高血圧
○高血圧とは…
 高血圧、という言葉は非常によく耳にしますし、私のところにいらっしゃる患者さんも、血圧に関しては気にされています。では高血圧はなぜ身体によくないのか、と訪ねると、意外とわからない方が多いようです。  まず、「血圧」について。血圧とは血液が血管壁に与える「血管内圧」のことで、一般に言われる「血圧」とは大動脈などの太い血管の内圧を指します。簡単に言えば「血管にかかる血液からの圧力」ですね。
 血圧は、心臓が収縮して血液を送り出すときに最高となり、これを最高血圧または収縮期血圧といいます。反対に心臓が拡張しているときには血圧が最低となり、これを最低血圧または拡張期血圧といいます。上がいくら、下がいくらというのはこの最高、最低血圧の事を指します。
 日本高血圧学会のガイドラインによれば、至適血圧値は、最高血圧 120mmHg、最低血圧 80mmHg(120/80と記載する)未満で、正常血圧値は 130/85未満、正常高値が 130〜139/85〜89、そして 140/90以上が高血圧と分類されます。
 高血圧には、原因の明らかでない本態性高血圧症(高血圧全体の90〜95%)と高血圧の明らかな原因疾患がある二次性高血圧症があります。二次性高血圧の主な原因疾患としては腎臓の疾患から来る腎性高血圧や、内分泌性高血圧などがあります。
 高血圧がなぜ怖いか。それは血管にダメージを与え、心臓に負担をかけるからです。脳出血や心筋梗塞、眼底出血などが起こりやすくなります。

○中国漢方から見た高血圧
それでは漢方ではどのように、高血圧を考えているのでしょうか。
高血圧症でよく見られる症状には、頭痛、肩のこり、頭の緊張感、のぼせ感、めまいなどがあります。これらを見ると肝の実証、あるいは肝腎陰虚証などの肝による病であることが推測できます。実際高血圧症は肝方面から治療していくことが多いです。
 また頭重や身体が重だるい、めまいなどの症状がある場合は痰湿中阻証、冷えがある場合は陰陽両虚証などもあり、患者さん一人一人の症状、体質に合わせ、考えていくのはもちろんです。さらにはオ血の存在を考慮しながら治療を進めていく事になります。