よくあるご質問            HOMEへ戻る

Q1:漢方薬って、何ですか?
A1:漢方理論に則って用いられる、自然の生薬を中心としたお薬です。
 
新薬は化学的に合成された薬品、漢方薬は植物・動物・鉱物などの生薬を使用する薬品…そう思われているかたは多いと思われます。ただしこれは半分だけ正解、といったところ。
 
いくら生薬だとしても、漢方の理論に基づかない用い方では本当の意味での漢方薬とは言えません。漢方と西洋医学では全く異なる視点から、人間、そして病気をとらえています。
例えば高血圧によく用いられる漢方薬に「釣藤散(ちょうとうさん)」があります。ただしこれは血圧を下げるお薬ではありません。漢方の「肝陽上亢(かんようじょうこう)」あるいは「肝陽化風(かんようかふう)」で痰飲を伴うケースに用いる薬です。たまたまこうした身体の状態(漢方では証といいます)の人に血圧が高い人が多く、その人を平常な状態に近づける→血圧が下がる、というわけです。身体全体を考えて初めて釣藤散がその人に適しているかどうか、がわかるのです。それを高血圧だから…といって釣藤散を用いるのは漢方薬としての使用法とは言えません。
また昔から使われているからといって、便秘にドクダミ、という使い方も漢方薬とは言えません。植物薬などを経験に基づいて用いる「民間薬」的使用法といえます。

Q2:漢方薬には副作用が無いと聞きますが…?
A2:全くないわけではありません。が、ほとんど心配はいりません。
 代表的な漢方薬、桂枝湯(けいしとう)は桂枝、白芍、生姜、大棗、甘草の5種類の生薬からなり、桂枝=ニッキ、生姜=ひねしょうが、大棗=ナツメ、甘草=食品に使用される天然の甘味料、とその殆どが我々が口にする食品からなっています。
もちろん漢方薬にもつよい作用を持った生薬はありますが、その使用法は永年の経験が積み重ねられ、どう使えば安全で効果が得られるか、十分な研究が為されています。また、先ほどの桂枝湯のように、普通はいくつかの生薬を組合せて処方されています。これは作用を強化する同時に、副作用を減少させるためです。
 漢方薬自体の副作用は極めてまれで、非常に軽度です。一般に、漢方薬の副作用として報告されているものは、漢方薬の副作用ではなく適応の誤りによるものです。不適応の漢方薬を服用すれば、確かに症状が悪化することがあります。

Q3:漢方薬はどれぐらい飲めば効果が出ますか?
A3:その症状によって違いますが、一服で効果が出ることもあります
 漢方薬に対して「効くまでに時間がかかる」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、軽いカゼなどは一服で効果があります。
 漢方薬が長く飲まなければ効果がない、とされてきたのは、病気が相当に慢性化し、あるいは悪化してから服用する場合も多かったからなのです。
 一般に急性病は急速に、慢性病はそれなりの時間がかかります。病気の程度、体質などにより効果のあらわれ方が異なりますが、ある程度の目安はご相談の際に申し上げます。