午前七時出勤の午前一時帰宅の肉体労働八日連勤。昼メシなし休憩なしのぶっ通し十七時間引越し作業は今日を併せて五日連続。晩飯作る気力も食う気力もなく、フロは三日間入っていない。
しかし。ようやく。
明日は久しぶりの休みなのである。嬉しいのである。
本日はなんとか気合で乗りきれるのである。
定期的に会社を退職するわしを現場責任者に任命するぐらいイカレた弊社は、アルバイト二人とわしだけで五階エレベーターナシ団地の引越しを行うことがある。本日がそれだ。
体はズタズタ、足はヨレヨレ、精神はボロボロ。そのような状態で引越しをやっていたら、さすがに客がキレた。
「上司連れて来い!!上の人間を呼べ!!」
やがて当社の西日本地区支社長と顔すらみたこともないお偉いさん方がおいでなさる。まァいわゆる雲の上の存在という人である。あいや、大変なことになった。わしは益々ズタボロになり、目の前真っ暗。
ところが、客は支社長とお偉いさんに言ったのだ。
「○○(支社長の名前)!!てめぇ、客をなんと考えてやがる。現場の人間はこれだけ死ぬ思いで働いてるんだぞ。タカさんに土下座しやがれ!!」
かくして支社長はわしに土下座した。この予想外の展開は驚くと同時にかなり面白い。気持ち良い。
続けて客は言った。
「今日は全員帰れ! そして明日はまたタカさんをよこしなさい」
いや、明日ワタシは久しぶりの休みです。そう言おうとしたら、支社長がわしをギラリと睨み、
「当然です。明日も彼を行かせますのでよろしくお願い致します」
だとヨ。
そういうわけで明日の休みが消えました。やったぜ! 畜生、です。
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