隊長の戯言     


 
2003/3/31(月) 

 午前七時出勤の午前一時帰宅の肉体労働八日連勤。昼メシなし休憩なしのぶっ通し十七時間引越し作業は今日を併せて五日連続。晩飯作る気力も食う気力もなく、フロは三日間入っていない。
 しかし。ようやく。
 明日は久しぶりの休みなのである。嬉しいのである。
 本日はなんとか気合で乗りきれるのである。

 定期的に会社を退職するわしを現場責任者に任命するぐらいイカレた弊社は、アルバイト二人とわしだけで五階エレベーターナシ団地の引越しを行うことがある。本日がそれだ。
 体はズタズタ、足はヨレヨレ、精神はボロボロ。そのような状態で引越しをやっていたら、さすがに客がキレた。
 「上司連れて来い!!上の人間を呼べ!!」
 やがて当社の西日本地区支社長と顔すらみたこともないお偉いさん方がおいでなさる。まァいわゆる雲の上の存在という人である。あいや、大変なことになった。わしは益々ズタボロになり、目の前真っ暗。
 ところが、客は支社長とお偉いさんに言ったのだ。
 「○○(支社長の名前)!!てめぇ、客をなんと考えてやがる。現場の人間はこれだけ死ぬ思いで働いてるんだぞ。タカさんに土下座しやがれ!!」
 かくして支社長はわしに土下座した。この予想外の展開は驚くと同時にかなり面白い。気持ち良い。
 続けて客は言った。
 「今日は全員帰れ! そして明日はまたタカさんをよこしなさい」
 いや、明日ワタシは久しぶりの休みです。そう言おうとしたら、支社長がわしをギラリと睨み、
 「当然です。明日も彼を行かせますのでよろしくお願い致します」
 だとヨ。
 
 そういうわけで明日の休みが消えました。やったぜ! 畜生、です。


2003/3/19 (水) 

 問題。次の童話を読みなさい。

 
 むかし、むかし、あるところに一つの学校がありまして、その学校にはジョン君という男の子がいました。ジョン君は大金持ちでケンカも強く、進んでリーダーシップを取りたがる性格なのですが、自分の考えを他人に押しつけるというクセも持っていました。
 やがて生徒たちの間では、ジョン君に対する不信の気持ちが高まっていったものの、ジョン君が怖くて誰も文句を言えません。
 けれども、ただ一人「ジョン、いい加減にしやがれ。学校はおまえのモノじゃないんだ!」と声を挙げた生徒がいました。イアン君です。そして、彼はイアン革命を起こします。
 これに腹を立てたジョン君はイアン君をシメてやろうと思い立ちました。しかし、万が一に自分が返り討ちにあったら困るので、ジョン君は友達のいくらちゃんに目をつけます。
 いくらちゃんはイアン君の隣の家に住んでいて、イアン君とは大変仲が悪い。そこでジョン君はいくらちゃんにナイフとお金を渡し、「イアン君をボコボコにやっちまえ」といくらちゃんをそそのかしました。
 ジョン君と仲が良かったいくらちゃんはその頼みを受けて、イアン君一家に殴りこみをかけました。イアン・いくら戦争の始まりです。
 結局、いくらちゃんはイアン君を家族もろともズタズタにやっつけてしまいました。

 ジョン君の企み通りにイアン君をボコボコにしたいくらちゃん。
 と、ここまではジョン君の計画通りだったのですが、予想外のことが起こりました。お金持ちになったいくらちゃんがスポーツジムに通い始め、急激に力をつけ始めたのです。
 仲の良かったいくらちゃん。自分の言いなりになると思っていたいくらちゃん。ジョン君はいくらちゃんが強くなっていくにつれて、いくらちゃんのことが怖くなってきました。
 「今のうちにぶん殴って、釘をさしておこう」
 そう考えたジョン君は、友達の太郎君にお金を出してもらい、そのお金で不良達を雇うことにしました。そしてジョン君はいくらちゃんを港に呼び出すと、不良達とともにいくらちゃんをぶん殴っちゃいました。いわゆる湾岸リンチです。
 しかし、それでもいくらちゃんはへこたれません。そこで、ジョン君は次の手を考えました。

 「先生、いくらちゃんが学校にナイフを持ってきています。没収してください」
 ジョン君は先生に告げ口をしました。
 翌日、先生はいくらちゃんの持ち物検査をしましたが、ついにナイフは出てきませんでした。もっとも先生はいくらちゃんがナイフを持っていること、またそのナイフはジョン君がいくらちゃんにあげたものであること、そしてジョン君自身もナイフを隠し持っていることを知ってしましたけど。

 万策尽きたジョン君は、ついに実力行使に及びます。今度こそ、いくらちゃんをボコボコにするつもりです。コトの事態を傍観していた太郎君は「ええと、まァ応援したいと思います。良かったら、このお金を使っていくらちゃんを懲らしめてください。景気回復してくれないかなァ」と言いました。めでたし。めでたし。



 
 (問一) 一番迷惑するのはだれでしょうか?
 (問二) ジョン君、イアン君、いくらちゃん、太郎君、先生の中で悪人を選びなさい。
 (問三) 今後、学校はどうなるのでしょうか? 百字以内にまとめて書きなさい。
 


2003/3/13 (木) 

 ご無沙汰しとります。小生、生きております。至って健康であります。まったく更新できなくて申し訳ないのであります。
 とりあえずお詫びとご報告をば。
 


道化師☆ダイナマイトシリーズ vol.1
へらへら隊道化師画伯・作
 

2003/3/6 (木) 

 当サイトでは『キリ番プレゼント』のような企画は行ったことがありませんし、これから行うこともありません。
 だけど、ですね。
 今回に限り、素晴らしいプレゼントを差上げようと思うのです。
 資格者は28230、28231、28232、28233、28234、28235、28236、28237、 28238、28239、28240、28241、28242、28243、28245、28246、28247、28248、28249、28250、28251、 28252、28253、28254、28255、28256、28257、28258、28259、28260のいずれかのカウンターを踏んだ方。
 で、以上のカウンターを踏破した史上稀に見る幸運な方には、ネコ型ロボット『HERA2』を差上げます。性別メス。
 ソニーはアイボ君なるロボット犬を開発販売してますが、あんなもの目じゃない。このネコ型ロボット・HERA2は国家規模のプロジェクトの下、秘密裏に開発されたものでして、世界に一台しか存在しません。
 ところで、このHERA2。本物の成猫と見分けがつかないぐらいに精巧なものでして、にゃあにゃあ鳴くのはもちろんのこと、粗相はするし、キャットフードは食うし、野良猫とケンカする。そして驚くべきは、子供を産むことも出来ます。そしてご希望によっては、人工受精機能装置の除去も可能。
 これだけ精密ロボットになりますと、宅急便では郵送できませんので、九州在住の方、もしくは小生の元まで取りに来られる方に限定します。


 そんなわけで、捨て猫…じゃなかった国家機密開発の超精密ネコ型ロボットの貰い手を募集しております。ご質問、ご連絡はheraheratai@hotmail.comまで。
 


2003/3/3 (月) 

   ※昨年書いたボツ戯言
 

 仕事をサボって友人からの頼まれ仕事を手伝う。
 …って言っても引越しですが。本業サボってもやはりやっていることは一緒ですな。

 ところで、友人は六月をもって会社を辞職。今やめでたく無職になったらしいです。おめでとう。
 そこで「この先どうするのか?」と尋ねた所、日本一周してみたいと言う。そいつは実におめでとう。大変いいことだ。無職バンザイ。
 しかし、話しをする内に段々おめでたくなくなってきたのは、彼の「その為に車を買った」との科白を聞いてからだ。
 バカな。
 まず最初にそう思った。
 せっかくの機会に意味のないコトするなよ。
 次にそう考えた。

 車では旅は出来ない。これがわしの持論だ。いや、これは持論というより普遍論なのである。
 彼がパックツアー、バスハイクよろしくチンタラチンタラ"旅行"を楽しみたいと言うのなら、それはそれで全く問題がない。文句言わない。
 でも、彼がやろうとしているのは"旅"だ。それも今後の生き方に影響を与えたいとまで言っているのである。
 「車で旅をする」との言葉を聞いて愕然とした。
いや、でもこれが安易に思いつく、普通の考えなのだ。


 九州を歩いて旅している時、耳にタコが出来るほど受けた質問は「何で車やバイクを使わないの?」というものだった。
 そんなもの決まっているじゃないか。車やバイクは最低の手段だからだ。車で旅行は出来ても、車で旅は出来ない。
 九州徒歩縦断した後、何度か車やバイクでその軌跡を辿ってみたことがある。これが実にそっけなくて、つまらなくて、味気なくて、どうしようもなかった。わずか一時間ちょっとで通り過ぎ去っていく風景。ボケーっと座っている間に景色だけが流れていく。
 車で一時間かかったこの距離は、歩けば丸一日を要する。その間には、夏蜜柑の香りがあれば、雨宿りついでにご馳走になった定食屋もあるし、浮浪者との邂逅があれば、小学生に「ば〜か」となじられたこともあった。通り掛かりの歯の抜けた爺様と話しこんだこともあったし、トラックの運チャンと仲良くなって缶コーヒーを奢ってもらったこともあった。喉の乾きに絶えきれず飛び込んだ民家もあったし、警察官に不審者尋問を受けた野宿場所もあったのである。
 これが車でいけば、ただ座って流れる風景を見ているだけ。それだけになる。ホントにただ座っているだけ。

 カナダの元首相・トルドー氏はなかなか良い言葉を残しているので、最後にそれを紹介したい。
 「列車で百マイル旅行しても馬鹿はいつまでも馬鹿。しかし、カヌーで一マイルも行けば、その人は自然の子になる」


 友人には「オレが考えている旅の定義を覆してくれ。それしか望まない」とだけ言って送り出した。わしは彼が帰って来るのを心待ちにしているのである。
 








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