペースは異常ですか。
 麻薬論についてはその内に更新する『インド旅記』の中で展開するとして、チト国内のドラッグ情勢について調べてみることにした。
 
 すると、出て来る出て来る。アングラサイトを巡ったらゾロゾロ出て来るのである。その殆どはいわゆるバッタモノだとしても、これだけ出て来るとは驚いた。
 
 そしてなんというか笑っちまったのは、これらの配送を行なっている指定会社の大半は先月わしが勤めていた運輸会社「K社」だったいうことなのですな。
 話しはどんどんヤバめの方向に言っておりますが、まァイイや。後は野となれ、山となれってな訳で、「K社」とのライバル会社といえば「S社」だけれども、「K社」と「S社」との一番の相違点は前者が個人顧客向けであることに対し、後者は法人中心であること。
 大雑把な配送はS社で個人の細やかな配送(時間指定だとか、不在配達だとか)はK社というのが、この業界の常識であります。
 そしてまァなんちゅうか、荷物の管理についてはどちらもテキトーで、営業所にある鉄格子の中に無造作にゴロリと措いてある。中身なんかはいちいち気にしない。
 以上の条件からヤバめの荷物を一個人が受け取る場合は、Y社の方が絶対的に使えるわけなのです。

 ところで。
 K社は引越し業務と宅配業務は全くの別組織で構成されとります。わしは引越し業務の方に身を置いていたんですが、時期によっては引越しが宅配業務を手伝う場合がある。そんなわけで、わしも一時は宅配業務もやっていたわけです。
 そこで、ふと思い出したんですが。
 一度だけヤクザ宅に荷物を届けたことがありまして(この仕事をしていると○○家はヤクザいう情報はすぐに知れる)、その時運んだ荷物は今でもハッキリ覚えている。
 
 1. 不恰好で中途半端なサイズの紙包だった
 2. 差出人不明だった
 3. 宛先人氏名も不明だった
 4. 異常に軽かった
 5. 振ってみるとカサカサと音がした

 あの時、わしがヤクザに手渡した荷物は何だったのでしょうかネ。



2003/5/7 (水) 

 ところで、森本哲郎が言うには、
 「日本人はラ行音に特別な親しみを感じている」
 のだと。

 さらに言う。
 代名詞においては「だれ」、「かれ」、「われ」、「これ」、「それ」、「あれ」、「どれ」。
 擬音、擬態語では「くりくり」、「つるつる」、「ぶるぶる」、「びりびり」、「ふんわり」、「すっきり」、「どっきり」、「きっちり」。
 万葉集の名歌にはラ行音が使われているものが多い。
 人気の漫画「のらくろ」、「ドラえもん」、「ドラゴンボールのクリリン」、「アラレちゃん」、「となりのトトロ」。
 まァ、成る程、と言った感もあるし、多少こじつけっぽい所もあるけども、言っていることは面白い。それ以前に、齢七十近くの哲学者が「ドラゴンボールのクリリン」を知っているのは驚きですが(ただしクリリンが超脇役だったのはご存知ない様で)。


 さて、『へらへら踊り』なるものがある。
 『へらへら踊り』ってのはよく舞台や落語の題材にも使われるのだけれども、これはかつて関西にあった『南地大和屋』という料理店で芸者が行なった名物踊りなのである。そもそも『芸』というのは壮美で粋で豪華絢爛なものではならなかった。ところがこの『へらへら踊り』ってのは、それまでの既成概念を丸々ぶち壊したもので、奇妙、下品、滑稽の極地なのである。『南地大和屋』は特に名士たちに愛され、司馬遼太郎などは足繁く通ったそうだ。
 「へらへら隊」の名の由来については、よく聞かれることなのだが、実はその起源はこの『へらへら踊り』にある。
 これは大ウソですが。

 それにしても、今更ながら思うのだけれども、『へらへら』ってのは何と無気力で間抜けな言霊を持っていることか。似たような擬音語、擬態語を挙げれば、「むらむら」、「くらくら」、「ふらふら」、「だらだら」、「ゆらゆら」、「けらけら」等々。どれも皆、奇妙で下品で滑稽だ。
 そして、これらの言葉を使って"こくごのもんだい"風に例文を作れば、以下の様になるだろう。キレイな文章はまず作れないはずだ。
 ふらふら歩いていたら、急にむらむらしてきたので、僕はゆらゆらと風俗店に入り、だらだら時間を過ごしていたら、くらくらになって、けらけらと笑われた。



2003/5/5 (月) 

 「タカさんってなんかオトナのファッションしてますよねェ。オレには真似できないなァ」
 と、後輩に言われたのであるが、その時のわしの服装。

 ・19歳ごろから履き続けている擦りきれたジーンズ
 ・中学生の頃から着続けている貰ったトレーナー
 ・同じく中学生の頃から着ているボロボロの貰ったジージャン
 ・さらに同じく中学生の頃から使っている貰ったベルト
 
 かなり複雑な気分でした。


 古本屋にて本を大量購入。
 遠藤周作、中島らも、司馬遼太郎、原田宗典、森本哲郎、本多勝一、レイモンド・チャンドラー、川端康成、井伏鱒二、沢野ひとし。計10冊、総額500円也。 



2003/5/4 (日) 

 久しぶりに『最低映画鑑賞会(※)』を行なった。
  (※『最低映画鑑賞会』開催にあたっては、参加者全員レンタルビデオ屋に行き、各自「これこそ至上最低に詰まらないであろう」と思われる映画を選出。協議の結果に見事選ばれた作品を鑑賞する…という内容)

 ちなみに第一回ノミネート作品は『北京原人 Who are you?』に『シベリア超特急』。両作品ともなかなかの実力を持ち合わせていて、かなりの満足を得られたものだった。
 『最低映画』に該当する作品というものは、相当に稀有な存在である。製作者側の姿勢は、「(本人としては)渾身の力作で作った(つもり)」という条件が望まれる。製作者サイドとしては映画の完成度に対して自信に満ち溢れて作った作品であることが重要だ。
 レンタルビデオ屋からの帰り道は、ワイワイと騒ぎつつ帰ってはいけない。一人一人適当な距離をとって、アンニュイな表情を翳らせつつため息つくことしきり。無言で鬱々と会場へと向かうのが正しい姿である。
 鑑賞中は、"眠らない"というのが最低条件。一旦ビデオデッキの再生ボタンを押せば、途中退席は絶対に許されない。ありとあらゆる全てを受けとめ、受けきるべし。中には『停止ボタン』を押そうとする不届き者も現われるだろうが、これはビデオのリモコンの電池を抜いておくのが良い。苦衷のため息は多ければ多いほど場は盛り上がるだろう。

 今回の作品は『19(ナインティーン)』と『SFレーザーブラスト』である。『19』は少年隊主演のSFロック冒険譚映画(紹介文ママ)で、この作品を選出したのはわしだ。鑑賞後は「よくもこんな映画選びやがって」「全身の力が奪われたような気がする」「死ぬほど疲れた」「クソッタレめ」「ヒトデナシ」との数々の賞賛を浴びることとなり、選出者としては非常に得意げな気持ちになれた。
 『SFレーザーブラスト』は始めての洋画作品にしてかなりの秀作。遠近法まったく無視でゼンマイのような動きを見せてくれるトカゲ型宇宙人はあまりにもカッコイイ。また世の中に恨みを持った主人公青年、彼は宇宙科学最高峰の技術力をもってして開発された光線銃を手にして社会に復讐するのだが、彼が破壊したものは
 「自動販売機」「電話BOX」「ポスト」「ゴミ箱」「新聞スタンド」「道端の看板」
 である。実にカッコイイ。
 お勧めの『最低映画』がありましたら、ぜひお知らせ下さい。




2003/5/2 (金) 

 今夜は呑みに行きますので、更新できません。


2003/5/1 (木) 

 昨晩は呑みに行ってたので、更新できませんでした。
 








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