2004/4/29日 荘川桜に会いに

ずっと見てみたいと思っていたが、今までなかなかタイミングや天候があわずに開花を見ることができなかった荘川桜だったが、今年ようやく咲いているのを見ることができた。

桜は温度によって開花する時期が大きくばらつく。去年臥龍桜を見に行ったのは今日4月29日だったが荘川桜はまだ蕾だった。どうやら荘川桜の咲く時期は、桜前線が津軽海峡を越える頃と覚えておくといいようだ。

今回の相棒は相変わらずアイドリングが安定しないDT1と、バーゲンで購入したデジカメ、パナソニックFZ-2だ。


ジョンソンバルブの前で

朝9時過ぎに自宅を出発し、庄川町から国道156号線を一路荘川村へと向かう。途中でアイドリング調整のために何度か停車して、スロースクリュー、エアスクリューをいじってみるものの、停車してしばらくしてからアクセルを開けるとストンと落ちてしまう症状は変わらない。キャブを徹底的に洗浄したのだが・・・。

途中小牧ダム横のジョンソンバルブという、水力発電所用バルブの前でもアイドリング調整をやらかす羽目に。

ジョンソンバルブは英国製で、昭和5年から昭和53年まで小牧発電所水圧鉄管の止め弁として使われていたのだが、取替を契機に庄川船舶小牧乗り場に展示されることになった。国道156号線は水力開発と深くかかわった道路なので、このような水力発電にまつわる展示物があちこちに置かれている。


菅沼合掌集落

菅沼合掌集落は世界文化遺産に登録されている合掌集落のうちの一つで、白川郷や相倉の集落よりかなりこじんまりとしているのだが、売店などの施設が無いため観光という面ではマイナーな存在だ。

しかし、往時の集落の面影を最も残しているのはここだろうと思う。管理人は合掌集落の中でここが一番気に入っています。


荘川桜

国道156号線をどんどん南下して岐阜県に入ると、御母衣ダムの左岸に荘川桜はある。花は満開を少し過ぎており、地元の人によると昨日と今朝に強い風が吹いたので、かなり散ってしまったということだったが、それでも健気にたくさんの花をつけていた。

今日はゴールデンウィークの初日ということで、見物の車で付近の道路はいっぱいだ。この点バイクはどこにでも止められるので渋滞無しで駐車場に入ることができた。

荘川桜は昭和34年に建設された御母衣ダムの湖底に没してしまうところを、電源開発の初代総裁である高碕達之助氏らの情熱と努力によってダム湖を見渡す現在の位置に移植されたものだ。これらにまつわるエピソードは荘川村オフィシャルホームページに詳しく掲載されている。


ダム湖対岸から荘川桜を臨む

観光客でごったがえす荘川桜を対岸から見ようと、国道から林道へDT1を乗り入れる。途中まではきれいに舗装されているが、その先は舗装が切れてダートになってきた。DT1はオフロードバイクなので、水を得た魚のように走り回れるはずなのだが、管理人の腕の無さと、壊したくないという思いが重なって慎重に進む。

林道の終点からはダムの保安用道路となっていて、一般人立ち入りは禁止という看板が立っているものの、特にゲートなどは設けられていなかったのでどんどん進んでいく。

しかし途中から人の頭より大きい落石が散らばっており、山側を見上げると今にも落ちてきそうな石が顔をのぞかせている。あんなものが当たったら即死か重傷間違いなし、ということでスゴスゴと引き返すことにする。


林道に咲く桜

林道の走行に少し慣れてきた管理人とDTは、少しピッチを上げて走行するが、右側フロントフォークのエアバルブからオイルがにじみ出してきた。あまり奇麗ではないので、オイル交換が必要な感じだ。

途中の橋の上にDTを止めて川をのぞくと、なんとも澄みきった水が流れていて心が洗われるようだ。山桜もけなげに咲いている。

今日DTを引っ張り出したのは、このミズバショウを見るためだった。

荘川村と明宝村境にある山中峠にはミズバショウがたくさん咲いているということだったが、そこに至るには荒れた道路を走らなくてはならない。国道158から分岐してしばらくは奇麗な道だが、途中からは道路工事中の深い砂利道や、適度に湿って滑りやすいオフロードになる。乗用車でも行けるが、オンロードバイクでは行かないほうがよさそうだ。

山中峠のミズバショウは昭和44年に岐阜県天然記念物に指定された群落で、日本における分布の南限であり、分布密度が高く、標高が1375mと高いところにあるというのがその理由らしい。

残念なことに今日のところは満開にはまだ早いようで、小さな花がぽちぽちと顔を出している程度だったが、これはこれでなかなか可憐な感じがする。

水の中では、山椒魚だ!と思ったらただのイモリがうじゃうじゃ遊んでいる。なんとも平和で美しい世界だった。


山中峠のミズバショウ


河原で休憩

山中峠を後に、来た道を引き返す。荘川村ではちょうど桜が満開を過ぎた季節で、あちこちで桜が花を散らせている。本当にいい季節だ。

この季節は観光客もいっぱいなので道路は割合混んでいる。DT1はアイドリングが不調でパワーも出ないけれど、2stサウンドを響かせて快調に走ってくれる。普通2stはいい音がしないのだが、管理人はアクセルを閉めたときのパンパンという音から、開け始めたときのパラランッという音、開けきったときのブァーッという音どれも楽しんでいる。特にこれを繰り返すワインディングはなんとも楽しいものだ。

ただこのバイク乗り心地は全く考えられていないので、こうやって時々休憩が必要になる。


チューリップが満開

途中の林道で道草したり、何度か休憩を繰り返しながら砺波へと帰ってきた。

この季節あちこちの畑でチューリップが満開になっており、山の展望台から見るとなかなかカラフルなのだが、球根栽培のために受粉が終わると可哀想なことに頭をちょんぎられてしまうので、咲きそろっている期間は短い。

それにしてもこの季節の砺波平野は美しい。

本日の走行距離238km

 

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